アポカリプス:5つのギルドとボルバーの正体

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本記事ではカードセット「アポカリプス」で登場した5つの魔術師の秘密ギルドと人造生物ボルバーを解説する。

アポカリプスは2001年6月発売なので、もう20年も昔のカードセットだ。このセットのカードにはデイガシータネクララッカアナ」という5つの謎の単語と、「ボルバー」という正体不明のクリーチャーが収録されていた。当時からずっと意味不明な存在だったのだが、つい先日、別件で過去記事を調査していたところ解説記事を発見した。

公式記事Ask Wizards(2002年8月20日付)に答えがある。なんと、19年も前にウィザーズ社は公式解説をしてくれていたのだ。私は一通り目を通していたはずなのに、今の今までうっかり見逃してしまっていた。

古いソースを調査していると、ふとした拍子に、今まで見落としていた情報を発見することがある。今回はそんなきっかけで掘り出した昔の設定情報を取り上げることにした。

5つのギルドとボルバーの解説

アナキン・スカイウォーカーアナの信奉者(Ana Disciple)

カードセット「アポカリプス」では、デイガシータネクララッカアナという5つの魔術師の秘密ギルドが登場している。それぞれが順番に白・青・黒・赤・緑の魔法を扱う組織だが、古の敵対魔法を探求する異端のギルドという独特な特徴があった。

平和な時代には5つのギルドはドミナリアの影に隠れ、各々の聖域で探求を行っていた。しかし、AR4205年に勃発したファイレクシア侵略戦争が発端となって、ドミナリア連合はこれらの異端派ギルドを必死になって表舞台に引き摺り出して、戦力としたのだった。

アポカリプスの5つの秘密ギルド
ギルド名 ギルドの色 探求する敵対色
デイガ(Dega) 黒と赤
シータ(Ceta) 赤と緑
ネクラ(Necra) 緑と白
ラッカ(Raka) 白と青
アナ(Ana) 青と黒

カードセット「アポカリプス」ではコモンの信奉者クリーチャー、アンコモンの聖域エンチャント、レアのボルバー・クリーチャーで各ギルドで1種類ずつ、合計で15種類のカードが収録されている。だが、それっきりで2021年現時点でこれら5ギルドがストーリーの表舞台に再登場することはなかったのである。1

インベイジョン・ブロック小説三部作小説Invasion小説Planeshift小説Apocalypse)やその他のストーリー作品を調べてみたが、5つのギルドとボルバーは登場も言及もされていない。

デイガシータネクララッカアナは秘密組織として再び影に潜んでいるのか、あるいは、ファイレクシア侵略戦争時に滅亡したり解体してしまったのか、その真偽は杳として知れない。

(……まあ実際は、アポカリプスで実装された各種カードやデザインがユーザーの高い評価を得られず、ただ忘却されているだけかもしれないけれどね。)



信奉者

アポカリプスの信奉者カード5種類

各ギルドの信奉者(Disciple)は所属する魔術師を示している。

カードセット「アポカリプス」のコモンのクリーチャーで各色1種類ずつ収録されている。マナコストは1マナでパワー/タフネスが1/1であり、ギルドが探求する敵対色に対応した起動型能力を2つ持たされている。

ヴォーソスにとって重要なポイントが1つある。信奉者カードにはフレイバー・テキストが付いていることだ。他のギルドのカードには、(十中八九テキスト量が多いせいだろうが)フレイバー・テキストがないのだ。大した内容が書かれているわけではないけれど、あるのとないのとでは大違いだ。

最後にカード名。MTGではカード名の「Disciple」は「信奉者」が決まり訳になっている。辞書的には「門弟・弟子・門人」などと訳されるもので「信奉者」も意味的に含まれなくはない。だが、アポカリプスの場合、秘密ギルドに属する魔術師たちという背景を考慮すれば、普通に「門弟」と解釈するのが無理がなさそうだ。

聖域

アポカリプスの聖域カード5種類

各ギルドの聖域(Sanctuary)は所属する魔術師が密かに集って、古の敵対魔法を探求する場でもあったようだ。

これらの聖域がドミナリア次元上のどこにあったものか、各ギルドがどの地域で活動していたのか、それを知る手がかかりは皆無だ。その理由は影に潜む秘密組織であったから、というよりは単に何も設定が作られていないほど軽い扱いだったから、のように思えてならない。

