MTGのストーリーの時系列を話すのにまず基準が必要となるので、最初に本サイトでの方針を決めておく。MTGの多元宇宙で使われている暦を利用するが、中でも一番使い勝手がいい「ドミナリア次元のアルガイヴ暦」を用いることにする。
アルガイヴ暦とは
アルガイヴ暦(Argivian Reckoning)はドミナリアで一般的に使われている暦のこと。古代の工匠ウルザとミシュラの兄弟が生まれた年をアルガイヴ歴0年として数える。ウルザは0年の最初の日に、ミシュラは0年の最後の日に誕生した。1
ドミナリアの1年は420日。7日で1週間、5週間で1ヶ月、12ヶ月で1年となる。1ヶ月の日数は35日でどの月でも同じ。2
MTGの次元の中で一番、ドミナリアが詳細かつ広範囲の時系列が設定されていて、別の次元との比較がしやすい。また、ドミナリアはかつて多元宇宙の中心・ネクサスとして最も多くの次元と接触を持っており、多元宇宙の基準とするには適している。したがって、MTGの年表を作成するのにドミナリアの暦を使うのが一番都合がいい。
…ただ、1年の長さが420日はちょっと長い気がする。しかし他の次元の1年が何日間であるか分からないので、「ドミナリアの1年」イコール「他の次元の1年」で計算することにする。
アルガイヴ暦の記述法
アルガイヴ歴は頭文字を取って略して「AR」で書く。例えば、「アルガイヴ歴で1000年」なら「AR1000年」や「1000AR」と書く。
紀元前はマイナスで表す。例えば、「アルガイヴ暦の紀元前5000年」なら「AR-5000年」や「-5000AR」と書く。
紀元前5000年=AR-5000年または-5000AR
現在は何年
2018年に発売されたカードセットのドミナリア現在の時点でAR4560年にあたる。3
2016年から2019年に発売された以下のカードセットはドミナリアと同時期か少し前の出来事なので、およそAR4560年と考えて問題ない。
イニストラードを覆う影ブロック(イニストラードを覆う影、異界月)、カラデシュ・ブロック(カラデシュ、霊気紛争)、アモンケット・ブロック(アモンケット、破滅の刻)、イクサラン・ブロック(イクサラン、イクサランの相克)、ラヴニカのギルド、ラヴニカの献身。
アルガイヴ暦は何年まで遡れる?
アルガイヴ暦は約AR-20000年から設定されている。ただし、紀元前は非常に情報が少なく、あいまいな記述しかされていないのが現状である。ちなみに、約AR-20000年というのは、エルダー・ドラゴンのプレインズウォーカーであるニコル・ボーラスが誕生した時代である。
ニコル・ボーラスは多元宇宙で最古の存在、最古のプレインズウォーカーと称されてきた。だから、その誕生をもって歴史の始まりとするのは説得力がある。
…ところが、基本セット2019が発売され、ニコル・ボーラスの誕生を描いた連続小説「ボーラス年代記」が公開されると、事情が変わってしまった。一連のストーリーを読むと、ボーラスが誕生したAR-20000年より前からドミナリアにはすでに原始的な人類文明が確認できるのだ。その上、AR4560年現在で生存しているプレインズウォーカーの中には、ボーラスと双子のウギンがいる。つまり「多元宇宙で最古の存在、最古のプレインズウォーカー」はボーラスただ1人ではなく、ボーラスとウギンの2人となっている(しかもプレインズウォーカーに覚醒した時期はウギンの方が早く、その意味では最古のプレインズウォーカーの称号はウギンにこそふさわしい)。
現状では、AR-20000年より昔の歴史は(創世神話などを除けば)どの次元でも描かれていないので特に問題はないだろう。
エクィロー次元の10万年前
例外として、小説PlaneswalkerにおいてAR3110年頃、エクィロー次元ではその10万年前から悟りを探求し始めたとの旨が語られており、AR-97000年頃にはエクィローには文明が存在したことになる。エクィローの歴史は、悟りの探求を始めた10万年前とウルザの来訪の2点しか語られてない伽藍洞の状態なので、各次元の年表を論じる上での影響はほとんどない。少なくとも多元宇宙はAR-97000年より前から存在していた証拠として注記しておきたい。
ドミナリア史
AR-20000年からAR4560年の約2万5千年間に及ぶドミナリアの大まかな時代区分と年表を調べるにはこちらを参照。
他の次元の暦
ラヴニカの調和暦についてはこちらを参照。
ウルグローサの世代紀についてはこちらを参照。
まとめ
年表の基準が設定できたので時系列を話せるようになった。
- アルガイヴ暦を基準とする。
- 現在はAR4560年。
- 歴史はAR-20000年まで遡れる。
- AR-97000年頃にはエクィロー次元が存在しており、多元宇宙の誕生はさらにそれより昔の出来事。
- 出典:小説The Brothers’ War序文
- 出典:Duelist誌16号掲載記事Dominian Chronicles
- 出典:The Art of Magic: The Gathering – Dominaria