ニューカペナ:MTGアリーナの豆知識

スポンサーリンク

今回MTGアリーナで試合前にランダム表示される豆知識の中から、カードセット「ニューカペナの街角」に関する内容を取り上げる。

豆知識には都市ニューカペナや5人のボスに関する貴重な情報を見ることができる。

追記(2022年5月18日):都市と天使と一家、ザンダー卿、ジェトミアの豆知識の英語原文が判明したので書き加えた。また10種類目の光素に関する豆知識の英語版を確認できたため、その1として節を挿入し、他の豆知識の番号を1ずつずらした。

追記(2022年5月19日):10種類全ての英文・和訳文を登録完了。

MTGアリーナの豆知識とは

ニューカペナの街角の豆知識
MTGアリーナより引用

MTGアリーナでは、試合前の対戦相手がマッチングされるまでの待ち時間の間、画面に「豆知識」がランダムに表示される。この豆知識はほとんどのMTGアリーナのプレイヤーが注意を払わないだろうものだ。

豆知識にはストーリーや設定に関するものも含まれている。新カードセットが実装されると、そのストーリーや設定の豆知識が期間限定で表示されるのだ。

以前までの豆知識は、他でも言及されている特に大した情報ではなかった(少なくとも私の記憶では)。ところが今回の「ニューカペナの街角」は違う。公式サイトの記事やストーリーにも全く登場しない内容が多いのだ。

私はその事実に偶然気づいた。次の新セットが実装されたら、今の豆知識を見ることが出来なくなってしまう。危機感を覚えた私は、ここしばらくは試合前の画面を注視し続けて、豆知識を収集していたのだった。

次の節では収集した豆知識を順番に紹介する。



ニューカペナの街角の豆知識

カードセット「ニューカペナの街角」の豆知識は、私が調査したところ10種類の存在を確認できた(当初9種類と予想したがもう1種類見つかった。おそらくこの10種類で全部だと思うが確証はない)。

豆知識の内訳は、光素について1種類、都市ニューカペナ関連が4種類、5つの一家のボスに関する個人情報が5種類だ。

豆知識その1:光素

光素の泉(Halo Fountain)

光素の泉(Halo Fountain)
データベースGathererより引用

Halo is the most valuable resource in New Capenna, and while nobody truly knows what it is, everybody knows they want it. Halo can be used as a currency, to power up spells, or can be transformed into a tasty beverage.
「光素」はニューカペナで最も貴重な資源です。それが何なのか本当のところは誰も知りませんが、誰もがそれを求めます。光素は通貨としても使われますし、呪文の強化にも使われ、美味しい飲み物にもなります。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

光素に関する豆知識だ。光素はニューカペナで最も貴重な資源であるが、人々はその正体を知らなないまま、貨幣、呪文強化手段、美味なる飲み物などとして利用しているという。

この内容自体はほぼ既出である。

豆知識その2:都市と天使と一家

五者会談(Meeting of the Five)

五者会談(Meeting of the Five)
データベースGathererより引用

New Capenna was built by angels, but most have now disappeared. The average denizen believes the now-absent angels are still enforcing order, but the city’s demonic masters and their five Families are its current rulers.
ニューカペナは天使によって築かれましたが、今やそのほとんどが姿を消しました。一般の市民は、姿を消した天使たちがいまだに秩序を守っていると信じていますが、現在のこの街の支配者は悪魔の主と5つの「一家」です。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

都市ニューカペナの概略だ。これは公式サイトやストーリーでも語られた内容だ。

豆知識その3:カルダイヤ

山(Mountain)

山(Mountain)
データベースGathererより引用

The industrial Caldaia is the lowest level of New Capenna and resembles a dragon’s lair combined with industrial elements. Many residents live in The Verts, an infamous district of row houses with a sudden vertical drop.
工業地帯「カルダイヤ」はニューカペナの再下層であり、ドラゴンの隠れ家と工業が組み合わさったような場所です。住民の多くは、長屋が立ち並び突然落下する危険があるとの噂の「ヴェール」に住んでいます。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

都市ニューカペナの最下層「カルダイヤ(Caldaia)」の情報だ。ここで初めて見る情報も含まれている。

この文章の公式和訳だが正確な翻訳とは言えないものだ。そう考える理由は冗長なので以下に折り畳み表示とする。

解説(折り畳み表示)
まず初めに「ドラゴンの隠れ家と工業が組み合わさったような場所」となっているが、原文は「工業的な諸要素が組み合わさったドラゴンの巣のような場所」くらいの意味合いだ。

