ハーキル(Hurkyl)は1994年のカードセット「アンティキティー」初出のキャラクターである。
ハーキルの召還術(Hurkyl’s Recall)のカード名とフレイバー・テキストで言及された後、ハーキル本人はコミックUrza-Mishra War vol.2(1996年)と小説The Brothers’ War(1998年)で登場した。
2022年のカードセット「兄弟戦争」において、熟練の魔術師、ハーキル(Hurkyl, Master Wizard)として初のカード化が果たされた。
今回はドミナリア次元の魔法史に名を遺すラト=ナム大学のハーキルを取り上げる。
追記(2022年11月1日):公式カードギャラリーに新規登録されたカード画像や新たに判明したカードを追加した。
追記(2022年11月28日):関連カードに散乱光(Scatter Ray)を追加した。
ハーキルの解説
ハーキル(Hurkyl)はドミナリア次元アンティキティー戦争期の人間女性の魔術師であり、ラト=ナム大学(The College of Lat-Nam)の共同創立者にして、第三の道(The Third Path)の中心メンバーである。臆病で極度の無口であり、存在感の薄い人物だ。出身はラト=ナム島と考えられる。1
夫であるドラフナ(Drafna)はハーキルの元教師で、ラト=ナム大学の共同創立者だ。AR33年、ハーキル夫妻はテリシア市において第三の道の発足メンバーとなった。実はドラフナは真っ先に加入を断ろうとしたが、妻が反対する意思を示したのでしぶしぶと、だがすぐに意見を変えたのだ。少々度が過ぎるようにも思える愛妻家のドラフナはハーキルには全く頭が上がらなかった。
ハーキルは魔法に関する瞑想法を編み出し、夫婦で創立したラト=ナム大学はドミナリア次元の魔法史に大きな功績を遺したのである。
極度の無口
ハーキルは臆病で無口な性格で、ほとんど存在感がない。
その代わりに夫のドラフナは大声で多弁な人物なので、ハーキルが目線や軽い咳払いを送ると、その意図を察して代弁してくれるのだ(代弁した内容が間違っていると、さらに咳払いする)。
ハーキルの寡黙さを伝える具体例を挙げると、ロランは初対面から3年の間に、ハーキルが1文を最後まで言い切ったのをたった3回しか聞いたことが無かった。
ハーキルの瞑想法と魔法学への貢献
ハーキルはドミナリア次元の魔法学の歴史に多大なる貢献を遺している。瞑想法とラト=ナム大学だ。
ハーキルは瞑想法を通じた魔法の探求を行い、定命の存在でありながら土地とマナの関係と魔法の原理に辿り着いた。ハーキルは瞑想を通じて故郷の土地と記憶に集中することで、土地からエネルギーが引き出せると発見し、テリシア市の大修道院長はこのエネルギーを「マナ」と名付けた。ハーキルはこの発見を記録し、知識を共有したのだった。
同時代人の中にも、ハーキルの瞑想法を実践して土地からマナを引き出し、魔法を制御する方法を習得できた者たちがいた。例を挙げると、フェルドンやカイラ・ビン=クルーグだ。その反対に、ロランは瞑想法を試したものの、故郷の土地への記憶が薄まっていたためか理由は定かでないが、マナを引き出す技を習得できなかった。
また、ハーキルがドラフナと創立したラト=ナム大学の系譜は、名前や形を変えて4500年以上も継承されていく。氷河期のジョダーの見えざるものの学び舎、オタリア大陸タミンガジン地方の魔術学院、ウルザが開校した最初のトレイリア島のアカデミー……、そしてAR4560年現在では、ドミナリア各地に開かれたトレイリアのアカデミーへと受け継がれている。
ハーキルの発見は、ゲーム的に言えば「土地をタップしてマナを出して呪文を唱える」「マナには5色ある」というMTGのゲームシステムの基本中の基本である。何をいまさらそんなことを大発見扱いするのかというと、プレインズウォーカーとそうでない普通の魔術師との間には根本的な違いがあるからだ。
MTG初期に定められた基本設定によれば、「プレインズウォーカーだけがマナが何であるか、それがどういう形態をとるのかを理解している。ゆえに、多元宇宙で大多数を占める、プレインズウォーカーでない魔術師はマナの5つの形態についても、次元移動と召喚の秘密も知らない。」のである(出典:基本セット第4版時のポケットプレイヤーズガイド)。たとえ魔法が使えても、別の次元に移動する呪文や技術を利用できても、召喚魔法を行使できたとしても、プレインズウォーカーのような真なる理解には到底及ばない、これが基本原則だったのだ。