聖域カードは、カードセット「アポカリプス」のアンコモンのエンチャントとして各色1種類ずつ収録されている。ギルドが探求する敵対色のパーマネントをコントロールしているなら、毎ターンのアップキープに何らかの恩恵が受けられる。敵対色のどちらか片方でも恩恵はあるが、両方ともあるなら恩恵は大きくなる。ただ、これらのカードは単体では何もしないという残念な欠点があった。

ボルバー

アポカリプスのボルバーカード5種類

ボルバー(Volver)は各ギルドが自身の色に、敵対魔法を取り込んで創り出したクリーチャーである。この3色の合わせ技は、設定解説では「奇妙なマナの組み合わせ」と表現されている。

ボルバーのイラストには敵対色2色を示すドミナリア連合のマークが描き込まれている。したがって、各ギルドが連合の一員としてファイレクシア侵略戦争に参戦した後の姿だと解釈できる。

カードセット「アポカリプス」のレアのクリーチャーとして各色に1種類ずつ収録されている。単色のカードだが、敵対色に対応したキッカー能力を2つ持っている。ボルバーは2021年現時点でこの5種類しか存在していないマイナーなクリーチャー・タイプだ。

往時を偲ばせる設定と表現

アポカリプスの5つのギルドとボルバーの設定情報は、上述したように公式記事Ask Wizards(2002年8月20日付)で公開されているものだ。

アポカリプスは2001年のセットで、解説が書かれたのは翌2002年である。20年も昔のため、マナの色の認識や組織の在り方の設定は、現在の目で見るといささか奇妙に映ってしまう。

カラー・パイ

5色の関係を図示したカラー・パイ
公式記事The Magic Style Guide (Part 1)より引用


MTGの魔法は白・青・黒・赤・緑の5色に結び付けられており、各色は隣り合う2色と友好関係にあり、そうでない他の2色と敵対している基本設定だ(例:白なら青と緑が友好で、黒と赤とは敵対)。これを「友好色」と「敵対色2と呼ぶ。

初期のMTGではこの色の敵対関係が他の要素よりも強く前に出ていて、敵対色同士を一緒にした多色要素は非常に少なく、異例の存在として扱われていた。アポカリプスはこの敵対色同士の組み合わせを主題に据えた初めてのセットであったものの、友好色同士に比べれば、敵対色同士のコンビはまだまだ例外扱いにあった。3

こういった当時の状況が、アポカリプスのギルドの設定解説にも反映されている。

ギルドは「古の敵対魔法を探求する(to explore the magic of their ancient enemies)」と書かれ、その在り方は「異端のギルド(heretical guilds)」とされている。

その上、「ある1色とその敵対色2色をまとめた組み合わせ」は、現在のMTG用語で「楔3色」と呼称される普通の存在になっている。だが、これも当時の設定解説では「奇妙なマナの組み合わせ(strange combinations of mana)」と表現されていた。

敵対色は古からの仇敵扱いで、それを研究し自らの力として取り入れるのは異端であり、楔3色は奇妙な発想であった。ゆえに、各ギルドはドミナリアの影に隠れ潜み、密かに聖域に集まるしかなかったのだ。

20年前のMTG世界は今とは全く違っていた。ゲームそのものの在り方が往時の世界観と直にリンクしている様はとても興味深く、また、非常にMTGらしいなと感嘆せざるを得ない。

昔語りはこれで終わりだ。次の章からは各ギルドを順番に取り上げていく。



白のギルド:デイガ

デイガの聖域(Dega Sanctuary)

デイガの聖域(Dega Sanctuary)
データベースGathererより引用

白のギルド「デイガ(Dega)」は敵対色の黒と赤を探求している。

デイガの聖域(Dega Sanctuary)は白い石造建物内にある白い石の祭壇だ。大小長短様々な蝋燭が置かれているが、その色は黒と赤である。建物と祭壇が白マナを、蝋燭が黒と赤を象徴しているのだろう。

語源:
「デイガ」は完全な造語なので、秘められた意味合いもない。ある会議中にホワイトボードに書かれた言葉がそのまま定着したのだという。

デイガの信奉者

“There is no true equity of power. There is only more and less.”
力とは公平なものじゃない。強いか弱いかのどちらかだ。
引用:デイガの信奉者(Dega Disciple)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

