イニストラード:捜査員、ジェイコブ・ハーキン

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捜査員、ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken, Inspector)はカードセット「イニストラード:真紅の契り」収録の伝説のクリーチャー・カードである。両面カードであり裏面がハーキンの眼識(Hauken’s Insight)だ。

ジェイコブ・ハーキンは短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳の主人公として活躍と出生の秘密が描かれた人物だ。

今回はイニストラード次元における不思議な事件を解決する捜査官の第一人者について取り上げる。

※ 本記事は短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳のネタバレがあるので注意。

捜査員、ジェイコブ・ハーキンの解説

“Our world may be dark, but there’s still plenty to see.”
「この世界は闇に包まれているが、それでも見るものはたくさんある。」
引用:捜査員、ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken, Inspector)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

捜査員、ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken, Inspector)

データベースGathererより引用

捜査員、ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken, Inspector)はイニストラード次元における奇妙な事件を扱う雇われ捜査官の第一人者である。人間男性。

イラストのくたびれた外見やベテラン捜査官のイメージに反して実はまだ若い。

詮索好きなジェイコブは、霊(Geist)やその他のスピリットを知覚する能力を駆使して、天職である捜査官への道を切り開いた。

ジェイコブはネファリア州海岸地域では特に高く評価されている。なぜなら、数多くの神秘を解き明かしただけでなく、酷い死に方をせずにまだ生き永らえているからだ。

イニストラード次元が永遠の夜に包まれた時代、仕事に事欠くようになったジェイコブの下に依頼が舞い込んだ。かつて短期間だけ組んだ探偵のエロイーズ・ウィッカー(Eloise Wicker)の伝手で、ネファリアの都市セルホフの商人ネリック卿(Lord Nellick)から地域を騒がす放浪する霊の捜査を依頼されたのだ。しかし、この事件に関わったことでジェイコブの人生は大きく変化することになるのだった。



霊魔導士ジェイコブ・ハーキンとヴィザグ・アトゥム

ハーキンの眼識(Hauken's Insight)

ハーキンの眼識(Hauken’s Insight)
データベースGathererより引用

霊を見る能力は彼の生まれに秘密にあった。ジェイコブは死を崇拝する組織「ヴィザグ・アトゥム(Vizag Atum)」で育てられた霊魔導士(Geistmage)なのだ。

ヴィザグ・アトゥムで暮らしていた子供時代、友人が絞殺死体となって発見された。しかし組織の長老たちは捜査もせずに事件性はないとして片付けてしまった。これが契機となって、ジェイコブは組織に疑問を抱き、抜け出す決意を固めた。

ジェイコブはヴィザグ・アトゥムを離れた後、自分の霊魔導士能力を利用して生計を立てることになり、現在の捜査官の名声を築き上げたのだった。

ジェイコブ・ハーキンは霊の姿を見れるだけでなく、その出現を察知したり、霊と会話したり、命令して退散させたり、霊からの憑依を防ぐことも可能だ。また、霊を知覚できない普通の人でも、姿や声を知覚できるようにする魔法も使える。

世界の端

短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳はジェイコブ・ハーキン主役のストーリー作品だ。

ネファリアの捜索者、エロイーズ

ネファリアの捜索者、エロイーズ(Eloise, Nephalia Sleuth)

ネファリアの捜索者、エロイーズ(Eloise, Nephalia Sleuth)
データベースGathererより引用

ネファリアの捜索者、エロイーズ(Eloise, Nephalia Sleuth)はカードセット「イニストラード:真夜中の狩り」統率者デッキ収録の伝説のカードだ。

探偵のエロイーズ・ウィッカー(Eloise Wicker)は3年前にジェイコブ・ハーキンの協力を受けたことがあった。その経緯からセルホフの街の事件調査にはジェイコブの力がいると考えて、依頼主のネリック卿(Lord Nellick)に紹介したのだ。

この地方の住人を襲う放浪の霊が、今度はセルホフの街の商人ネリック卿を標的に選んだという。すでに霊はヘイヴングルの街の市長を初め何人も殺害しているのだ。ジェイコブとエロイーズはコンビを組んで捜査に乗り出した。

