ドミナリア地理:オタリア大陸(AR4560)

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今回はオタリア(Otaria)の詳細な地図を、公式世界地図を基に作成をする。

※ 2023年4月時点で、ウィザーズ公式はオタリアの細かい地名に関して公式情報を出していない。したがって、本記事に書かれている地名およびその位置はあくまで非公式な、本サイト独自の見解に過ぎない。

追記(2023年6月17日):解説を一部修正。「大沼沢地」を「大沼沢」に名称変更。また、南の沼地の名称として「アフェット沼」を追加した。地図は後ほど修正した新バージョンに更新する予定。

追記(2023年6月19日):アカピスタンとダール平原の節にそれぞれ、クレシノとウルビオンについて加筆した。

追記(2023年6月21日):「アカピストン(Acapiston)」を「アカピスタン(Acapistan)」に変更。地図は修正バージョンに更新予定。

オタリア大陸とドミナリア世界地図

オタリア(次元カード)より引用

AR4560年現在のドミナリア世界地図はカードセット「ドミナリア」期に公表されている。この地図は過去の様々な小説や記事などを研究してオタリアの地理情報を拾い上げ、相互に矛盾することも少なくない各種地形を可能な限り合理的な位置に配置するよう、非常に緻密な計算の下に描かれている。

これを基に、本サイトではより簡略化したオタリア地方地図を描き、そこに地名を置いて行った。地名も位置も多くは確定情報だが、少なくない数が本サイトの独自判断の下に書き入れられている。各地名解説には、その出典元となる公式ソースを記し、それが確定情報かそうでないかを明示している。



非公式オタリア地方地図(AR4560年)

本サイトで作成したAR4560年現在の非公式オタリア地方地図がこれだ。

オタリア大陸を、北から南にかけて順番に地名解説を行う。大陸周辺の海域に関しては、その後で取り上げる。

カローナ山

邪神の寺院(Temple of the False God)

邪神の寺院(Temple of the False God)
データベースGathererより引用

カローナ山(Mount of Karona)は、出典は小説Scourgeで、かつてエローシア寺院(Eroshian Temple)が置かれていたがカローナの出現により、彼女を信仰する総本山となった。

カードでは邪神の寺院(Temple of the False God)がまさにここであった。

この位置は小説Scourgeの地理情報から推定したものだ。都市エローシアはオタリア大陸中央部から船旅で行きつく位置であり、大陸の東の果てで、山があり、西に平野が広がり、東に湾がある。これらの条件に全て合致するのはここしかない。エローシアはAR4310年時点で既に滅んでいると考えられるためAR4560年地図には記載しない。

ヴォニアン平野

ヴォニアン平野(Vonian Fields)は、出典は小説Scourgeで、エローシアの西に広がる平原地帯である。

カローナ山と同様に作中の地理情報から推定した。

楽園岬

楽園岬(Cape Paradise)の出典は小説Chainer’s Tormentである。

楽園岬の位置も小説中の地理情報から推定したものだ。作中にはミラーリによる大津波被害が「楽園岬の南からクローサの森の北限まで」及んだとの記述があるため、アボシャン海溝のすぐ北に張り出したこの半島部が楽園岬に該当すると考えられる。

アボシャン海溝

アボシャン海溝(Aboshan Trench)はオタリア大陸北端部を東西に横断する幅1マイルほどの深い裂け目である。

位置と名称はイーサン・フライシャーのコメントで確定した。

AR4305年、海の帝国の皇帝アボシャンがミラーリの力を行使したことで大陸が東西に裂けて、大陸北端部が島となった。

アボシャン海溝という名称は小説Judgmentからのもので、女帝ラワンの遣わしたリル・ヴェザら調査団が命名したと思われる。それ以前の小説Chainer’s Tormentでは特定名称でなくただ裂け目などと呼ばれた。

海上の切り立った高い崖の部分は、「オナーラ崖壁(Cliff of Onara)」である。この名称も小説Judgmentが出典だ。

北部地域

北部地域(Northern Reaches)は、オタリア・サーガにおいて北部オーダーや遊牧民、エイヴンらが暮らし支配する草原や平原の一帯として描かれていた。

イーサン・フライシャーは大陸北の平原がそう呼ばれるべき場所だとコメントしていることから、ほぼ確定である。

短編Dragon Lordで「Northern Reach」として初登場し、小説Odysseyにおいて「Northern Reaches」の名称で定着した。

スコルテン山脈

スコルテン山脈(Skollten Mountains)はタミンガジンの谷の北に位置する山地帯である。AR40世紀時点ではスコルテン・エイプという類人猿種族の国があったはずだが、現状は不明だ。

