ニューカペナ:よくある疑問集

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カードセット「ニューカペナの街角」について、ストーリーや設定に関してよく見かける疑問を収集して現時点での答えをまとめた。

「ニューカペナの街角」はストーリー連載が完結し、収録カードの全公開が終わっているが、疑問や謎や曖昧な点が数多く残されているのが現状だ。そのうち、公式の世界設定解説やキャラクター解説記事で解明されるはずとずっと待っているのだが、まだ記事は公開されていない。しかも、日に日に疑問の声が増しているような感触さえある。

本記事では気になった疑問点を拾い上げて、公式な回答を調べ出したものだ(取りあえず今思い付いた分だけ取りまとめたので、後々ここに書き足すかもしれない)。

追記(2022年4月21日):デーモン関係の情報を付け足した。

追記(2022年4月21日):エルズペスと故郷に関する既存記述の拡大解釈の可能性について付け足した。

追記(2022年4月26日):カード開発記事での「カペナ」という呼称について記載した。

追記(2022年5月2日):公式記事プレインズウォーカーのための『ニューカペナの街角』案内Planeswalker’s Guide to Streets of New Capennaにおける次元名称の取り扱いを最終結論として追加し、アークデーモンの行方についても可能性を書き記した。

ニューカペナ:よくある疑問集

疑問と回答は大雑把な種類ごとに節に分けてある。



次元の正式名称

植物広場(Botanical Plaza)

公式サイト記事(リンク)より引用

問:次元の正式名称は?

答:中心都市と同じ「ニューカペナ次元」である。

公式ソースではハッキリとした表現がされなていなかったため、関係スタッフ(ストーリーのコンサルタント)のSNSに「次元の名称は何?」という質問が何度も何度も何度も殺到した結果、次元名も「ニューカペナ」だと明言された。

問:この記事ではマーク・ローズウォーターは次元名を「カペナ(Capenna)」と呼んでるけれど?

答:今後「カペナ」が正式な次元の名称となるのかはまだ分からない。実は公式サイト内で次元名が明記されたのは、この記事が初めてのはず。それにクリエイティブ系記事でなく開発記事なので、これで名称が固定されたとまでは言えない(ローズウォーターはクリエイティブ系設定について正確とは言えないことをコメントしたりすることもある)。

次元名が「ニューカペナ」なのかただの「カペナ」なのか、公式呼称としてどちらか1つに固定してくれるのを望みたい。

問:最終結論は?

答:ニューカペナ次元」と呼ばれ続けるだろうが、「カペナ次元」でも間違いではない。

世界設定を解説する公式記事プレインズウォーカーのための『ニューカペナの街角』案内Planeswalker’s Guide to Streets of New Capennaによれば、都市ニューカペナにはこの次元のほぼ全ての住人が集まっていて、ここの住人にとって都市だけが次元の全てと見做している。その意味で、ここはニューカペナ次元と呼ばれており、おそらくこれから先も公式媒体ではニューカペナと記述され続けると予想される。

そして都市の外の失われた旧世界は現在では「旧カペナ」と呼ばれているが、本来の意味では都市ニューカペナも旧カペナも含めた次元全体が「カペナ」であった。都市のみに限らず次元の全てをひっくるめた意味合いでなら、依然としてカペナ次元という名称は有効であろう。

問:日本の公式サイトに、何世紀も昔の街の「ひとつがカペナ、旧カペナ。」って書いてあったけど?旧カペナって都市名じゃないの?

答:いいえ。公式和訳版記事プレインズウォーカーのための『ニューカペナの街角』案内では確かにそう書いてあるが、原文を確認すると明らかに誤訳だ。おそらくは原文の「There was a plane out there centuries ago, one of many cities, kings, cultures, and wonders.」のところの「one of …」を「…の存在した次元」と読まずに「…の中の1つ」と誤解釈した結果だろう。次元の全てを含めてカペナが正しい。

ニューカペナの歴史

問:ニューカペナ次元のファイレクシアンの侵略はいつ頃?

答:AR4205年のドミナリア次元へのファイレクシアの侵略戦争よりも昔。

公式動画では数世紀前と解説があったが、SNSでの回答では少なくともドミナリアの侵略戦争よりも昔、ともっと明確になった。

問:ニューカペナの住人は過去の侵略を知っているの?

答:いいえ(知識はかなり曖昧)。昔の記録はそれほど正確には残されてなく、その当時から生きている人々の記憶ですら曖昧になっている。かつてこの次元にいたデーモンの仕業と見られる。

ニューカペナとデーモン

五者会談(Meeting of the Five)

五者会談(Meeting of the Five)
データベースGathererより引用

問:デーモンが支配する次元という触れ込みだったのにデーモン・カードがあまりにも少なくない?(例:最初告知では「天使によって造られたが今はデーモンによる3色の犯罪組織によって牛耳られる「ニューカペナ」(という都市)」との表現)

答:デーモンは一家の各ボスにいる。マーク・ローズウォーターの表現(出典リンク)を借りれば、デーモンでいっぱいの一家でなく、デーモンが支配する一家という意味のつもりだった。

問:一家のボスは元々デーモンなのか?クリーチャー・タイプを複数持っているけれど。

答:ボスはデーモンロードあるいはアークデーモンと称される者たちと何らかの契約を結んで半デーモンとなった。

問:デーモンロードあるいはアークデーモンの他にも(普通の)デーモンは居たの?

答:不明。

問:デーモンは天使を裏切って光素に変えた後に次元から姿を消したと語られているが、どこに行ったの?

