兄弟戦争:ヨーティア兵型自動機械

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今回はウルザが設計した「ヨーティア兵型自動機械(Yotian Soldier)」を取り上げる。

カードセット「アンティキティー」収録のヨーティアの兵(Yotian Soldier)が初出で、その後は小説やコミックなどのストーリー作品や少数のカードに登場して、開発や配備、実際の運用などの詳細が描かれた。

初登場より28年後の2022年、カードセット「兄弟戦争」ではヨーティアの前線兵(Yotian Frontliner)が登場した他、いくつかのカード・イラストにも描かれている。

追記(2022年11月17日):屑鉄造りの軍勢(Scrapwork Cohort)の頭部パーツがヨーティア兵型のリサイクルであると追記した。

追記(2022年11月18日):カイラの命令(Kayla’s Command)にトークンの画像と注釈を加えた。

※ カード名の公式訳は「ヨーティアの兵」であるが、本サイトのストーリー用語としては間の「の」を省いた「ヨーティア兵」で表記する。

ヨーティア兵型自動機械の解説

ヨーティアの前線兵(Yotian Frontliner)

ヨーティアの前線兵(Yotian Frontliner)
公式カードギャラリーより引用

ヨーティア兵(Yotian Soldier)はウルザが設計した、従来の報復者型よりも小型で、生産性が高い人型自動機械である。外装は甲虫に似た鎧で固められ、動作は機械的で正確である。鋭い刀剣を振り上げては打ち下ろす様は農夫が麦の穂を刈り取るようであった。

ヨーティア兵型は、クルーグが陥落しヨーティアの国土がファラジ帝国に占領された、AR28年以降に開発された。ウルザはこのタイプをヨーティア兵と命名して、アルガイヴとコーリスがヨーティアと同じ運命を辿らずに守られるように、との願いを込めた。ヨーティア兵はまず初めにアルガイヴとコーリスの国境に、眠らぬ衛兵として配備された。



ヨーティアの兵

After Kroog was destroyed while most of its defenders were at his side, Urza vowed that none of his allies would ever need to fear for their own defense again, even while laying siege to a city far from their homes.
クルーグは、その防衛軍のほとんどがウルザのもとにいた間に破壊された。これを知ったウルザは、今後はたとえ遠方の都市を包囲している間であっても、自分の同盟者たちに故郷の防衛は心配させないと誓った。
引用:ヨーティアの兵(Yotian Soldier)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ヨーティアの兵(Yotian Soldier)

ヨーティアの兵(Yotian Soldier)
データベースGathererより引用

ヨーティアの兵(Yotian Soldier)はカードセット「アンティキティー」収録のアーティファクト・クリーチャー・カードであり、これがヨーティア兵型自動機械の初出となる。

コミックUrza-Mishra War vol.1巻末の開発者インタビューによると、警戒能力はフレイバー・テキストに記されているように、クルーグ陥落の失敗を反省したウルザが攻撃をしても守りに隙を作らない自動機械兵士として設計した、という背景設定を持たせつつデザインされたものだという。カードセット「アンティキティー」はこうして一連のストーリー流れを想定して組み込まれたカード群が含まれている。現在正史となっている兄弟戦争のストーリーは、必ずしもカード開発陣の当初の想定通りではないかもしれないが、このヨーティア兵のようにエッセンスはちゃんと吸収されているのだ。

※ カード名の公式訳は「ヨーティアの兵」であるが、本サイトのストーリー用語としては間の「の」を省いた「ヨーティア兵」で表記する。

アルマダコミック版のヨーティア兵

ヨーティア兵型自動機械
コミックUrza-Mishra War vol.1より引用

アルマダコミック・シリーズでは、コミックUrza-Mishra War vol.1で登場した。

このコミック中では、フレイバー・テキスト通りにクルーグがファラジの攻撃を受けた後、ウルザが同盟国のコーリスに送った自動機械兵士隊という扱いであった。味方の「大メダル」を持たない者は、機械でも生物でも容赦なく破壊してしまう無慈悲な番人だった。外見デザインは様々で、カード・イラストとは似ておらず、色は暗い青や紫だった。

アシュノッドの人体改造器(Ashnod's Transmogrant)

アシュノッドの人体改造器(Ashnod’s Transmogrant)
データベースGathererより引用

アシュノッド率いるドラゴン・エンジンと新型兵器「人体改造機1(Transmogrant)」の部隊との戦闘になる。ヨーティア兵は機械であるドラゴン・エンジンには有効であった。しかし、機械とも生物ともつかない人体改造機はヨーティア兵のセンサーの想定外であり、敵と認識できず棒立ちのまま攻撃を受けることになった。

Martyrs of Korlis

Martyrs of Korlis
データベースGathererより引用

この欠点を補うためにコーリスの殉教者(Martyrs of Korlis)が立ち上がった。彼らは「大メダル」を捨てて人体改造機に組み付き、ヨーティア兵に敵であると認識させ自分たち諸共に攻撃させたのである。

