機械仕掛けの召使い(Clockwork Servant)はカードセット「エルドレインの王権」に収録されたクリーチャー・カード。おとぎ話に登場するゼンマイ仕掛けの人型ロボット「チクタク(Tik Tok)」をモチーフにしている。
機械仕掛けの召使いの解説
Some are annoyed by the constant ticking as they clean the cobbles, but to the castle custodians, there’s no sweeter sound.
敷石を掃除するチクタクという音を耳障りだと言う者もいたが、城の守衛にとっては心地よい響きだった。
引用:機械仕掛けの召使い(Clockwork Servant)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
機械仕掛けの召使い(Clockwork Servant)は城の敷石掃除などの管理作業に従事するゼンマイ仕掛けのノームである。イラストを見ると、バケツを側に置き、床磨きのブラシを手にしている。
小説「Throne of Eldraine: The Wildered Quest」には機械仕掛けの召使いやそれに類する自動人形は登場しなかった。このカードだけでは情報が足りないため、どこの宮廷の城の召使いかは判断ができない。
しかし他のカードを調べれば、青の宮廷であるヴァントレス城には通路を監視するアーティファクト・クリーチャーの通路の監視者(Corridor Monitor)がカードとして収録されている。青という色の特性を考慮すると、機械の召使いを使役するなら、ヴァントレスが他の宮廷よりも可能性があるかもしれない。
機械仕掛けの召使いの元ネタ
開発記事Throne of Eldraine Vision Design Handoff, Part 2によれば、このカードはおとぎ話に登場する「チクタク(Tik Tok)」と呼ばれるキャラクターをモチーフとしている。チクタクは人型をした機械のクリーチャーで、有名な例が「オズの魔法使い」に登場するチクタクである。
オズの魔法使いシリーズの作品「オズのチクタク」では、チクタクは球形の身体をしたゼンマイ仕掛け1の人型ロボットとして描写されている。
機械仕掛けの召使いのフレイバー・テキスト
残念ながら、機械仕掛けの召使いのフレイバー・テキストの和訳は言葉があと一歩足りない。以下の赤字で強調した部分を原文と和訳で比較してほしい。
Some are annoyed by the constant ticking as they clean the cobbles, but to the castle custodians, there’s no sweeter sound.
敷石を掃除するチクタクという音を耳障りだと言う者もいたが、城の守衛にとっては心地よい響きだった。
お分かり頂けるだろうか?
「城の守衛」と訳された「the castle custodians」とは、実は機械仕掛けの召使い自身のことなのだ。公式和訳では、「機械仕掛けの召使い=城の守衛」の関係性が全く見えてこないのだ。
「custodian」は辞書を引けば「守衛」の他に「図書館などの建造物の管理人」という意味がまず出てくる。この召使いは敷石を掃除しているのだから「守衛」よりは「城の管理人」の方がふさわしいだろう。
例えばこんな調子になるかと思う。
チクタクをモチーフとする可能性があるノーム
MTGには機械仕掛けのノームがこのカード以前にもいくつか存在している。2これらの機械のノームはおとぎ話の「チクタク(Tik Tok)」がモチーフだったのかもしれない。2種類だけピックアップしてみたい。
「機械仕掛けのノーム」という意味の名前を持つこのClockwork GnomesがMTG史上最初の機械の(アーティファクト・クリーチャーの)ノームである。フレイバー・テキストではこのノームも「servants(召使い)」と呼ばれている。
チクタク・ノーム(Ticking Gnomes)は名称自体が「チクタク(Tik Tok)」を意識しているように思える。
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