ジェイコブ・ハーキンから見て、エロイーズ・ウィッカーは3年前に少し手伝った仕事相手で、若い割りに厳格で初歩的な間違いを犯しがちな探偵であった。再会するまで名前もウィッカーの方しか知らなかったし、良い評価はされていないと思い込んでいた。しかし、こうして指名して呼び出された。話をしてみるとウマが合い、自分の生い立ちを喋ってしまっていたほどだった。ジェイコブは自分のことを理解してくれていると感じ、エロイーズに好意を抱くのだった……。

ちなみに「真夜中の狩り」時点での設定解説では、エロイーズは優秀な名探偵とされていた。ところが、この短編では探偵として全くいいところがないむしろこの話の最後で新たな相棒と組むことになり、これから名探偵の活躍が描かれる幕開け……のような感じで終わっている。

眠れぬ亡霊、ミレシント

眠れぬ亡霊、ミレシント(Millicent, Restless Revenant)

眠れぬ亡霊、ミレシント(Millicent, Restless Revenant)
データベースGathererより引用

眠れぬ亡霊、ミレシント(Millicent, Restless Revenant)はカードセット「イニストラード:真紅の契り」統率者デッキ収録の伝説のカードだ。

世間を騒がす放浪する霊の正体がミレシントであった。しかし、殺人事件の犯人は別に居た。ミレシントはその真犯人の犠牲者であり、自分を殺した相手シリル・ラーヴ(Cyril Rav)を追っていたのだ。

生前のミレシントはネファリア州の川沿いにある中規模都市の市長であり、護衛隊長を務める人間女性であった。家族全員を喪ったミレシントは、街を自分と同じく身近な者を亡くした人々のための聖域としようと奮闘した。小さな町は中規模都市へと発展したが、何らかの悲劇に見舞われ町が地図上から消えたのだ。現在のミレシントは、それぞれに復讐を求めて蘇った住人を率いてイニストラードを旅し、復讐を成し遂げている。

シリル・ラーヴ

ジェイコブ・ハーキンは遂に真相にたどり着いた。真犯人シリル・ラーヴ(Cyril Rav)のもとに。

シリル・ラーヴはセルホフの搭に住んでいた屍錬金術師1(Necro-alchemist)の男性で、数か月前に霊爆弾(Geistbomb)の暴発事故を起こし大勢の人の命を奪い、自身も爆死した。

霊爆弾とは死者の魂を燃料とした爆弾である。ミレシントと彼女の町の住人の新鮮な魂は爆弾の燃料に使われたのだ。

死亡したラーヴは霊となって蘇っており、生者に憑依し操る能力を得ていた。相手の許可なく憑依できる能力は普通の霊にはない例外的なものだ。これを利用して影響力のある人物の身体に憑依しては命を奪い、別の人物へと乗り移りを繰り返していたのだ。それを追っていたミレシントの霊が犯人と勘違いされていた。これが一連の真相である。

現在のラーヴは事件の依頼主ネリック卿に憑依しており、ジェイコブらの力でミレシントを退けるつもりだった。だが、事情は当初とは違ってしまう。ラーヴはジェイコブに興味を惹かれ、心から好いてしまっていた。

ジェイコブが心を開き好意を抱いた相手はエロイーズ本人ではななく、憑依していたシリル・ラーヴだったのだ。ラーヴは一緒に居たい、居てあげる、このネリック卿の身体が気に入らなければ別のに乗り換えるよ、と懇願する。ジェイコブは訴えに耳を傾けていると、彼の中にあった世界が崩れ去ってしまった。疲れたというジェイコブを、分かるよと返すラーヴ……。

ジェイコブとラーヴ、2人の孤独な魂同士はこうして姿を消したのだった。

名探偵コンビ結成

エロイーズとミレシントがネリックの館に到着した時には、すでにジェイコブ・ハーキンの姿はなく、ネリック卿の死体だけが残されていた。あるいはシリル・ラーヴの霊がジェイコブに憑依したのかもしれないと推測した。

ミレシントはラーヴの捜索を独りで続けようとするが、エロイーズは自分を雇わないか?と持ち掛けたのだった。

エロイーズの設定解説から察する限り、こうしてミレシントと共にシリル・ラーヴを追っていき、様々なカルト教団や神秘や恐怖に遭遇することになるようだ。それがいつか語られることを願ってやまない。