しかし、ハーキルはプレインズウォーカーではない身で土地とマナ、魔法の真理に至った。彼女がこの発見をした「史上初の人物ではない」かもしれないが、ラト=ナム大学と第三の道で学問として体系的に研究してその知識を共有し、後世に伝え残したのは、ドミナリア次元では初めてのことであったに違いない。
ハーキルの功績
ドラフナの功績の中には、実際はハーキルのものがたくさん含まれているのが実情だ。とは言っても、ドラフナが元教師としての立場からハーキルの発見を奪っているのではないようだ。
上述したように、ハーキルは気が弱く極度の無口で目立たず、夫の口から自分の意志を伝える人物である。ドラフナが妻をこの上なく大事にしていることも作中から読み取れ、ハーキルを利用し裏切っているとは思えない。
だから、ドラフナはハーキルの様々な発見をただ代わりに発表しているだけで、本当は愛妻の功績を広く認めさせたいだけだったのではないか?ただ、声がデカイとそっちの方がやたらに印象に残ってしまうものだから……。
ハーキルの死
ハーキルはミシュラのファラジ帝国によるテリシア市包囲戦で戦死している(AR44年推定)。彼女の死の経緯は次の通りだ。
テリシア市の防御は堅牢で、包囲するファラジ軍を寄せ付けなかった。しかし、第三の道を裏切ったギックス派がテリシア市の門を開きファラジ軍を招き入れたのだ。
その際、ハーキルは最後の瞑想を行って魔法を行使し、襲い来るドラゴン・エンジン3体を青い光の中に消し去った。しかし、アーティファクト・クリーチャーとは違い、生身のファラジ兵は薄れゆく魔法の青い光を突き進んだ。魔法行使で疲労困憊したハーキルは、ファラジの槍に貫かれて命を絶たれたのである。
妻の非業の死を目撃したドラフナにとって、その時点で世界は終わったも同然で、もはや世界の行く末がどうなろうと気に掛けてもいないようであった。もしハーキルの死の直後にフェルドンがゴーゴスの酒杯を渡していたら、ドラフナは躊躇せず使いかねないほどだった。恐れたフェルドンとロランは酒杯をドラフナから隠してしまう。
ハーキルの死が引き金となって、ドラフナは愛する妻の報復に手段を選ばず過激になったのである。
ハーキルというキャラクターの経緯
ここではハーキルと言うキャラクターがMTG史においてどういった扱いであったかを語りたい。
※ この節ではハーキルの設定やストーリーには言及していない。設定やストーリーを望むなら、この節は読み飛ばして次の節に進んでも構わない。
1996年、アルマダコミックのUrza-Mishra War vol.2においてハーキルはストーリー作品で初めて描かれた。ラト=ナム大学の代表であるだけでなく、更に「第三の道」の構成メンバーという基本設定がここで固められた。ただ、この時点ではまだ極度な無口ではなく、長台詞を喋っていた。
1998年、兄弟戦争を正史として語り直した小説The Brothers’ Warでもハーキルは登場している。ラト=ナム大学の共同創立者で第三の道の中心人物の1人という設定は継承されていた。外見はカードとコミックの姿の両方を無理なく統合したものである(後述)。ハーキルは瞑想法によってドミナリアの魔法史発展における多大な貢献を果たすことになった。ハーキルの召還術もテリシア市の戦いの場面でしっかりそのままに描かれていた。登場場面は少ないながらも(その上無口なので台詞もなかったが)印象的なキャラクターとなった。
そのほか、コミックUrza-Mishra Warや小説The Brothers’ Warを除けば、ハーキルはいくつかのストーリー作品で名前が言及されてはいたものの、歴史上の人物として軽く触れられる程度に終わっていた。
2018年のカードセット「ドミナリア」の救出(Rescue)のフレイバー・テキストではハーキルの名が久々に登場した。
2022年、カードセット「団結のドミナリア」の第三の道の創設(Founding the Third Path)のイラスト内には図案化したハーキルの姿が描かれていた。
同年、カードセット「兄弟戦争」において、ハーキルは伝説のクリーチャー・カードとして初めてカード化された。夫のドラフナやハーキル関連のいくつかのカードも同時収録されている。
ハーキルの外見