このエピソードは小説The Brothers’ Warには拾われなかったものだが、戦争中に同じような不具合が無かったとは言い切れないものだ。

ミラディン再録版のヨーティア兵

Poets dream the verses of otherworldly stories. Artificers dream the blueprints of other planar artifacts.
詩人は他の世界の物語の一節を夢見る。工匠は他の次元のアーティファクトの青写真を夢見る。
引用:ヨーティアの兵(Yotian Soldier)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ヨーティアの兵(Yotian Soldier)

ヨーティアの兵(Yotian Soldier)
データベースGathererより引用

ヨーティアの兵(Yotian Soldier)は、カードセット「ミラディン」再録版でイラストとフレイバー・テキストが刷新された。

AR44-45世紀頃のミラディン次元にもヨーティア兵型自動機械が存在していた。ミラディン次元の創造者カーン自身がウルザ作の人型自動機械の生まれなので、先祖に当たるヨーティア兵型をこの次元に再現していてもそれほど不自然ではない。

ところがフレイバー・テキストでは、工匠は別次元のアーティファクトの青写真を夢に見るとあり、古代のヨーティア兵型を夢から再現したように受け取れる。名前にはしっかり「ヨーティア」と付けられているので、同じ物の再発明という偶然では済ませられない。ならば工匠は、誰かが魔法で送った設計図の夢を受け取ったのかもしれない。ミラディンの管理者メムナークによる次元住人への精神干渉、という線がありそうに思える。

次の節では、オリジナルのヨーティアの兵に続き、新バージョンのカードを紹介する。

ヨーティアの前線兵

ヨーティアの前線兵(Yotian Frontliner)

ヨーティアの前線兵(Yotian Frontliner)
公式カードギャラリーより引用

ヨーティアの前線兵(Yotian Frontliner)カードセット「兄弟戦争」収録のアーティファクト・クリーチャー・カードである。ヨーティア兵型直系のカード2種類目だ。

小型で生産性が高く、前線となる国境に配備された、という小説The Brothers’ Warでの設定を意識した新バージョンとなっているようだ。

カード・イラストは、オリジナル・デザインの基本を残しつつブラッシュアップしたものだ。

次は小説やコミックなどのストーリー作品をピックアップして行こう。

ヨーティア兵型の登場ストーリー

ヨーティア兵型自動機械の登場するストーリー作品は複数ある。過去の時代から時系列順に紹介しよう。

肉体装置技師、アシュノッド (Ashnod, Flesh Mechanist)

肉体装置技師、アシュノッド (Ashnod, Flesh Mechanist)
公式カードギャラリーより引用

小説The Brothers’ Warに描かれている範囲でのヨーティア兵型自動機械の初陣は、赤毛の将軍アシュノッド指揮下のコーリス侵攻軍との戦いであった。

ファラジを迎え撃ったコーリス軍には、ヨーティア兵型と共に、タウノス設計の粘土像型の2種類の新型自動機械の兵団が配備されていた。対するファラジ側はアシュノッドの人体改造機と、純ファラジ製のドラゴン・エンジン第一世代型という最新鋭機械を擁していた。この戦いは両陣営の新兵器の実戦試験の様相を呈していたが、勝敗は機械の性能如何ではなく、指揮系統に問題のあったファラジ軍の敗退で決着した。

Soldevi Golem

ソルデヴ製蒸気機関ゴーレムの元ネタ・カード
Soldevi Golem
データベースGathererより引用

小説The Eternal Iceでは、AR2934年のソルデヴの技師は自分たちの蒸気機関ゴーレム(Steam-powered Golem)を、伝説のヨーティア兵型に勝るとも劣らないと豪語していた。

その続編、20年後設定の小説The Shattered Allianceにおいては、ラト=ナム島の見えざる者の学び舎の工匠レリ(Artificer Relj)がヨーティア兵型に関する新理論を研究していた。また、物語終盤になるとラト=ナムはリム=ドゥールがコントロールする自動機械群に襲撃されており、その中には兄弟戦争期のヨーティア兵型と粘土像型、現代のソルデヴの蒸気機関ゴーレムの混合部隊も混ざっていた。

小説Planeswalkerでは、プレインズウォーカーとなって以降もウルザはヨーティア兵型自動機械のバリエーションを制作し、護衛として活用していると語られた。作中では3000年以上も名前すら言及されない数多の次元を旅して行き、新たな世界であればそこで使える物質ならなんでも(粘土や石や木や氷など)ヨーティア兵型の材料とした。

トレイリアのアカデミー(Tolarian Academy)

トレイリアのアカデミー(Tolarian Academy)
データベースGathererより引用

更に後世、AR34世紀以降設定の小説Time Streamsでもヨーティア兵型自動機械は登場する。ウルザが開校した最初のトレイリアのアカデミーの博物館には、筋張った体と犬に似た頭部のヨーティア戦士型2が、粘土像型や逆関節膝のスー=チー型などと一緒に収蔵されていた。時間災害後に再建されたアカデミーの博物館にもそれらの自動機械は健在であったが、ケリク帝国の脅威に備えてバリンはこうした過去の遺物をも起動したのだった。