設定解説記事

ジェイコブ・ハーキンとミレシントの設定情報は、設定解説記事The Legends of Innistrad: Crimson Vowに記載されていたものだ。

記事原文から該当部を引用し、本サイトで独自に訳した文章を添えてみた。

捜査員、ジェイコブ・ハーキンの設定解説記事

捜査員、ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken, Inspector)

特別イラスト版の捜査員、ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken, Inspector)
データベースGathererより引用

Jacob Hauken always had an inquisitive mind. That, combined with the uncanny ability to see geists and other spirits, even when they would rather remain hidden, has served him well as the foremost investigator-for-hire of strange occurrences in Innistrad. Young Jacob has already made a name for himself, especially along the Nephalian coast—not only has he managed to solve quite a few mysteries, but he’s done so without dying horribly.

ジェイコブ・ハーキンはいつも探求心を忘れない。それに加えて、霊(Geist)やその他の精霊(Spirit)が隠れていようと見破る不思議な力を持っているため、彼はイニストラードにおける奇妙な事件を扱う雇われ捜査官の第一人者として活躍してきた。若きジェイコブは既に名を馳せており、特にネファリア州海岸では有名だ–なぜならかなりの数の謎を解き明かしただけでなく、酷い死に方を迎えずに済んでいるのだから。
引用:公式記事The Legends of Innistrad: Crimson Vow
上が英語原文。下が私家訳

眠れぬ亡霊、ミレシントの設定解説記事

眠れぬ亡霊、ミレシント(Millicent, Restless Revenant)

眠れぬ亡霊、ミレシント(Millicent, Restless Revenant)
データベースGathererより引用

Vengeance is a desire shared by many of the spirits left in the wake of The Travails, and Millicent is no exception. In life, she was mayor and captain of the guard of a small township. Having lost her entire family to the various horrors of Innistrad, Millicent wanted to create a sanctuary for other people who had lost those close to them. Her small town grew into a medium-sized city made up of humans learning to heal. Then a mysterious tragedy wiped it off the map.
One by one, Millicent and her citizens rose again as spirits, each with their own unfinished business. The spirits still held on to their sense of community, even in death. Led by Millicent, they travel the plane together, seeking the vengeance each spirit desires. They descend on cities like a natural disaster. A cloud of spirits flood the streets, leaving the dead bodies of corrupt officials or disguised werewolves in their wake.

復讐は大患期後に残された多くの霊たちが共有する願望であり、ミレシントとて例外ではない。生前の彼女は小さな町の市長であり衛兵隊長であった。イニストラードの様々な恐怖が原因で家族全員を喪ったミレシントは、身近な者を亡くした人々のための聖域を築こうとした。彼女の小さな町は、癒しを学ぶ人間たちで構成された中規模都市へと発展した。だがその後、不可解な悲劇が起こり、町は地図から消えることとなった。
一人また一人と、ミレシントと市民はそれぞれにやり残したことを抱えながら、霊として蘇った。霊たちは死してもなお、共同体の意識を持ち続けていた。ミレシントに先導されて、各々が望む復讐を求めて次元を旅している。自然災害のように都市へと降り立つと、霊の群れが街に溢れ返り、後には汚職に手を染めた役人や変装した人狼の死体が残されるのだ。
引用:公式記事The Legends of Innistrad: Crimson Vow
上が英語原文。下が私家訳

さいごに

ハーキンの眼識(Hauken's Insight)

特別イラスト版のハーキンの眼識(Hauken’s Insight)
データベースGathererより引用

本記事の発端は、ジェイコブ・ハーキンの設定解説が掲載されている公式記事The Legends of Innistrad: Crimson Vowがいつまで待っても公式和訳されなかったことだ。

ジェイコブに関しては短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳で語られた過去や今後の動向もとても興味を惹かれるものだった。ヴィザグ・アトゥム(Vizag Atum)については短編公開時にすぐ記事化してみたが、ジェイコブ本人も語りたいと思っていた。それで、今回は未訳解説記事の翻訳も含めて取り上げて紹介することにしたのだ。

いつかは再登場してその後のジェイコブやエロイーズたちの絡みがきっと語られると信じている。

では今回はここまで。

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