カード紹介:水蓮の谷間

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水蓮の谷間(Lotus Vale)はカードセット「ウェザーライト」に収録された土地カード。

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水蓮の谷間の解説

水蓮の谷間(Lotus Vale)

データベースGathererより引用

水蓮の谷間(Lotus Vale)1はドミナリア次元トレイリア島にあった場所である。毎年、黒水蓮(Black Lotus:ブラック・ロータス)が花を咲かせる谷である。

普通の人々にとっては、トレイリア島は神話の中の存在であり、この水蓮の谷間も同様に人々の噂話に挙がるだけの場所であった。その噂では、黒水蓮の谷はトレイリア島の名前も知られていない魔術師結社が用心深く守っているとされた。

この噂は本当の話である。名前も知られていない魔術師結社とは「トレイリアのアカデミー」のことであり、水蓮の谷間も存在している。短編集Rath and Storm短編Ertai’s Taleでは、アーテイが窓から花盛りとなった水蓮の谷間を眺めているという短い場面が挿入されている。そして、その谷にはが満ちていくのだ。



水蓮の谷間はペンドレル峡谷なのか?

トレイリアを取り巻く「ペンドレルの霧(Pendrell Mists)」。それは時間災害時に発生し島を呑み込んだ。MTGの初期カードにはペンドレル峡谷の礼拝堂(The Tabernacle at Pendrell Vale)が存在し、メカニズム的には「ペンドレルの霧」と同一の性質がある。

ということは、トレイリア島にはペンドレル峡谷が存在するのではないか?霧が満ちる水蓮の谷間という短編の描写は、そこがペンドレル峡谷であることを暗に示唆しているのではないか?

確認事項
「水蓮の谷間」と「ペンドレル峡谷」は公式訳が「谷間」と「峡谷」で別々の言葉に訳されているけれど、英語原文ではどちらも「Vale」であり、この部分で言葉の上では違いはない。

ウェザーライトが発売された時、ヴォーソスの多くが「ペンドレルの霧」(と「水蓮の谷間」)のカードを見て、トレイリアに「ペンドレル峡谷(と礼拝堂)」があると確信した。私もその1人だった。そして日本でも海外でも、あまり疑問も持たれずにファンサイトやwikiでは、ペンドレル峡谷はトレイリアの地名として記載され、あるいは、トレイリア島のペンドレルの霧の発生源はペンドレル峡谷の礼拝堂であるなどとまことしやかに語られることになった。もう何年も前から定説化してしまっている感がある。

今回、改めてトレイリア島の登場する作品と記事を調査してみた。総ざらいできた感触がある。まとめてみた。

Q:ペンドレル峡谷はトレイリア島にあるか?
A:明記している記述は発見できなかった。そもそも「ペンドレル」という単語は短編Ertai’s Taleで「ペンドレルの霧」という形で登場したが、その他に発見できなかった。
Q:(ペンドレルという言葉が登場しないなら)礼拝堂(Tabernacle)はトレイリア島にあるか?
A:発見できず。
Q:「Vale」や「Tabernacle」とは別の単語、類語で書かれてはいないか?
A:類語(「valley」「canyon」など)でも調べたが、ペンドレル峡谷や礼拝堂に相当するものは発見できなかった。
Q:水蓮の谷間がペンドレル峡谷ではないか?作品中の水蓮の谷間をペンドレル峡谷と置き換えてみたりすると、トレイリアの霧(ペンドレルの霧)との関係性が見えてこないか?
A:記事Dominian Chronicles Weatherlight Ports of Callと短編Ertai’s Taleの他にもあるはずだと考えていたが、水蓮の谷間に関する記述は見つからなかった。
Q:ペンドレルの霧の発生源は?
A:トレイリア島のペンドレルの霧は時間災害時に発生した。発生源は不明だが時間の流れの違う水が霧になったものがペンドレルの霧かもしれない。
  また一方で、礼拝堂の大魔術師のフレイバー・テキストを見るに、ペンドレルの霧はペンドレル峡谷から発生している可能性がある。
調査結果
トレイリア島にペンドレル峡谷という地名は発見できなかった。ペンドレル峡谷の礼拝堂に相当する建造物も発見はできなかった。
水蓮の谷間がペンドレル峡谷であるという証拠も見当たらない。
トレイリア島は時間災害でペンドレルの霧が発生した。それとは別件で、ペンドレル峡谷からペンドレルの霧が発生している可能性がある。