ハーキルの外見デザインは、ハーキルの召還術のイラストが基盤となっている。長い黒髪の女性の姿だ。
.png)
ハーキルコミックUrza-Mishra Warより引用
しかし、ハーキルが1996年のアルマダコミック(Urza-Mishra War vol.2)に初登場した際には、完全な禿頭(とくとう)であった。
まるでカードセット「アンティキティー」収録のラト=ナムの賢人(Sage of Lat-Nam)が禿頭であることに合わせたかのようであった。
1998年発行の小説The Brothers’ Warは兄弟戦争の正史となる作品だが、ここで再登場したハーキルの姿は、アルマダコミックの禿頭と、ハーキルの召還術の長髪の両方のイラストを無理なく統合してまとめられたものだった。
AR33年夏にロランがテリシア市に到着した際にハーキルはドラフナと共に初登場するが、この時はアルマダコミックと同じ禿頭であった。禿頭にする理由だが、ラト=ナム大学は大部分が地下施設であり湿気がこもるために、髪の毛を剃ってシラミの発生を抑えているのだという。また、髪型はコミックと同じだったが、ハーキルの召還術と同じように肩口からは刺青がされていた。
3年後のAR36年、ハーキルはラト=ナム大学へは1度も戻らずにテリシア市に居残って研究を続けていた。その間、髪を剃る必要が無くなったことで、黒い髪を長く伸ばした姿に変わっていた。こうしてアルマダコミックから、ハーキルの召還術にそっくりになったのだ。
現実世界で24年が経過し、2022年のカードセット「兄弟戦争」では旧キャラクターの外見デザインはその多くが見直されて大なり小なりの変更が加えられている。初カード化となったハーキルもその1人だが、ハーキルの召還術と小説The Brothers’ Warの描写をきちんと踏まえ、黒い長髪の理知的な女性という軸は崩さずにリニューアルしている。
髪のまとめ方はハーキルの召還術と同じだ。白地に明るい青いラインの衣服はハーキルの召還術から要素を引き継いだもの。肌の露出が抑えられたことで、特徴的な刺青文様が確認できなくなったが、衣服に刺青のデザインが取り込まれている。サークレットはアルマダコミックからか。
ハーキルの召還術
This spell, like many attributed to Drafna, was actually the work of his wife and former student, Hurkyl.
ドラフナの手になるものとして知られる呪文の多くと同様、この呪文もまた、彼の妻であり、元弟子であるところのハーキルが編み出したものである。
引用:ハーキルの召還術(Hurkyl’s Recall)のフレイバー・テキスト(基本セット第4版バージョン)
上が英語原文。下が和訳製品版
ハーキルの召還術(Hurkyl’s Recall)はカードセット「アンティキティー」収録のインスタント・カードである。対象のプレイヤー1人に自分のコントロールする全てのアーティファクトを手札に戻させる効果を持っている。
このカードにおいてハーキルが初登場を果たし、イラストの女性は後にハーキル自身だと確定した。小説The Brothers’ Warにおいて、ハーキルがテリシア市の戦いで実行した魔法はこのカードを基にしているのは明白である。
それに加えて、フレイバー・テキストでハーキルの功績がドラフナのものになってしまっている件は、ハーキルが弱気で無口で目立たないため、ドラフナが彼女の代弁者となっている、という解釈へと膨らませた創作がされることになった。
ちなみに、ハーキルとは誰でどのような人物かの認知度は低かったものの、ハーキルの召還術というカード自体はそれなりに知名度があった。
ハーキルの召還術:フレイバー・テキストの変遷
このカードのフレイバー・テキストは再録されるたびに文言が少しづつ追加されて変化している。
豆知識レベルのネタであるし、冗長になるので折り畳み表示にした。
ハーキルの召還術:基本セット第10版
Hurkyl’s research at the College of Lat-Nam wasn’t enough to stop the two brothers, but for centuries thereafter her spellcraft taught artificers restraint.
