ドミナリア地理:緑の平原と風追いのケンタウルス

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小説ささやきの森のプロモカード「Windseeker Centaur」こと「風追いのケンタウルス」のカードや登場ストーリー作品、そして、その出身地である緑の平原(Green Land)について解説する。

実は今回の記事は元々独立させるつもりは無かった。最初はカードセット「モダンホライゾン2」片目のガース(Garth One-Eye)にまつわるまとめ記事を作っていたのだけれど、多方面に触れていく内に長すぎるテキストとなってしまい、別々の記事に分割することにしたのだ。

Windseeker Centaurの解説

Loyal and passionate in battle, the Windseeker tribe roams the Green Lands near the Honeyed Sea.
戦場では忠実で情熱的な、風追い族は蜜潮の海近くの緑の平原に暮らしている。
引用:Windseeker Centaurのフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が私家訳

Windseeker Centaur

Windseeker Centaur
データベースGathererより引用

Windseeker Centaur」こと「風追いのケンタウルス」はドミナリア次元のケンタウルス族だ。

このカードは小説ささやきの森の応募券で入手できたプロモカードであった(邦訳版小説には応募券なし)。MTG黎明期の特殊なカードであると共に、MTG史上初のケンタウルス・クリーチャー・カードでもある。

The term “Windseeker” was given to these centaurs because of their incredible sense of smell; it is said that know you are approaching before you even know it yourself, and they are always ready for your arrival.
このケンタウロスは驚異的な嗅覚から「風追い」と呼ばれている。相手より先に接近に気付くと言われ、いつだって準備万端で待ち受けているのだ。
引用:1997年日めくりカレンダー
上が英語原文。下が私家訳

1997年日めくりカレンダーの解説よれば、風追い族の由来はその驚異的な嗅覚だという。カード・メカニズム上では、攻撃に参加してもタップしない「警戒」能力を有しており、その辺を反映させた設定であろう。

次の節では、小説に登場した風追い族のケンタウルスの夫婦を紹介しよう。実は、モダンホライゾン2でカード化された「あるキャラクター」との繋がりもある。



風追い族のヘルキとホレブ

小説ささやきの森から始まるグリーンスリーヴズ三部作では、風追い族のヘルキ(Helki)ホレブ(Holleb)が登場し、主人公ガルと妹のグリーンスリーヴズの仲間となった(邦訳されたのでヘルキとホレブを覚えている方もいるだろう)。

ヘルキが女性で、ホレブが男性。2人は夫婦である。

ヘルキとホレブは魔術師の赤のデイシアン(Dacian the Red)によって召喚され、遠いささやきの森に放り出されて以来、故郷への帰還を望んでいた。しかし、広大なドメインズ地方の全体像を知る者はおらず、故郷がどこにあるのか探すものの、緑の平原という名すら誰も聞いたことが無かったのだ。

続編小説が翻訳されなかったため2人の行く末が気になったままの読者もいることだろう。

片目のガース(Garth One-Eye)

片目のガース(Garth One-Eye)
データベースGathererより引用

二十数年前のネタばらしになってしまうが、未訳続編の小説Shattered Chainsのお終いでヘルキとホレブは無事に帰ることができている。その時、2人を連れて行ってくれたのが何を隠そう、ゲスト出演した片目のガース(Garth One-Eye)であった。というのも、「緑の平原」は小説アリーナ 魔法の闘技場が初出の名称で、アリーナの主人公であるガースが土地勘があるのは当然だったのだ。

こうしてヘルキとホレブと、そしてその他の主人公の仲間たちは、それぞれの故郷に一旦帰還した。でもそう間を置かずに戻ってきて、グリーンスリーヴズとガルに協力するのだった。時代設定が3年後になる小説Final Sacrificeでももちろん、ヘルキとホレブは主人公の頼れる仲間であった。

