カード紹介:バーバリー・エイプとバーバー

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バーバリー・エイプ(Barbary Apes)カードセット「レジェンド」収録のクリーチャー・カードである。ドミナリア次元のバーバー(Barbar)にはこの類人猿が生息していると考えられている。

今回は「バーバリー・エイプ」と「バーバー」を取り上げてみよう。

バーバリー・エイプの解説

Unpredictable in the extreme, these carnivorous apes will prey even upon their own kind.
この上なく予測不能な、この肉食猿たちは同種の仲間ですら餌食にしてしまうだろう。
引用:バーバリー・エイプ(Barbary Apes)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が私家訳

バーバリー・エイプ(Barbary Apes)

データベースGathererより引用

バーバリー・エイプ(Barbary Ape)は実在の類人猿で、バーバリー地方と呼ばれたアフリカ北西部に生息している。体長は50-60cm程度。

一方、MTG世界のバーバリー・エイプは槍や盾で武装し、羽根を立てた頭飾り、首飾り、頭蓋骨などの装飾品を身に着けている。明らかに知性や文化を有している種族だ。フレイバー・テキストによれば、予測不能な性質であり、同族すら捕食しかねない肉食性の類人猿である。

ドミナリア次元にはバーバー(Barbar)という地名があり、そこがバーバリー・エイプの生息地と考えられている(調査したが公式で明記されたことはないようだ。ただし、20年以上前から定説化している)。

したがって、MTGのバーバリー・エイプは現実世界の類人猿とは同名ではあるものの全く別の生き物であり、現実世界のバーバリー地方ではなくドミナリア次元のバーバーの類人猿なのだ。

ドミナリアの知性を持つ類人猿種族:

ゴリラの酋長(Gorilla Chieftain)

ゴリラの酋長(Gorilla Chieftain)
データベースGathererより引用

実は、ドミナリアでは知性と文化を持つ類人猿は決して珍しい存在ではない(例えば、テリシア地方ヤヴィマヤのゴリラは特に有名)。バーバリー・エイプもそういった知性持つ類人猿の1種なのだろう。

とすると、このバーバリー・エイプはMTG史上初の「ドミナリアの知性を持つ類人猿」のカード化ということになる。

以上でバーバリー・エイプの解説はお終いだ。次はドミナリアのバーバーを解説しよう。



バーバーの解説

バーバーは地図の左上4分の1近くを占めるドメインズ地方のエローナ(Aerona)大陸にある
現代ドミナリア全体地図
公式サイト記事より引用

バーバー(Barbar)はドミナリア次元ドメインズ地方にある森林地帯である。南エローナ大陸の最南端の半島部に位置している。

バーバーはドミナリアでも最も野生に満ち、最も野蛮な土地の1つであり、ここはドミナリアで最もタフな戦士を育むガイア(Gaea)1の森とされる。2そして、知性を持つ肉食の類人猿種族バーバリー・エイプ(Barbary Ape)が生息していると考えられている。

ファイレクシア侵略戦争以前のバーバーと周辺地域
カレンダー付属ドメインズ地図より引用

実は、エローナ南部半島の森林地帯のどこからどこまでがバーバーに属しているのか公式の解説は見つからなかった。バーバーは森林地帯すべてであるかもしれないし、河川で区切られた南岸の一部だけであるかもしれない。ここでは仮に森林地帯全部がバーバーだとして周辺地域を解説する。

バーバーの南西地域には名称不明の山地帯があり、半島最南端の岬がラー(La)である(ラーについては後述)。バーバーの南海に浮かぶ島は新緑のヴェルデュラ(Verdura)3である(他の島は名称不明)。一方、バーバーの北には闘技場で有名な都市エスターク(Estark)の国カッシュ(Kush)ある。北東は緑の平原(Green Lands)で、ケンタウルスの風追い族(Windseekers)が暮らしている。東の海は蜜潮の海(Honeyed Sea)と呼ばれていて、その東には双頭巨人の住む島フォライアス(Foriys)がある。