答:不明。

答えの追記:公式記事プレインズウォーカーのための『ニューカペナの街角』案内Planeswalker’s Guide to Streets of New Capennaによれば、天使を停止状態にして光素に変換するにはアークデーモンたち自身もそれに引き換えの犠牲になる必要があった1とのことだ。したがって、アークデーモンは天使を封じるために犠牲となって消えたと考えられる。あるいは、5人のボスとの契約で彼らをデーモンに変化させた際に、アークデーモンの全てまたは一部がボスと融合し、形を変えて生き残っている可能性もある。

問:なぜ不明な事ばかりなの?

答:ストーリー上では、デーモンは契約時にボスたちの記憶を曖昧にしており、さらに人々は大昔の記録を余り伝え残せていないため、どうやらデーモンは過去の出来事を覚えて欲しくなかったようである。身も蓋もないことを言えば、公式ソースやスタッフは何も明確な表現をしていないから、おそらく将来のストーリーに興味を持続させる謎やフックとして意図して隠している。

エルズペスとニューカペナの関係

華やいだエルズペス(Elspeth Resplendent)

華やいだエルズペス(Elspeth Resplendent)
データベースGathererより引用

問:ニューカペナはエルズペスの故郷なの?

答:はい。生まれ故郷。出身地だ。

問:連載ストーリーで、アジャニはエルズペスの「生まれ故郷」ではなく「安住の地」と言っていたけど?

答:「安住の地」という表現は和訳だけ。原文では「home」であり、文脈からも「故郷」の意味で書かれていた。しかし、和訳担当陣は作業時点では「故郷」とは断定できないと判断して「安住の地」に置き換え、それに合うような表現で文章をまとめた。

問:親友に「安住の地」として犯罪組織が牛耳る物騒な世界を推薦するアジャニはいなかった?

答:はい。アジャニはエルズペスが少女時代に旅立ってから一度も帰っていない「故郷」の次元を発見したと伝えただけだ。

問:どうしてエルズペスはアジャニに教えられるまで、故郷の次元の場所を知らなかったの?

答:おそらく既存設定の上書き、拡大解釈だろう。というのは、今までのエルズペスは一貫して「home」を捜し求めていると表現され続けてきており、この「home」は新たに「住む家」を指していると解釈できるものだった(当時の意図もそれだけだったはずだ)。しかし、「home」には「故郷」の意味もあるため、既存の記述は「新たな家の探索」と「生まれ故郷の探索」の両方の意味で解釈は成立可能ではあった。「ニューカペナの街角」において、公式はこの両方の意味だったと読み替えることにしたのだと考えられる。

問:エルズペスは「故郷の次元に一度も帰ったことが無い(after leaving her home plane, she never returned)」という表現だったはずだけど?自分の意志で帰らなかったんじゃないの?

答:これも同じように、「一度も帰っていない」というただの事実を記しているだけと解釈して、そもそも故郷次元の位置を見失っていたことに設定を上書きしたと思われる。

問:エルズペスの幼少期にはファイレクシアの奴隷だったつらい経験しかないのに、なぜそんな場所にわざわざ帰郷することにしたの?

答:アジャニに依頼された。アジャニからニューカペナはかつてファイレクシアの侵略を退けた歴史があり、どうやって撃退したのかを調査して欲しいと頼まれたのだ。

問:エルズペスは都市ニューカペナの出身?

答:違う。エルズペスは都市から離れた居住地で生まれ、ファイレクシアンの地下牢に捕らえられて幼少期を過ごした。

問:そのファイレクシアンは新ファイレクシアなの?それともカーンが拡散した油から発生したの?

答:どちらもいいえ。数世紀前にニューカペナを侵略しようとした旧世代のファイレクシアンの残党かその末裔だ。

ウラブラスク

異端の法務官、ウラブラスク(Urabrask, Heretic Praetor)

異端の法務官、ウラブラスク(Urabrask, Heretic Praetor)
データベースGathererより引用

問:ニューカペナに次元移動したウラブラスクの回復が遅いのはなぜ?カルドハイム次元のヴォリンクレックスと神河次元のジン=ギタクシアスはもっと早く回復してるように見えるけど。

答:ニューカペナ次元の「光素」の影響で回復が遅くなっている(公式動画でのコメントより)。

ジアーダと天使

希望の源、ジアーダ(Giada, Font of Hope)

希望の源、ジアーダ(Giada, Font of Hope)
データベースGathererより引用

問:ジアーダは元々天使だったの?人間が天使になったの?

答:現時点で明確な回答は出ていない(どちらの可能性も匂わすような回答のみ)。

解脱の魂(Soul of Emancipation)

解脱の魂(Soul of Emancipation)
データベースGathererより引用

問:ストーリーの最後でジアーダは命を落としたの?

答:別の存在に変化したと考えられる。

壮麗なる変化(Majestic Metamorphosis)

壮麗なる変化(Majestic Metamorphosis)
データベースGathererより引用

問:なぜジアーダの他にも天使カードが収録されているの?天使はデーモンによって「光素」に変えられて以来、この次元から姿を消したはずでは。

答:ストーリーの終了後にこの次元の天使は目覚め始めたから。



さいごに

取りあえず、私の主観でよく見かけると感じた疑問の中から、今思い付いたものをピックアップして書き連ねてみた。公式ソースか公式関係スタッフ(ウィザーズの社員でなくストーリーのコンサルタント)のコメントから回答を拾い上げた。

ストーリーでこそ触れて説明してほしい内容なのに、その答えは動画内のインタビューだとかスタッフの発信するSNSだとかしかない、そんなものが沢山あった。ちょっと今回の「ニューカペナの街角」は情報の発信があまり上手くできてないんじゃないかなあ……。

また何か思いついたら書き足そうと思っている。

では今回はここまで。

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