タルジーディの隊商、スビラ(Subira, Tulzidi Caravanner)はカードセット「基本セット2021」収録の伝説のクリーチャー・カードである。
スビラはプレインズウォーカーのテフェリー(Teferi)の妻としてカードセット「ドミナリア」のストーリーで初登場したキャラクターで、今回が初のカード化となる。
タルジーディの隊商、スビラの解説
タルジーディの隊商、スビラ(Subira, Tulzidi Caravanner)はAR45-46世紀のドミナリア人である。人間女性。
スビラはタルジーディ隊商の長であり、プレインズウォーカーのテフェリー(Teferi)の妻であり、そしてフェメレフの癒し手ニアンビ(Niambi)の母である。
カードのメカニズムとしては、パワー2以下のクリーチャーをブロックされなくする能力と、パワー2以下のクリーチャーが戦闘ダメージを与えるとカードを引ける能力を持っている。これらはスビラがタルジーディ隊商のリーダーであるフレイバーであろう。つまり、パワー2以下のクリーチャーを隊商と見立てており、スビラは隊商を安全に目的地にまで導いて(ブロックされない)、交易による利益を得る(カードを引く)のだ。
AR4560年現在、スビラはすでに亡くなっている。
タルジーディの隊商、スビラの家族
スビラの先祖と家族について説明する。
スビラの一族
スビラはザルファーの末裔である。しかし、祖先の国ザルファーは彼女が生まれる2世紀以上前(AR4205年)にドミナリアから別の時空へとフェイズアウトして消失してしまっている。フェイズアウト当時、スビラの一族はザルファー国内に居なかったためドミナリアに取り残されたザルファー人となった(国外に居て取り残されたザルファー人は少なくない)。
スビラの家庭
スビラはテフェリーと結婚し、タルジーディ隊商を離れ、娘ニアンビを生んだ。
スビラとテフェリーの出会いはクェンデ(Kwende)によるテフェリー殺害計画であった。AR4505年頃1、タルジーディ隊商に相乗りしてきたスークアタの旅人マケトがセワの街で変死体になって発見された。クェンデによれば生前のマケトがテフェリーと会う約束をしていたというのだ。マケトの遺体は時間魔法によって時を止められたように見えるもので、セワの街に逗留中のテフェリーに殺害容疑がかけられた。しかし、すべてはクェンデの企みのうちで、テフェリーを隊商ごと大竜巻に巻き込んで殺す計画だった。大竜巻を阻止して力を使い果たしたテフェリーをクェンデの刃が襲う。そこを身を挺して救ったのがテフェリーと意気投合したスビラであった。助けられたテフェリーはタルジーディ隊商に同行して旅することとなった。
やがてスビラとテフェリーは結婚し、娘ニアンビがAR4510年頃に生まれた。ニアンビ(Niambi)を出産する前に、スビラはタルジーディ隊商を他の者に任せてテフェリーと2人で落ち着いた。彼らの家は古い交易路近くの街であった。しかし、スビラはニアンビが幼いうちに隊商に復帰し、定期的に夫と娘の待っている家に戻る旅生活を送るのだった。
タルジーディ隊商
タルジーディ隊商(Tulzidi Caravan)はジャムーラ最古の隊商で姿を変えながらも存続してきた長い歴史がある。その起源はテフェリーの誕生(AR3293年)よりもさらに古い。
AR46世紀には、スビラがタルジーディ隊商を率いており、かつてない成功を収めていた。
タルジーディの隊商、スビラのカード名
カード名の和訳に違和感がある。
「Tulzidi Caravanner」が和訳製品版では「タルジーディの隊商」と訳されているが、「Caravanner」は「隊商」そのものではなく「隊商を率いる人」を指す言葉である。スビラの設定を考慮すれば、「タルジーディ隊商長」くらいの意味合いになるはずだ。そもそも「隊商」は「砂漠などを旅をする商人の一団」のことなので「タルジーディの隊商、スビラ」では「商人の一団の名称がスビラである」と間違った意味に読めてしまう。
タルジーディの隊商、スビラの登場作品
スビラは初出のカードセット「ドミナリア」の時にはストーリーの1話でのみ登場したキャラクターでしかなかった。カード化された基本セット2021時点でも、言及されている記事・作品はほんの少数である。記事を書く上で参考にしたソースをここにまとめておく。
初出ストーリー:Return to Dominaria: Episode 7 / 公式邦訳ドミナリアへの帰還 第7話
公式記事The Lore of Core Set 2021 on the Cards
タルジーディの隊商、スビラの関連カード
カードセット「基本セット2021」の記事をリスト化予定
- 作中で「the past several years, since the Mending」つまり「大修復(AR4500年)から数年(3-5年程度)経過」とある。ただし、公式和訳では「大修復以来」としか訳されていないので経過した年月が全く分からない