カードセット「統率者レジェンズ」カンジー(Kangee)の設定解説内で確定した名称だ。

出典は小説The Prodigal Sorcererで、スコルテンはタミンガジンの谷よりも北の地方として描写された。スコルテンは全てが山脈地帯とまでは読めないものの、作中では少なくとも1度「Mountains of Skollten」という表記が登場している。MTG非公式の小説前日談となる短編Storm Winterではスコルテン平原(Skollten plains)という地名も出て来ており、作者Mark Sumnerはタミンガジン以北の山脈も含む一帯をスコルテンと想定していたと思われる。

タミンガジン

放蕩魔術師(Prodigal Sorcerer)

放蕩魔術師(Prodigal Sorcerer)
データベースGathererより引用

タミンガジン(Tamingazin)はボールシャン湾の北岸にある谷である。

洪水時代(おそらくAR3000年頃)、ラト=ナム島から移民した見えざる者の魔術師が魔道学院(Institute of Arcane Studies)を設立し、タミンガジン一帯を守る魔道壁(Mage Wall)を展開した。AR4560年現在の魔道学院の状況は不明だ。

出典は小説The Prodigal Sorcererだ。位置も名称も確定情報である。

ボールシャン湾

ボールシャンのグリフィン(Balshan Griffin)

ボールシャンのグリフィン(Balshan Griffin)
データベースGathererより引用

ボールシャン湾(Balshan Bay)はオタリア大陸北東にある大きな湾岸である。

出典はオデッセイ・ブロックで、小説Odyssey付属のオタリア地図にも記載されていた。確定情報。

カード名やフレイバー・テキストには出て来ていたが、オタリア・サーガ小説三部作2シリーズには全く言及されず、AR4500年の小説Future Sightにおいてかつては商船が行き交い活気があったと回想されたのみの場所だ。

オタリア・サーガ当時、大陸最大の港であるカバル市の港が存在するならこの南岸地域であったであろう。すなわち、陰謀団総帥ザ・ファーストとなる以前のヴィロット・マグランの一族マグラン家が、AR4000年頃まで20世代にわたって統治してきた「ドックタウン(Docktown)」がそこだ。

大沼沢

沼(Swamp)

オデッセイ版の沼(Swamp)
データベースGathererより引用

大沼沢(Great Marsh)はボールシャン湾の西岸から南岸に広がる一帯だ。

小説The Prodigal Sorcerer内に見られた地名で、AR40世紀当時はスダーボッド(Suderbod)という大国が支配していた。

カードセット「ドミナリア」期の公式記事Dominarian Cartgraphyや公式Podcastによれば、スダーボッドの凋落後に西地域に植林されて沼から森へと様相が変化したとのこと(次節も参照)。その上、小説The Prodigal Sorcererの作中では、大沼沢にはタミンガジンから徒歩数日の位置に塩湖1が存在しており、登場人物は塩水である理由は、(東の)湾あるいは「西の海」の海水が流れ込んでいるためかも知れないと推測していた。このことから、当時の大沼沢は大陸西端までの広がりだったと考えられる。

クローサの森

クローサ(Krosa)

次元カード版のクローサ(Krosa)
データベースGathererより引用

クローサの森(Krosan Forest)は、オタリア大陸北の大森林地帯。その領域は時代と共に推移してきた。別名は「クローサン(Krosan)」。確定情報。

氷河期後にナントゥーコのスリス(Thriss)が植林を始めて何世紀もわたって森を拡大させてきたオタリアを代表する緑マナの土地で、スリスは森のスピリットとなった。AR40世紀に大沼沢を支配したスダーボッドが崩壊した後は、スリスは沼地の森化を進めていった。

AR4306年からAR4310年まで、クローサはミラーリの影響で癌化した異常成長をしたことで、短期間で大きく森の形が変化した。

ワーム語り、バルー(Baru, Wurmspeaker)

ワーム語り、バルー(Baru, Wurmspeaker)
データベースGathererより引用

AR4560年代には、バルー(Baru)らドルイドの活動が確認できる。

カードでは「クローサ(Krosa)」あるいは「クローサの森(Krosan Forest)」と記されているが、オタリア・サーガ小説三部作2シリーズでは「Krosa」でも「Krosan Forest」でもなく、もっぱら「クローサン(Krosan)」と呼称されていた。オタリア・サーガの設定に頻出する連続性欠如の1例だ。

コーリアン悪地

コーリアン悪地(Corian Badlands)は大陸中央部の荒れ地・砂砂漠・礫砂漠・断崖・平野を総称した地名である。

イーサン・フライシャーによるファンサイトでのコメントで確定した。

初出は小説Legionsで、作中ではコーリアン断崖(Corian Escarpment)を下った周辺の荒れ地や礫砂漠を指した名称であった。しかし、カードセット「ドミナリア」期に地理が整理されて、断崖の西や北西に広がる無名だった砂砂漠の一帯を含めて、全てコーリアン悪地としてまとめられた。したがって、かつてのイクシドールの国トポスがあった砂漠もこの地域に含まれることになった。

