束の間の霊魂(Fleeting Spirit)はカードセット「イニストラード:真紅の契り」収録のクリーチャー・カードである。
間も無く発売される「イニストラード:真紅の契り」のカードについて、小ネタを拾って解説する。今回はこのカードだ。
束の間の霊魂の解説
束の間の霊魂(Fleeting Spirit)はイニストラード次元の聖戦士の霊である。
イラストでは、聖戦士の霊が吸血鬼に馬乗りで首を締めあげている。吸血鬼の剣は霊体に突き刺したところで何の意味もなさない。周囲の装飾デザインを見た限り、ここは吸血鬼の住居のようだ。
カードメカニズムの面で見ると2つの起動型能力を持たされている。
1つ目の先制攻撃の方は、不意を打って出現する霊という特徴の表れかもしれない。
2つ目はいったん戦場から姿を消して再び現れる俗に「明滅」と呼ばれる効果だ。こちらも幽霊らしさがある。
束の間の霊魂のイラストとストーリー
イラストを担当したEvyn Fongはこのカードを描くにあたって、裏話的なストーリーを想定していたと明かしている(出典)。
その裏話によると、実はこの聖戦士と吸血鬼はかつて愛し合っていた。ところが、吸血鬼は(典型的な吸血鬼のやり方で)浮気に走り、邪魔者となった恋人を殺害した。そして今まさに聖戦士は復讐を果たす!とのことだ。
またイラストの発注指示は、聖戦士の幽霊が吸血鬼の首を締め上げており、それと同時に吸血鬼は剣を突き刺している、とのことだった。Evyn Fongはイラストを塗るのにとても苦労したのだという。(出典)
教会に仕える聖職である聖戦士と、人類を捕食する吸血鬼の禁断の恋には、悲劇的結末が待ち受けていた。男性同士の恋愛はMTGではもはや珍しくもないが、ただの格闘戦を意図したイラストではなかったと知った今では、組み合い方に剣にとなんとも生々しい感情が渦巻いているイラストに思えてくるではないか。
さいごに
「イニストラード:真紅の契り」は結婚式がメイン舞台であり、それに沿った様々な愛の形がカードに散りばめられている。結ばれる恋人たちもいれば、このカードのように、かつての恋人たちの復讐劇もあるのだ。
愛憎入り混じったこの雰囲気は「真紅の契り」独特のものだ。そういえば、カードセット全体でこんな感じなのは今まで無かったな、と今更ながら気づかされた。
吸血鬼テーマだけじゃなく結婚テーマも作り込まれてるし、同じイニストラードのカードセットが2つ続いたが差別化がしっかり出来ている。これには脱帽である。
今日のは特に短い記事となってしまった。たまにはいいか。では今回はここまで。
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