ラト=ナム大学におけるハーキルの研究でも二人の兄弟を止めることはできなかったが、その後数世紀の間、彼女の魔術は工匠達に慎みというものを教え込んだ。
引用:ハーキルの召還術(Hurkyl’s Recall)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
ハーキルの召還術(Hurkyl’s Recall)のカードセット「基本セット第10版」再録バージョンではイラストとフレイバー・テキストが新しいものに変更された。
イラストには青い光の中に消えてゆくアーティファクト・クリーチャーたちが描かれ、フレイバー・テキストは兄弟戦争およびハーキルの魔法研究への貢献により関わる内容に差し替えられた。明らかに両者とも小説The Brothers’ Warの描写を意識したものである。
ハーキルの関連カード
救出
With just a few seconds to escape, Deryan saved Hurkyl’s editions on restoring physical objects from ash.
逃げ出すわずか数秒の間にデリヤンは、物品の召還に関するハーキルの著作が灰になるところを救った。
引用:救出(Rescue)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
救出(Rescue)はカードセット「ドミナリア」に再録されたインスタント・カードである。イラストおよびフレイバー・テキストが新規に刷新されている。
イラストとフレイバー・テキストによると、デリヤン(Deryan)という名の、おそらくAR4560年のトレイリアのアカデミーの魔術師男性が、ハーキルの著作を火事による消失から救った場面である。「物体の返還」という意味合いの「restoring physical objects」のところは、「物品の召還」とハーキルの召還術を意識した文言が選ばれている。
第三の道の創設
第三の道の創設(Founding the Third Path)はカードセット「団結のドミナリア」収録の英雄譚カードである。
.png)
第三の道の創設(中段左)
カードのイラストにはハーキルの姿が描かれている。このカードに関しては個別記事があるのでそちらを参照のこと。

知識の流れ
“Focus your mind. Do you hold a piece of the ocean or a thousand drops of rain?”
–Hurkyl
「心を凝らしなさい。あなたがつかんでいるのは大洋の一部なのですか?それとも千の雨粒なのですか?」
–ハーキル
引用:知識の流れ(Flow of Knowledge)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
知識の流れ(Flow of Knowledge)はカードセット「兄弟戦争」収録のインスタント・カードである。
イラストでは、テリシア市において第三の道の魔術師が、魔法で水球を制御して宙に浮かせている。左右の両端の2人の人物は禿頭に見えることから、ラト=ナム大学の魔術師かも知れない。
フレイバー・テキストは、ハーキルのコメントになっており、精神集中を促して、保持しているのは海の一部なのか、千もの雨粒なのかを尋ねている。異常に無口なハーキルがこれほど長いコメントを喋っているのは少々不自然である。MTGのカードは場面を簡略化したり、強調したりして描いているものなので、実際のハーキルはこれほど流暢に発話していないとか、誰かが代弁しているとかもありえそうだ。
ハーキルの最後の瞑想
ハーキルの最後の瞑想(Hurkyl’s Final Meditation)はカードセット「兄弟戦争」収録のインスタント・カードである。
イラストではハーキルの後ろ姿、そして迫りくるドラゴン・エンジン3体が青い光に呑まれて消失して行く様子が描かれている。これは小説The Brothers’ Warで語られたテリシア市の戦いの場面を、改めてカードで再現したもので間違いない。
散乱光
Mishra’s army demanded the secrets of the Third Path. Hurkyl’s followers graciously showed them.
ミシュラの軍勢は、第三の道の秘密を要求した。ハーキル派の者たちは懇切丁寧にそれを教えてやった。
引用:散乱光(Scatter Ray)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
散乱光(Scatter Ray)はカードセット「兄弟戦争」収録のインスタント・カードである。
フレイバー・テキストとイラストを踏まえると、ハーキルの瞑想法を実践して魔法を身に着けた第三の道の魔術師が、ファラジ帝国の人型自動機械に魔法の閃光を浴びせて破壊している。
精神の眼
“I sit and I think of Lat-Nam, of the azure waves white with froth, suspended over the shore. I see the energy there and I call it here.”
