MTGアリーナ限定のカードセット「アルケミー：ニューカペナの街角」が実装された。カードセット「ニューカペナの街角」と世界設定を同じくしたセットであり、新規カードはニューカペナ次元のものとなっている。
デジタル限定セットのためか、ウィザーズ社公式のカードギャラリー（リンク）には英語版テキストの画像しかなく、和訳版のカード名やフレイバー・テキストの有無すらも確認できない。MTGアリーナを調べない限り知ることができないのだ。
だから、本サイトでは「アルケミー：ニューカペナの街角」の各種カードの和訳カード名とフレイバー・テキストを記事としてまとめて記録に残すことにした。また、各カードには背景世界的な分析やコメントも加えている。
最終回となる今回は「アルケミー：ニューカペナの街角」の多色カードの内、3色のカード10種類を取り上げる。
※ MTGアリーナ限定のアルケミーのカードは、紙として印刷された通常のカードとは違い、後々バランス調整の名目でデータが修整される可能性がある。したがって、この記事の記述は執筆時点の情報に基づいている点に注意されたい。
アルケミー：ニューカペナの街角の三色カード
カードセット「アルケミー：ニューカペナの街角」には、弧3色（緑白青、白青黒、青黒赤、黒赤緑、赤緑白）を持つカードがそれぞれ神話レアで1種類ずつ、合計で5種類収録されている。
5種類のカードには色に適合した一家の透かしマークが入れられていて、所属が明示されている。
緑白青の神話レア
スパーラの護衛（Spara’s Bodyguard）公式カードギャラリーより引用
スパーラの護衛（Spara’s Bodyguard）は斡旋屋一家所属のロウクスのボディガードだ。しかも斡旋屋一家のボス、ファルコ・スパーラ直属の護衛のようである。
カードのメカニズムは盾カウンター関係、そしてイラストの方は盾カウンターをイメージした力場が展開されている。どちらも斡旋屋一家の定番要素なので、（ゲーム上の評価はともかく）キャラクターとしては新規性のないカードである。
スパーラの護衛（Spara’s Bodyguard）一部拡大図
イラストの奥には、ロウクスの盾に守られたファルコ・スパーラその人が描かれている。
白青黒の神話レア
運命の占者（Diviner of Fates）公式カードギャラリーより引用
運命の占者（Diviner of Fates）は常夜会一家所属のセファリッドの占い師だ。
イラストではカード占いの最中らしく、引いたカードを手に目を閉じて占いに意識を集中させている様子だ。しかし、占者の背後には半透明の霊的な存在がいて、耳打ちをしている。どうやらまともな占いではなく、霊体の協力者によって答えをカンニングする詐欺行為のようだ。
運命の占者（Diviner of Fates）一部拡大図
ちなみにイラストの右上奥にある肖像画は、常夜会一家のボス、ラフィーンである。
青黒赤の神話レア
呪文漏出暗殺者（Spelldrain Assassin）公式カードギャラリーより引用
呪文漏出暗殺者（Spelldrain Assassin）は貴顕廊一家所属の吸血鬼の暗殺者だ。
「漏出」と訳されている「drain」は「排出・流出」という含み持つ言葉だ。ファンタジー・ジャンルでは、吸血鬼が血液や生命力などを吸い取ることを「drain」と表現したりする。MTGなどのゲームなどの和訳では、この「drain」を「吸収」と置き換えることも多い（本来は「排出」なので意味が違う）。
イラストを見るに、このカードの吸血鬼は呪文の力を死体から排出させて自分の力として取り入れ、魔法の弾丸として打ち出しているようだ。
カードのメカニズムでは、手札のインスタントかソーサリーのカード1枚に「犠牲2」を永久的に付与することができ、誰かの死を代価に魔法を強化するこの能力はイラストの描写と合致している。
黒赤緑の神話レア
流出貪り（Effluence Devourer）公式カードギャラリーより引用
流出貪り（Effluence Devourer）は土建組一家所属の巨大ワニだ。おそらく一家の飼っているペットあるいは番犬（番ワニ）なのだろう。鎖を引っ張っているのは土建組の世話係のオーガだろうか？
カード名やイラスト、カードのメカニズムを考慮するに、このワニは緑色の何らかの危険な流出物を摂取しており、死ぬとその遺骸からはウーズ（不定形のスライム状生物）が出現する。流出物の正体はウーズであり、口などから生き物の体内に侵入し、宿主を内側から食い破って成長するということなのだろう。
赤緑白の神話レア
路地裏の庭師（Back-Alley Gardener）公式カードギャラリーより引用
路地裏の庭師（Back-Alley Gardener）は舞台座一家所属のエルフだ。
イラストでは、このエルフは路地裏の壁に舞台座一家のマークを描いていて、その他にも仲間がいる。手を組んで足場になっているレオニンと、周囲を窺う見張り役と思われる人間の2人の仲間だ。庭師という名前にも拘らず、イラストの姿はストリート・アーティストのように見える、とちぐはぐな感じを受ける。
これは個人的な推測だが、路地裏の庭師は大都市ニューカペナの路地裏などに勝手に種を蒔いたりして造園し、植物を育成する者たちなのではないだろうか？いわゆるゲリラ・ガーデニングをする庭師だ。舞台座一家の母体は旧時代のドルイド教団なのだから、都市を植物の多い環境に作り変えることは正しい活動と認識していておかしくはないと思うのだ。
さいごに
これでカードセット「アルケミー：ニューカペナの街角」における全てのカードを紹介し終えた。これでフレイバー・テキストと公式和訳をいつでも参照することができるようになった。いつか誰かの役に立つこともあるだろう。
しかし、アルケミーはMTGアリーナ限定なのだとしても、公式カードデータベースGathererには各国語版の画像くらいはちゃんと登録してほしいものだな。
では今回はここまで。
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