そして後半の「長屋が立ち並び突然落下する危険があるとの噂の『ヴェール』」とある部分にも問題がある。原文の「row houses」とは「長屋」や「連続住宅」とも訳されるもので、境界壁を共有して何軒も繋がって建てられた集合住宅を指す言葉のようだ。問題は次の「突然落下する危険があるとの噂の」のところにあり、原文の「a sudden vertical drop」とは「絶壁や急な崖など」を表現する言い回しで、「突然落下する危険」というのは意味が違うだろう。

公式記事Planeswalker’s Guide to Streets of New Capennaによれば、このヴェールでは街区のどの側面からも街路を取り除いてあるとの旨が書かれている。つまり、建物から外に出るとそこにはきちんとした道がないのだ。その上、ニューカペナは地上の高みに上下に広がる都市であり、最下層のカルダイヤでもかつてはエレベーターで昇って来たほどの高さに位置している。つまり、急な崖のように切り立った高さに連続住宅が建っているのだろう。

最後にもう1つ。街の名前をフランス語風に「ヴェール」と翻訳しているが、原語「Verts」は「ヴァーツ」と読むのが適しているのではないだろうか?フランス語の場合「緑」という意味で「ヴェール」と発音するのは確かである。だが、ここは「緑」に特別繋がりのない街であるし、むしろ「a sudden vertical drop」を特徴とするところなので、英語の「垂直」の意味の「vert」が由来と考える方が筋が通っている。これが「ヴェール」より「ヴァーツ」が相応しい理由だ。

工業地帯カルダイヤはニューカペナの最下層であり、工業的な緒要素を組み合わせたドラゴンの巣のような場所だ。多くの住民は、切り立った土台に住宅群が立ち並ぶ悪名高いヴァーツ地区に住んでいる。

こう読むのがよりもっともらしいのではないか?と私には思える。

豆知識その4:メッツィオ

平地(Plains)

平地(Plains)
データベースGathererより引用

The bustling Mezzio is the city center of New Capenna, full of glitzy cabarets, busy shops both magical and mundane, and secret backrooms you shouldn’t know about.
活気あふれるメッツィオはニューカペナの中心街です。そこにはきらびやかなキャバレーがあり、摩訶不思議な品から日用品まで揃う大賑わいの商店があり、そして知ってはならない秘密の会合所もあります。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

都市の中層部「メッツィオ(Mezzio)」の情報はだいたい他でも解説されているような内容だ。

豆知識その5:高街

島(Island)

島(Island)
データベースGathererより引用

The opulent Park Heights is the uppermost tier of New Capenna where the streets are paved with literal gold. While crime is rampant even here, it is the only place where you can see something truly rare: the open sky.
絢爛たる「高街」はニューカペナの上層部であり、通りは文字通り金で舗装されています。変わらず犯罪は横行していますが、本当に珍しい「開けた空」を見られるのはここだけです。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

都市の最上層「高街(たかがい:Park Heights)」の情報もほぼ既出のものだ。



豆知識その6:ファルコ・スパーラ

契約紡ぎ、ファルコ・スパーラ(Falco Spara, Pactweaver)

契約紡ぎ、ファルコ・スパーラ(Falco Spara, Pactweaver)
データベースGathererより引用

Falco Spara studied law long ago, but was ousted from his university due to always correcting his teachers. His studies have culminated in the magically binding pact his Brokers use to protect New Capenna.
ファルコ・スパーダは遠い昔に法律を学ぶ学生でしたが、教師の間違いを正してばかりいたため大学から追い出されました。彼の研究はのちに、斡旋屋一家がニューカペナを守るために使う魔法的な拘束力を持つ契約として結実します。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

斡旋屋一家のボス、ファルコ・スパーラ(Falco Spara)の個人情報は、法律を学んでいた遥か昔に大学を追い出されたという意外なエピソードだ。教師に疎まれるほどに厄介な厳格さと、対人関係での拙さはルールこそ絶対とする斡旋屋一家のファルコらしいものだ、と納得してしまう。この話はMTGアリーナの豆知識でしか見つからないものだ。

この文章の公式和訳版ではファルコの名前を「スパー」ではなく「スパー」と誤記している。

豆知識その7:ラフィーン

策謀の予見者、ラフィーン(Raffine, Scheming Seer)

策謀の予見者、ラフィーン(Raffine, Scheming Seer)
データベースGathererより引用

Raffine poses as a simple fortune teller, but in truth leads the Obscura from her perch in the Cloud Spire, a glass enclosure that marks the highest point in the city.
ラフィーンはただの占い師を装っていますが、実は街で一番高い場所あるガラス張りの高台「雲頂」から常夜会を率いる指導者です。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