ストーリー作品の紹介は以上だ。次は風追い族のケンタウルスの故郷「緑の平原」と「蜜潮の海」の解説だ。



緑の平原と蜜潮の海

南エローナ大陸南部
現代ドミナリア世界地図より引用

緑の平原(Green Lands)はドミナリア次元のドメインズ地方、南エローナ大陸南部にある。緑の平原が面する海が蜜潮の海(Honeyed Sea)だ。

緑の平原の北西は都市エスターク(Estark)で知られるクシュ(Kush)があり、南西から大陸最南端までは大森林地帯となりバーバー(Barbar)ラー(La)がある。

蜜潮の海を南東に進めばフォライアス(Foriys)の島があり、そこは双頭巨人の住み処だ。小説ささやきの森では、フォライアスの双頭巨人リコ(Liko)が登場して、ヘルキとホレブと同様に主人公の友人となっていた。

緑の平原

緑の平原(Green Lands)風追い族のケンタウルス(Windseeker Centaur)が住むタイガとステップの土地だ。ここの山脈の内のどこかには折れ足山(Broken Toe Mountain)という山がある。

緑の平原は辺境で、戦いがよく起こり、ケンタウルスはしばしば傭兵を生業とする。AR41世紀頃は、西の国クシュが中心として栄えていて、中心地から離れるクシュの南部は僻地だ。そのさらに先にある緑の平原が辺境に設定されるのは必然だったのだ。

緑の平原の初出は小説アリーナ 魔法の闘技場である。南部の男爵領ギシュ(Gish)近くの土地として言及され、「緑の地」と訳されていた。本格的な言及はMTG史上2冊目の小説ささやきの森からで、ケンタウルスの故郷であるなど詳細な状況が語られた。「緑の平原」は小説ささやきの森の方の翻訳である。

メモ:タイガ

Taiga

Taiga
データベースGathererより引用

緑の平原はタイガ(Tiga)ステップ(Steppe)があると語られている。タイガは最初のMTGで二色土地としてカードにもなっているが、イラストにも描かれている通りの、亜寒帯の針葉樹林のことである。かたやステップは草原地帯だ。現実世界では、タイガもステップもロシアや中央アジアに見られるので、元々はドミナリアの緑の平原も緯度の高いやや寒冷な地方をイメージしていたのかもしれない。

ドミナリアの世界地図を見ると、緑の平原はむしろ緯度が低く、十分に温暖な地域ではないかと推察される。それに、緑の平原に近いクシュ南部ではブドウ栽培が行われているし、となりのバーバーはおそらく熱帯ジャングル地帯だ。

ブドウ園やジャングルの程近くにタイガがある。奇妙だ。ただし、MTGではマナのありようにより環境や気候が現実とかけ離れることもままある1ので、こんな取り合わせもありえないとまでは言えない。

蜜潮の海

蜜潮の海(Honeyed Sea)緑の平原に面する南エローナの南海である。名称は小説ささやきの森からだ。

小説アリーナ 魔法の闘技場では、こちら側の海は「はてなき海(Endless Sea)」と呼ばれている。「蜜潮の海(Honeyed Sea)」は小説ささやきの森からの呼称だ。そして小説Shattered Chainsでは、緑の平原近くの海は「Endless Sea」とも「Honeyed Sea」とも呼ばれており、いくぶんややこしい。

おしまい

片目のガース(Garth One-Eye)

片目のガース(Garth One-Eye)
データベースGathererより引用

以上で、取りあえず風追い族と緑の平原、蜜潮の海を解説し終えた。最初に断ったように、元々は片目のガース(Garth One-Eye)をまとめていた。ところが、最初の長編小説主人公であるのに、ガース本人もストーリーもその舞台となる地域も、本邦ではあまり詳細が知られていないことが分かってきた。それで、細部をもっと詰め込んでもっともっと詰め込んで……と書いていったところ収拾がつかなくなってしまって、その結果が分割したこの独立記事だ。計画性が無くて恥ずかしい。

でも、いつかは語りたかった内容なので、この記事なこれでまあいいかな…。では今回はここまで。

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