バーバーに関する記述はほとんどないに等しい。ドメインズ地図付属カレンダーにバーバーは初記載されたが、そこにバーバーの解説は載っていない。インベイジョン・ブロックの特設サイトで、ファイレクシアと戦う者たちをスカウトするエラダムリー(Eladamri)が通過した土地として紹介されたのが唯一の言及である。

ラーの解説

バーバーのついでにエローナ大陸最南端のラー(La)についても、ここで解説してしまおう。

ラーはMTG史上初の長編小説アリーナで言及された地名である。見事な木彫り細工の伝説の土地とだけ書かれていた場所である。その後、ラーはカレンダー付属のドメインズ地図に位置が記載されたがバーバーと同じく解説は何もされていなかった。

ラーとは何か?半島南端部の岬を指す地名なのか、そこにある街か何かを指しているのか、それすら判断する情報すらないのが現状である(カードセット「イコリア:巨獣の棲処」現在)。



ファイレクシア侵略戦争期のバーバー

AR4205年、ファイレクシア侵略戦争でバーバーは初めて歴史の舞台に登場した。ラース次元のエルフ王、エラダムリー(Eladamri)が次元の門経由でドミナリア次元ヴェルデュラに現れた。エラダムリーと随伴者たちは間近に迫ったファイレクシアの侵略について人々に語り広め、ファイレクシアと戦う仲間を増やしながらヴェルデュラからラノワールへとエローナ大陸を北上して行ったのだ。その旅程の途中にバーバーがあった。

BARBAR
Even the wildest, most savage lands will aid the Coalition cause.
Strong fighters are what the defenders need most, and Gaea’s forests breed some of the toughest warriors on Dominaria.
最も野生に満ち、最も野蛮な土地であってもドミナリア連合の助けとなるだろう。
強力な戦士は防衛軍が一番に必要としているものであり、ガイアの森林はドミナリアで最もタフな戦士を育むのだ。
引用:インベイジョン・ブロック期の特設サイトの地図リンク
上が英語原文。下が私家訳

インベイジョン・ブロックの特設サイトでは、地図上にバーバーが記載されており、上記のような解説文と偵察行(Scouting Trek)のイラストが添えられていた。この短いテキストがバーバーを解説するすべてである。

偵察行

“I have chosen my path. Who will walk it with me?”
–Eladamri
道は決めた。私と共にそれを歩む者は?
–エラダムリー
引用:偵察行(Scouting Trek)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

偵察行(Scouting Trek)

偵察行(Scouting Trek)
データベースGathererより引用

このカードは上述の通り、AR4205年にエラダムリーがファイレクシアと戦う仲間を集めつつ、エローナ大陸を北上して行く様子を描いたものである。

カード名は「偵察行」と和訳されており、これは英名の「Scouting Trek」の翻訳としては決して間違ってはいない。ただし、「Scouting」には「偵察する・斥候する」だけでなく「スカウトする・有望な人材を発見する」との意味合いも含んでいるため、ストーリー上の流れを汲むなら「人材発見の旅」くらいに解釈した方がより適していると感じる。4

インベイジョン・ブロックの特設サイトでバーバーの地図にこのカードのイラストが用いられていることから、このカードはバーバーの森林を描いているとみなされている。バーバリー・エイプ(Barbary Ape)の他では、この偵察行がバーバーの地勢を描いた唯一のカードとなる。その意味で実は貴重な存在なのだ。

といったところで、バーバリー・エイプとバーバーについて書ける内容が尽きてしまった。今回はここまで。

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  1. ドミナリアの女神
  2. 出典:インベイジョン・ブロック期の特設サイトの地図
  3. 「Verdura」には、既存の公式訳として基本セット第5版時の「新緑の森」がある。しかし、島国として相応しくないと考えられるので、本サイトでは「ヴェルデュラ」と呼称する
  4. この単語の解釈の文章だが、日本のMTG wikiの「偵察行」の記事とだいたい同じである。そちらも7年前に私が編集したテキストなので剽窃ではない。念のため