常夜会一家のボス、ラフィーン(Raffine)の個人情報によると、ただの占い師の振りをしているというが、この内容は他では見られない設定だ。

一方、本拠地が「雲頂」であることはカードや登場短編で既出である(ただし、登場短編の翻訳版ではなぜか「雲頂」が「高街」と間違った翻訳をされている)。

この文章の公式和訳版では「一番高い場所ある」となっている部分はおそらく「一番高い場所ある」の脱字だ。

豆知識その8:ザンダー卿

蒐集家、ザンダー卿(Lord Xander, the Collector)

データベースGathererより引用

Lord Xander used to be an assassin and artist in Old Capenna, but nowadays the retired vampiric demon curates the archives and museums of New Capenna.
旧カペナ時代、ザンダー卿は暗殺者であり芸術家でした。この年老いた吸血鬼にしてデーモンは現在、ニューカペナの大図書館や博物館を運営しています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

貴顕廊一家のボス、ザンダー卿(Lord Xander)の個人情報では、旧カペナ時代の彼は暗殺者であり芸術家であった、と語られている。

彼のプロフィールは諸々の公式ソースで不明瞭に書かれていて、落ち目の貴族家出身とも書かれていたりした。しかし、旧カペナ当時から既に暗殺者であり芸術家だったとの記述は、MTGアリーナ以外には見つからない。

この文章の公式和訳版では、「年老いた」となっている原文は「retired」なので、「引退した」と解釈べきだろう。また、「大図書館」の部分は原文が「archives」であるので、「文書館・史料館」の方がよりよいと考えられる。

したがって、現在のザンダー卿は暗殺者および芸術家を引退して、ニューカペナの数々の文書館や博物館を管理運営している、とのことになる。

豆知識その9:ジアトラ

焼却するもの、ジアトラ(Ziatora, the Incinerator)

焼却するもの、ジアトラ(Ziatora, the Incinerator)
データベースGathererより引用

Ziatora is a thrill seeker whose need for adventure has now turned into a lust for violence and crime. She now has one goal: increase her hoard beneath the Caldaia district as the last dragon in New Capenna.
ジアトラはスリルを求め、冒険を欲するあまり、暴力と犯罪に走るようになりました。現在の彼女は1つの目標に向かっています。ニューカペナ最後のドラゴンとして、カルダイヤ地区の地下に溜め込まれた財を増やすことです。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

土建組一家のボス、ジアトラ(Ziatora)の個人情報は公式番組で語られた内容とほぼ同じだ。特に新しい情報はここにはない。

豆知識その10:ジェトミア

宴の結節点、ジェトミア(Jetmir, Nexus of Revels)

宴の結節点、ジェトミア(Jetmir, Nexus of Revels)
データベースGathererより引用

Jetmir was born to a sect of leonin paladins, but now he charismatically and hedonistically leads the Cabaretti throwing a never-ending party in the Vantoleone, his prized dance hall.
レオニンの聖騎士の一派に生まれたジェトミアですが、現在は高いカリスマ性で享楽的に舞台座一家を率い、彼が愛するダンスホール「ヴァントリオーネ」で永遠に続くパーティーを開いています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

舞台座一家のボス、ジェトミア(Jetmor)の個人情報では彼の生まれが聖騎士であったことが語られている。これは他の記事やストーリーのどこにも見つからない情報だ。



さいごに

以上でMTGアリーナの豆知識910種類の紹介はおしまいだ。御覧の通り英語原文が一部公式和訳文が一か所抜けている状態のため、アリーナで確認でき次第、随時追記する予定だ。

追記(2022年5月19日):10種類の英文・和訳文の登録完了。

こんな記事をまとめたのは、初めに述べたように期間限定で失われてしまう情報だからなのだが、そもそもそんな一時的な所だけに情報を置いておくのがおかしい。「ニューカペナの街角」のクリエイティブ関係の情報出しは、常にこんな調子でいつも何かが足りない……ストーリー作品や世界設定記事などの情報出しがどうにも上手くないのだ。

大学を追い出されたファルコ・スパーラとか、聖騎士の家の出なのに放蕩者となったジェトミアとか、とても興味深いエピソードだ。こういうの、いつもならストーリー作品中かキャラクター解説記事の方にしっかりと書き残されるものなのだがな。なんで今回はこう残念なのだろうか……。ウィザーズ社にはいつも通りにやってほしいだけなのだがな。

では今回はここまで。

ニューカペナの関連記事

カードセット「ニューカペナの街角」関連のリスト

ニューカペナの街角
カードセット「ニューカペナの街角」収録のカードの中からピックアップしてストーリーや設定を解説。