「ペンドレル峡谷の礼拝堂がトレイリアに存在する」という定説には明確なソースがあると考えていたが、ペンドレルという語句が一致している以外の、ソースの類はどうやらないようだ。

まあ、書かれてないだけでトレイリア島にあるのかもしれない。MTGでは全てがフレイバー・テキストや記事や作品で公表されるものじゃないし、がっちり設定されているものでもないわけだしな。…と考えられたら幸せだったが、ペンドレル峡谷の礼拝堂(The Tabernacle at Pendrell Vale)」はトレイリア島外に存在していることが判明している。ジャムーラ大陸だ。次回で終わる



水蓮の谷間のストーリー

水蓮の谷間の設定情報のほぼ全ては、Duelist誌#19記事Dominian Chronicles Weatherlight Ports of Callで語られているものだ。古い雑誌のため入手して読むことは難しいため、以下にトレイリアの部分から抜粋して引用する。

Rumor persists that the Black Lotus blooms each year in Tolaria, and that this “Lotus Vale” is guarded jealousy by an anyonymous order of wizards. Hanna’s father Barrin is the leader of this order and Ertai is an adept. Despite his constant bragging, Ertai has studiously avoided any mention of the order.
以上引用。以下私家訳。
根強い噂によると、トレイリアには毎年、黒水蓮が花を咲かせる場所があり、この「水蓮の谷間」は名前も知られていない魔術師結社によって用心深く守られている、という。ハナの父バリンはこの結社の長であり、アーテイは達人である。アーテイは途切れなく自慢話を続けるような男だが、この結社の話題はいつも注意深く避けている。

短いながらも設定が固まっている。水蓮の谷間は、上述した通り短編集Rath and Storm短編Ertai’s Taleで実在することが確認できる。

ついでではあるが、同じ記事中でもう少しピックアップしたい。以下の部分になるが、これは水蓮の谷間の記述ではないが重要な内容が含まれている。

an unknown curse that covered the island in terrible, devouring mists. For centuries salors have told tales of that land, of peaple who entered the isle’s interior only to return weeks later without any knowledge of the time that had passed … or worse still, of people gone for hours but aged years.
以上引用。以下私家訳。
(トレイリアは)謎の呪いで恐ろしい呑み込まれるような霧に覆われた。何世紀もの間、船乗りはこの島を語り伝えている。ある話では、島に上陸して数週間過ごしたはずが戻った時にはその間の記憶を失っていた。より恐ろしい話は、数時間いただけで数年分も歳を取ってしまったというものだ。

これを読むと、カードセット「ウェザーライト」の時点ですでにトレイリアのこれから先の物語と設定の伏線が書き込まれていることが分かる。謎の呪いはAR3307年の時間遡行実験の大事故による災害であるし、記憶消去で島情報を外部に漏らさない描写は小説Bloodlinesでもあった。数時間で数年分も加齢する話は、時間災害によって生じた時間の泡に他ならない。大部分はカードセット「ウルザズ・サーガ」「ウルザズ・レガシー」小説Time Streamsで扱われた内容である。

マーク・ローズウォーターによると、ウェザーライト・サーガのストーリーは当初の想定とは大きくかけ離れた展開になったというが、このとき蒔かれた種は(想定とは異なる部分もあったかもしれないものの)矛盾なく回収されている。

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