デイガの信奉者(Dega Disciple)

デイガの信奉者(Dega Disciple)
データベースGathererより引用

デイガの信奉者(Dega Disciple)は人間の魔術師だ。白塗りの顔に黒のラインを引き、白髪で、首筋に赤の2本のペイントがある。左手に赤熱しているような鞭を持ち、左手には細長い棒(槍?杖?旗?)を握っている。

ファイレクシアの憤怒鬼(Phyrexian Rager)

標準的な胴体部を持つファイレクシアンの例
ファイレクシアの憤怒鬼(Phyrexian Rager)
データベースGathererより引用

戦っている相手はファイレクシアンだ。首が無く頭部が丸い胴体に埋没したような形状はファイレクシア侵略戦争期当時の標準型といえよう。手足の形状や本数が異なったり、オプション装備が変化してもこの胴体部の造りは同じものが多い。

デイガボルバー

デイガボルバー(Degavolver)

デイガボルバー(Degavolver)
データベースGathererより引用

デイガボルバー(Degavolver)は白い肌の人間型で、幅広の剣を振るっている。戦っているファイレクシアンは、鎌型の腕部を持ち、棘のびっしり生えた体を持つ異形の怪物タイプだ。

青のギルド:シータ

シータの聖域(Ceta Sanctuary)

シータの聖域(Ceta Sanctuary)
データベースGathererより引用

青のギルド「シータ(Ceta)」は敵対色の赤と緑を探求している。

シータの聖域(Ceta Sanctuary)は水の豊かな滝壺だ。水はもちろん青マナの源だが、イラストにはごつごつした岩肌と周りの植物も描かれており、それぞれ赤と緑のマナを示唆しているように思える。また、岩肌の2つの穴がこちらを正面から見据える眼窩にも思える。

語源:
「シータ」はクジラ目を意味する「cetacean」の略である。

シータの信奉者

“The sea holds all that you need. You simply must know how to ask for it.”
海には君が必要としているものがすべてある。問題はどうやってそれを求めるかだよ。
引用:シータの信奉者(Ceta Disciple)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

シータの信奉者(Ceta Disciple)

シータの信奉者(Ceta Disciple)
データベースGathererより引用

シータの信奉者(Ceta Disciple)はマーフォークの魔術師である。青のギルド「シータ」は、やはり青に属する種族のマーフォークが主要構成員なのであろう。

波打ち際の砂浜に寝そべっている手元には、芽吹いた植物の種がある。全体の青要素が支配的なところに、ワンポイントで緑の要素を取り入れた描写だろう。

余談だが、イラスト担当のクレジットが「Greg and Tim Hildebrandt」と共作なっているが正しくは「Greg Hildebrandt」1人の手による作品であり、さらにイラストは原画の左右を反転したものだという。

シータボルバー

シータボルバー(Cetavolver)

シータボルバー(Cetavolver)
データベースGathererより引用

シータボルバー(Cetavolver)は羊のような角の生えたマーフォーク・タイプのボルバーだ。燃え上がる三叉矛を武器としている。

イラストは盾持ちタイプのファイレクシアンと対峙した場面である。この片腕に細長い大型盾を装備した兵士は、ファイレクシア侵略戦争中にはよく目にした典型的なファイレクシアンだ。インベイジョン・ブロック小説三部作でも盾持ちは飛翔艇から続々と送り込まれ、隊伍を組んで進軍していた。

黒のギルド:ネクラ

ネクラの聖域(Necra Sanctuary)

ネクラの聖域(Necra Sanctuary)
データベースGathererより引用

黒のギルド「ネクラ(Necra)」は敵対色の緑と白を探求している。

ネクラの聖域(Necra Sanctuary)は整備された共同墓地のようだ。墓地が黒マナ豊かなのは当然だが、他の2色(緑と白)の要素が薄いと感じる。墓所内の木や壁を這う植物が緑マナ、墓石と壁が白マナの象徴であろうか。

語源:
「ネクラ」はギリシア語の「死体」を意味する「neckros」を由来としている。

ネクラの信奉者

“The darkness merely hides the light.”
闇は光を隠すだけ。
引用:ネクラの信奉者(Necra Disciple)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ネクラの信奉者(Necra Disciple)