パーディック山脈

山(Mountain)

オデッセイ版の山(Mountain)
データベースGathererより引用

パーディック山脈(Pardic Mountains)は大陸を南北に伸びる大山脈地帯だ。確定情報。

現代ドミナリア世界地図では「パーディア(Pardia)」と記載されている場所で、これは時のらせんブロック期のカードと小説において見られた表記である。

公式和訳では「パーディック山」と単一の山のように訳し続けているが、オデッセイの初出当時からオタリア大陸を代表する大山脈地帯という設定であったため、誤訳も甚だしい。

アフェット沼

沼(Swamp)

オンスロート版の沼(Swamp)
データベースGathererより引用

アフェット沼(Aphetto Swamp)はオタリア大陸南部東岸の湿地帯である。

実は、この沼地は正式な名称が不明瞭であり、「アフェット沼」は本サイトの推定である。

オンスロート・ブロック小説三部作では、この湿地帯は何度も登場している上に、そこには陰謀団の都市アフェットや大闘技場が存在していたのものの、固有の地名は与えられていなかった。これは都市アフェットが登場する他の小説や短編作品などでも同じである。

カードでは、アヌーリッドの濁り水潜り(Anurid Murkdiver)のフレイバー・テキストにおいて「アフェットの沼(Aphetto’s swamps)」という表現が唯一見られる。また、公式記事Sketches: Rotlung Reanimatorでは、腐れ肺の再生術師(Rotlung Reanimator)のイラスト発注指示に場所が「Aphetto Swamp」と指定されている。

「Aphetto Swamp」は単に都市アフェットが位置する沼という以上の意味合いは持たされてなさそうであるけれど、これを除いて適当な名称は見つからないのだ。

アカピスタン

アカピスタン(Acapistan)は、オタリア大陸南方東岸にある宝飾品で知られる常夏のジャングルと、黄金で知られる砂漠だ。

小説The Prodigal Sorcererが初出かつ唯一言及している出典元である。

小説The Prodigal Sorcererには、タミンガジン最大の都市ベリミシュ(Berimish)でアカピスタンの金製品を売る肌の浅黒い2行商人が登場しており、おそらくこれが唯一のアカピスタン人(Acapistani)の描写であろう。

アカピスタンとアカピストンの表記ブレ

小説作中では、「アカピスタン(Acapistan)」と「アカピストン(Acapiston)」の2つの表記がされていた。イーサン・フライシャーはファンサイトでのコメントにおいて、アカピストンはこの位置だと証言し、作中の表記ブレはただの打ち間違いだとの判断を示した。

フライシャーのコメントを受けて熱心なファンは、作中では「アカピストン」は1回だけで「アカピスタン」は数回登場している点3に加え、作中の表記の仕方から考えて「アカピスタン」が国名で「アカピストン」はその砂漠にある都市名かも知れないとの可能性を指摘した。

その後のフライシャーのコメントでは指摘を受け入れたようで、「アカピスタン」表記を用いて、ジャングルと砂漠の位置をより詳しく説明している。

クレシノ

更に加えて小説The Prodigal Sorcererでは、スダーボッド大使アーサル・ダリールが放蕩魔術師アリガリウス・ティムニに対して、あなたの高名は「北はスコルテンの荒野から南はアカピストンの砂漠」にまで伝わっていますよ4、とおだてる発言をしている。AR40世紀当時、スダー人の認識ではオタリア大陸内の文明国の南限がアカピスタンであったことを意味するものと解釈できる。

また、同作中においてダリールは幼い頃、はるか南のクレシノ(Cresino)において5アシャムという人物から短剣の使い方を学んだと記されている。

仮にクレシノが都市であったとするなら、それが位置するのはアカピスタンであったのではないだろうか?

ギガントピテクス

ちなみに、オンスロート・ブロック小説三部作になって陰謀団が南方に本拠地を移してから、構成員として類人猿系種族ギガントピテクスが頻繁に登場するようになった。もしかすると、アカピスタン・ジャングルがギガントピテクスの居住地だったのかもしれない。

スカーク山脈

山(Mountain)

オンスロート版の山(Mountain)
データベースGathererより引用

スカーク山脈(Skirk Ridge)はオタリア大陸南部の山脈地帯で、パーディック山脈の南に連なる分水嶺である。

確定情報。オンスロート・ブロック初出当時の世界構築記事で、スカークはパーディック山脈の南半分だと明言されていた。

公式和訳では「スカーク峠」と訳し続けられているが、世界地図でもハッキリ確認できるほどの広大な分水嶺であり、こちらも北の「パーディック山」同様に誤訳も甚だしい。

不死身、スクイー(Squee, the Immortal)

