魂のフィールド(Field of Souls)はカードセット「テンペスト」収録のエンチャント・カードである。
前々回からラース次元の種族について記事を書いているので、今回もラースにまつわるカードを紹介する。→前々回:種族の起源、前回:影の乗り手とダウスィー族。
魂のフィールドの解説
魂のフィールド(Field of Souls)はおそらくラース次元の幽霊を描いたカードである。
カード・イラストには、白くおぼろげな姿の人々や鳥が描かれている。金の竪琴を奏でる女性、そして、その周りには兜をかぶった兵士のような男たちがいる。
カード・メカニズム上は、クリーチャーが死亡するたびに1/1の飛行付きスピリット・トークンになって帰ってくるような機能を持っている。MTGでは、幽霊(ゴースト)はもっぱらスピリット・クリーチャーとして表現されていることから、このカードが生み出すトークンは死亡したクリーチャーの霊魂であると考えられる。
カードセット「テンペスト」の舞台はAR4205年のラース次元である。このカードは物語上ではどのような扱いをされているのだろうか?
魂のフィールドのストーリー
実は魂のフィールドそのものは小説やコミックスなどの作品に登場していない。
だが、短編集Rath and Stormにおいて、シャドー・クリーチャーに絡めた比喩表現として使われている。
(サルタリー、ダウスィー、サラカスは)実体ある世界には干渉できずに、さながら影のように存在しているという。そんな姿でも、魂のフィールドにいる幽霊として、戦争を続けているのだ。
(中略)
永遠に続く幽霊の戦争だ。おとぎ話のようだがな。
引用元:短編集Rath and Storm
一部抜粋して抄訳
短編集Rath and Stormの全収録作品は、カードセット「テンペスト」の出来事が遠い過去となった時代、老師が10-11歳くらいの少年イルキャスター(Ilcaster)に語るウェザーライト号の物語である。
抜粋した部分は、サルタリーの使者ライナ(Lyna)が自身の種族について、ウェザーライト号の魔術師アーテイ(Ertai)に説明している場面である。語り手である老師は自身の感想を交えてイルキャスター少年に説明しており、ラース次元の狭間に半実体で捕らわれたサルタリーら3種族を「魂のフィールドにいる幽霊」と形容している。
あるいは比喩ではなく、このカード「魂のフィールド」に描かれたラースの魂たちもシャドー・クリーチャーと同じく次元の狭間に捕らわれている存在なのかもしれない。
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