ネクラの信奉者(Necra Disciple)
データベースGathererより引用

ネクラの信奉者(Necra Disciple)は人間の魔術師だ。フードとローブに隠れて全く容貌が分からないが…。アポカリプスが発売されて何年も経って後付けてクリーチャー・タイプの種族を設定したために、一番無難な「人間」を選んだのではないかと勘繰ってしまう。

ネクラボルバー

ネクラボルバー(Necravolver)

ネクラボルバー(Necravolver)
データベースGathererより引用

ネクラボルバー(Necravolver)は羊のような角を持ち、目がなく、牙を持つ悪魔風の人型タイプだ。剣と盾を装備している。

赤のギルド:ラッカ

ラッカの聖域(Raka Sanctuary)

ラッカの聖域(Raka Sanctuary)
データベースGathererより引用

赤のギルド「ラッカ(Raka)」は敵対色の白と青を探求している。

ラッカの聖域(Raka Sanctuary)は大きな篝火と、それを丸く取り囲む5本の燃える柱だ。炎が赤マナの源であり、周囲の開けた平原が白を表しているのだろう。残りの青マナ要素はどこだ?空か?

語源:
「ラッカ」は響きが「岩(rock)」に似ているが無関係な造語だ。制作中に「Gnor」や「Gnar」を赤のギルド用に検討した時もあったが、それは最終的に緑のクリーチャーに割り当てられて「ナール(Gnarr)」になった。

ナールという生き物の解説はこちらの記事を参照のこと

イコリア:嘶くナール
マジック・ザ・ギャザリング(MTG)のクリーチャー・カード「嘶くナール(Trumpeting Gnarr)」を紹介。イコリア:巨獣の棲処に初収録。ドミナリア次元のナールもまとめて解説する。

ラッカの信奉者

“The strong can also be subtle.”
強者は往々にして陰険でもある。
引用:ラッカの信奉者(Raka Disciple)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ラッカの信奉者(Raka Disciple)

デイガの信奉者(Dega Disciple)
データベースGathererより引用

ラッカの信奉者(Raka Disciple)はミノタウルスの魔術師だ。イラストでは仲間のミノタウルスを飛行させている。ミノタウルスはドミナリアでは赤に属する知的種族の代表と言えるので、赤の魔術ギルドにピッタリである(ドミナリアというか初期のMTGでは本当にミノタウルスの露出が多いのだ)。

フレイバー・テキストで「陰険」と訳されているのは「subtle」だがどうにも腑に落ちない。「繊細な・捉えがたい・名状しがたい・巧妙な」と意味合いが色々あるとはいえ「陰険」という解釈は違うのではないか?それに「往々にして」つまり「よくある・頻繁に」という含みも原文にはなさそうだ。

「強者が繊細なこともある。」

試しに訳してみたが、これくらいなんじゃないだろうか?赤いクリーチャーでマッチョなイメージのミノタウルスなれど、その能力はダメージ軽減と飛行付与だ。そのギャップを示すフレイバー・テキストではなかったか。

ラッカボルバー

ラッカボルバー(Rakavolver)

ラッカボルバー(Rakavolver)
データベースGathererより引用

ラッカボルバー(Rakavolver)はコウモリの翼を持つミノタウルス・タイプだ。鎧兜に丸盾、鞭、鉾(?)と重武装である。

緑のギルド:アナ

アナの聖域(Ana Sanctuary)

アナの聖域(Ana Sanctuary)
データベースGathererより引用

緑のギルド「アナ(Ana)」は敵対色の青と黒を探求している。

アナの聖域(Ana Sanctuary)は森林の中の水場である。緑マナに加えて青と黒も備わった場所と考えると、森に囲まれた小川と湿地なのかもしれない。

語源:
「アナ」はラテン語の「魂」を意味する「animus」が由来だ。制作中は「マロー(Maro)」や「Terra」も候補になっていた。

アナの信奉者

“The blessings of Gaea alone are no longer enough.”
もうガイアの祝福だけじゃダメなんだ。
引用:アナの信奉者(Ana Disciple)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

アナの信奉者(Ana Disciple)

アナの信奉者(Ana Disciple)
データベースGathererより引用

アナの信奉者(Ana Disciple)は人間の魔術師である。人間は特に緑マナと親和性がある種族というわけでもないので、エルフなど他の定番種族もアナの構成員に含まれていたのではないだろうか?(イラストをよく見るといくぶん耳の先が尖っても見えるので、この人物は元々はエルフ想定なのかもしれないが…)