–Hurkyl, meditation notes
「私は座し、ラト=ナムを思う。白い泡を纏った紺碧の波が海岸を漂っている。私はエネルギーをそこに認め、この場所に呼び起こす。」
–ハーキルの瞑想録
引用:精神の眼(Mind’s Eye)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
精神の眼(Mind’s Eye)は、カードセット「兄弟戦争」の特別枠「設計図」カードとして再録されたアーティファクト・カードである。
新規のフレイバー・テキストはハーキルによるものだ。ラト=ナムの島を思って瞑想することで、エネルギーを引き出すことができると記録している。
精神の眼は元々はカードセット「ミラディン」が初出なので、時代も次元も兄弟戦争とは大きくかけ離れている。しかしこのカードの雰囲気は瞑想法を編み出したハーキルと噛み合っている。巧いチョイスだ。
雲の鍵
“A key only unlocks a door. Its wielder must choose whether to cross the threshold.”
–Hurkyl’s Metaphysics, vol. II
「鍵は扉を開くだけにすぎない。手にしたものは、敷居を跨ぐかどうかを選択しなければならない。」
–「ハーキルの形而上学、第二巻」
引用:雲の鍵(Cloud Key)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
雲の鍵(Cloud Key)は、カードセット「兄弟戦争」の特別枠「設計図」カードとして再録されたアーティファクト・カードである。
新規のフレイバー・テキストは「ハーキルの形而上学、第二巻」からの引用だ。
金粉の水蓮
“The lotus is a potent but ephemeral source of power. To preserve its potency, lacquer carefully with a conductive coating.”
–Hurkyl’s Metaphysics, vol. II
「水蓮は強大だが短命な動力源だ。効力を長持ちさせるには、電導性被覆材を丁寧に塗布すること。」
–「ハーキルの形而上学、第二巻」
引用:金粉の水蓮(Gilded Lotus)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
金粉の水蓮(Gilded Lotus)は、カードセット「兄弟戦争」の特別枠「設計図」カードとして再録されたアーティファクト・カードである。
新規のフレイバー・テキストは「ハーキルの形而上学、第二巻」からの引用だ。
失われし夢の井戸
“A wish can be controlled. Dreams are far more chaotic, and ungoverned by rationale.”
–Hurkyl’s Metaphysics, vol. II
「願いは操ることができる。夢は遥かに混沌としていて、原理によって制御できない。」
–「ハーキルの形而上学、第二巻」
引用:失われし夢の井戸(Well of Lost Dreams)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
失われし夢の井戸(Well of Lost Dreams)は、カードセット「兄弟戦争」の特別枠「設計図」カードとして再録されたアーティファクト・カードである。
新規のフレイバー・テキストは「ハーキルの形而上学、第二巻」からの引用だ。
さいごに
カードセット「兄弟戦争」で、大方の予想通りにハーキル(Hurkyl)がカード化となった。私は待ちかねたと大いに喜んだ。
ところが、一般ユーザーの反応は、ハーキルが召還術イラストの女性だったことに驚いたり、一体どういう人物なんだという疑問の声が上がったり、とキャラクターの認知度の低さが浮き彫りになっていた。
これじゃあいかん、とハーキルの情報をまとめたのが本記事だ。ラト=ナム大学の共同創立者でドラフナの妻……こんな基本情報だけでは味気無いし、小説The Brothers’ Warで描写されていた魅力はもっといろいろあったはず。こうして性格面やドラフナとの関係性などをなるべく拾って書き上げてみた。
「兄弟戦争」はまだカードのプレビュー期間中なので、関係カードの画像などが完全に用意できなかったが、現時点でのベストを尽くしたつもりだ。未完成部分は公式カードギャラリーにカードが登録され次第再編集を加える予定である。
その後、全カードが公式データベースGathererに登録されたため、本記事中にハーキル関連カードを全て記載できた。
では、今回はここまで。
ハーキルの関連記事
カードセット「兄弟戦争」の関連記事