MTG初の小説三部作グリーンスリーヴズ・シリーズにもヨーティア兵は登場している。

まず1作目の小説ささやきの森ではドメインズ地方のどこかにある熱帯の孤島、その死火山の火口に穴を掘って住む身長5フィートの蟻人間(Antfolk)の集落があった。2本足で直立した茶色の蟻に似ており、槍に似た武器を持っていた。地下集落には少なくとも100体はいるようだった。作品の時代設定はAR4073年。

そして3作目の小説Final Sacrificeでは、蟻人間は主人公側の味方となっており、正体はヨーティア兵だったと明かされる。登場人物達はヨーティア兵を、古代にウルザかミシュラが創造した衛兵だとの知識を得ていたものの、依然として自動機械ではなく、性別を持たない蟻人間種族と勘違いしていた。作品の時代設定はAR4077年。

ヨーティア兵型自動機械が登場するストーリー作品の紹介の次は、色々な関連カードを確認しよう。

ヨーティア兵型自動機械の関連カード

この節ではヨーティア兵型自動機械の関連カードを紹介する。

落とし穴

Yotian soldiers were designed to fight, not watch their feet.
ヨーティアの兵たちは戦うように設計されていた。自分の足元を見るようには設計されていなかった。
引用:落とし穴(Pit Trap)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

落とし穴(Pit Trap)

落とし穴(Pit Trap)
データベースGathererより引用

落とし穴(Pit Trap)のカードセット「ウルザズ・サーガ」再録バージョンは、イラストとフレイバー・テキストが新規のものとなっている。

足元がお留守のヨーティア兵が、落とし穴に落ちて壊れてしまった場面である。アルマダコミックのエピソードと同じように、戦うのは得意だがセンサーには不具合があったようだな。

カイラの命令

カイラの命令(Kayla's Command)

カイラの命令(Kayla’s Command)
公式カードギャラリーより引用

カイラの命令(Kayla’s Command)カードセット「兄弟戦争」収録のソーサリー・カードである。

カード・イラストを見るとカイラの左右には、ヨーティア兵型が整列している。

カードのメカニズムでは、モードの1つが無色の2/2の構築物・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成するとなっており、これがイラストのヨーティア兵型自動機械を示していると考えられる。

2/2の構築物・アーティファクト・クリーチャー・トークン

2/2の構築物・アーティファクト・クリーチャー・トークン
公式記事The Tokens of The Brothers’ Warより引用

ただし、「兄弟戦争」の構築物・トークン・カードのイラストを確認すると、2/2サイズの方はヨーティア兵型とは別種の、ファラジ帝国系の自動機械が描かれている。

1/1の兵士・アーティファクト・クリーチャー・トークン

1/1の兵士・アーティファクト・クリーチャー・トークン
公式記事The Tokens of The Brothers’ Warより引用

ヨーティア兵型のイラストの兵士・トークンもあるのだが、そちらは1回り小さい1/1サイズなのだ。このずれは少し残念である。

屑鉄造りの軍勢

屑鉄造りの軍勢(Scrapwork Cohort)

屑鉄造りの軍勢(Scrapwork Cohort)
公式カードギャラリーより引用

屑鉄造りの軍勢(Scrapwork Cohort)カードセット「兄弟戦争」収録のアーティファクト・クリーチャー・カードである。

名前通りにスクラップ・パーツの寄せ集めで造られた自動機械だ。

屑鉄造りの軍勢(一部拡大図)

ウィザーズ社で伝承担当のアドバイザーをしているジェイ・アネリ(Jay Annelli)の指摘(出典リンク)によると、頭部がヨーティア兵型のリサイクル・パーツである。言われてみれば、なるほど同型である。

貪欲な巨大モグラ

貪欲な巨大モグラ(Ravenous Gigamole)

貪欲な巨大モグラ(Ravenous Gigamole)
公式カードギャラリーより引用

貪欲な巨大モグラ(Ravenous Gigamole)カードセット「兄弟戦争」収録のクリーチャー・カードである。

巨大モグラがヨーティア兵型の上半身残骸を喰らっている。

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アルゴスのスプライト

“Make the exhaust vents smaller next time!”
–Urza, notes to his engineers
「次は排気口をもっと小さくしておけ!」
–ウルザ、配下の技師へのメモ
引用:アルゴスのスプライト(Argothian Sprite)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

アルゴスのスプライト(Argothian Sprite)

アルゴスのスプライト(Argothian Sprite)
公式カードギャラリーより引用

アルゴスのスプライト(Argothian Sprite)カードセット「兄弟戦争」収録のクリーチャー・カードである。アルゴス島の妖精の1種だ。

イラストでは、小型なスプライトの後ろで破壊されているのはヨーティア兵型だ。フレイバー・テキストを読むと、排気口から侵入されて壊されてしまったらしい。

さてこれで関連カードも取り上げ終わった。



さいごに

本記事は、ヨーティア兵型自動機械を総合的に取り上げてみたものだ。こうして改めて見ると、色々とエピソードや設定が細かく語られていたものである。もしかすると古参プレイヤーでも、意外だったかもしれないな。

今回は新バージョンがカード収録できたけれども、カードセット「兄弟戦争」の連載ストーリーの方には登場できなかったのが少々寂しい。

では、今回はここまで。

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