アナキン・スカイウォーカーアナの信奉者(Ana Disciple)

ちなみにイラストに描かれたアナの信奉者は、ヘイデン・クリステンセンが映画スター・ウォーズで演じたアナキン・スカイウォーカーとそっくりである。全体的な風貌もそうだが、特に髪を細いひと房に編んで垂らした髪型がそのままだ。おそらく「アナキン(Anakin)」と「アナ(Ana)」を引っ掻けた冗談なのだろう。

インベイジョン・ブロックの苗木トークン

インベイジョン・ブロックの苗木トークン
公式記事Player Rewards tokensより引用

アナの信奉者が翼を生やせて飛行させている生き物は菌獣(Saploring)である。菌獣はゲーム的には「苗木クリーチャー・トークン」と呼ばれるものだ。

アナボルバー

アナボルバー(Anavolver)

アナボルバー(Anavolver)
データベースGathererより引用

アナボルバー(Anavolver)はコウモリ風の翼を持つ異形の人型だ。手足や肩など体表の質感は樹皮に似ており、腰回りには葉っぱが生えている。両手に持つ刃物には植物の葉脈のような凹凸が見える。全体的に植物的な雰囲気が窺えるのだが、普通のツリーフォークとも違う、一体何なのだろう?

アナの戦闘魔導士

アナの戦闘魔道士(Ana Battlemage)

アナの戦闘魔道士(Ana Battlemage)
データベースGathererより引用

アナの戦闘魔道士(Ana Battlemage)は人間の魔術師だ。アナボルバーに似た樹皮のような質感の鎧をまとっている。

このカードだけはアポカリプスではなく、数年後のカードセット「次元の混乱」に収録されたものだ。「次元の混乱」は異なる歴史を辿った別世界から出現した者たちが登場してくるカードセットであった。このアナの戦闘魔導士もその類だ。色の役割が違う別のドミナリアから時の裂け目を抜けて出現した、アナ所属の魔術師だったのだろう。



5つのギルドとボルバーの調査を終えて

今回は20年前のカードセットにあった謎の言葉を解明できて、個人的に非常に満足している。まあ、答えは19年前にすでに存在していたし、それに今まで気付けなかった自分は抜けているなぁと呆れてしまいはするのだが…。

アポカリプスの5つのギルドとボルバーの公式情報に関して不思議だったことがある。海外の有力wikiやコミュニティも覗いてみたのだけれど、件の記事に気付いた上で正確に内容を書き写しているところがどうやらなさそうだったのだ。ウィザーズ社の公式サイトは古い記事になるほど、リンクが切れたり、記事が(一時的にあるいは永久に)消えてしまうこともよくある。だから見落としたり、ソースを見失ったりしててもそのことは不自然ではない。それに元々シータとかラッカとか興味を引く話題でもないしね。

それはいいのだけれど、公式情報とは全く違う「設定」を断定的に記載している有名サイトも見てしまった。よくあることではあるのだが、独自の解釈とか二次創作設定をそうとは断らずに記載して放置するのは、本当に厄介な問題だと改めて思い知った。「ボルバーはラースの次元被覆の結果生まれた異形のミュータントである」…とか如何にももっともらしく見えるからな。

他山の石として、ソースがあるなら明記し、その内容が公式情報か独自の解釈か、あるいは、ただの妄想かはっきり書くようにしなければと思いを新たにした。悪意のない誤情報拡散ってのは絶対に無くならないものだなぁ。「ドミニア年代記」という何年も昔の雑誌連載記事をふと思い出しつつ4、今回はここまでとする。では。

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※ 現時点ではカードセット「アポカリプス」関連リストを作成する予定はない。

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  1. カードセット「次元の混乱」でアナの戦闘魔道士(Ana Battlemage)が1つだけあったが、正規のドミナリア史上の存在ではないので除外
  2. MTG商品では「敵対色」表記だが、日本のユーザー間では「対抗色」と呼称する方が馴染みがあるかもしれない。いつもなら私も「対抗色」を好んで用いる
  3. 友好色と敵対色の組み合わせが平等になるのはその4年後のラヴニカ・ブロックからだ。
  4. 注意:「ボルバーはラースの次元被覆の結果生まれた異形のミュータントである」とドミニア年代記に書かれていたわけではない