不死身、スクイー(Squee, the Immortal)
データベースGathererより引用

AR4560年現在では、スクイー(Squee)のゴブリンの国が存在していた。

ワイアウッドの森

森(Forest)

オンスロート版の森(Forest)
データベースGathererより引用

ワイアウッドの森(Wirewood Forest)は、カバノキが群生しているオタリア大陸南部を代表する森林地帯だ。

オンスロート・ブロックが初出。当時の公式記述でスカーク山脈と境を接していることが分かるためこの位置に確定である。

赤道近くの低緯度に位置するのにカバノキの森林があるのは奇妙な感覚だがドミナリアは魔法異世界なのでそういうものだと解釈するほかない(オタリア大陸が当初は南半球を想定してデザインされていたことによる歪みであろう)。

ダール平原

平地(Plains)

オンスロート版の平地(Plains)
データベースGathererより引用

ダール平原(Daru Plains)はオタリア大陸南端を占める草原地帯である。

オンスロート・ブロック初出当時の公式発行物でも南の平原と記されていたのだが、一部のファンの間には大陸北部に位置するとの解釈が根強く残っていた。カードセット「ドミナリア」期の公式Podcastにおいて、改めて位置が明確化された。

当時のダール平原は南部オーダーが支配していたが、北部オーダーに比べて貧しい組織だった。オンスロート・ブロックの各種カードおよび公式サイト記事、公式発行物によれば、南部オーダーはアクローマの同盟者となった。

ウルビオン

オンスロート・ブロック小説三部作では、ダール平原は一切言及がされていない。だが、小説Legionsにおいて、アクローマの同盟者となった近隣の長たちが登場する件が見出せる。

同盟者の長の中には、ウルビオンのルートラ王とナグロム女王(King Ruhtra and Queen Nagrom of Ulbion)がいた。2人は白髪で黒い肌6をしていた。アクローマから戦争が起こった際にはどのような支援をしてもらえるかとの旨の問いを受けて、ルートラ王は、我らの艦隊は東岸一帯の全ての港を開放して補給と輸送を担おう、と請け負った7

ウルビオン(Ulbion)が国名か都市名か、あるいはその位置は作中描写では判然としないが、オタリア大陸東岸のどこかを支配下に置き、艦隊と複数の港を保有していたことは確かだ。小説で唯一個人名が出るほどのアクローマの有力な同盟勢力であることを踏まえると、ウルビオンはダール平原の都市で、南部オーダーの一員かおそらく中核であった可能性がある。

ブレーカー湾

ブレーカー湾(Breaker Bay)は、オデッセイ・ブロック小説三部作の登場人物リル・ヴェザが総督として海の帝国から派遣されていた僻地である。

位置は本サイトの推定。オデッセイ・ブロック小説三部作の記述を見るに、帝国と陰謀団の主要交易路から外れた重要度の低い港湾であり、かつ南の辺境に隠遁した女帝ラワンがヴェザに接触して来たことから考えて、この位置の湾岸が妥当と判断した。

激浪諸島

激浪の研究室(Riptide Laboratory)

激浪の研究室(Riptide Laboratory)
データベースGathererより引用

激浪諸島(Riptide Islands)は、名称も位置も本サイトの独自設定である。

オンスロート・ブロックで海の帝国の女帝ラワンが推進した激浪計画(Riptide Project)が置かれた島はおそらく大陸南端の諸島に在ったと考えられる。カードセット「機械兵団の進軍」の次元カードで、「激浪島(Riptide Island)」という名称が新設されたので、本サイトでは南の島々を仮に「激浪諸島」と呼称することにした。

個人的な妄想だが、今までのドミナリアの命名パターンから考えて、オタリア南海はそのうち「激浪海(Riptide Sea)」と名付けられるのでは?サーペイディア大陸とカリマン諸島の間の海域がそう呼ばれ始めるのではないか?という予感がする。「激浪海」の荒波が「砕け波(ブレーカー)」となる湾とすると、名称的に噛み合いもいいのだが……。



大陸周辺の海域

アンバー

アンバー(Umber)は、オタリア大陸北東、極寒の海にある諸島地域である。

出典は小説The Prodigal Sorcererで、現代ドミナリア世界地図で位置が確定された。

タミンガジン地方に住むガラン・エルフ(Garan Elf)はアンバーか、あるいはより北の地方からの移民種族とされる。

小説Dark Legacyにおいて、暗黒時代にテリシア西部海岸の都市国家イウセット(Iwset)と闘争していた島国ジェヘシック(Jehesic)はアンバーの群島内に存在していた可能性が十分にある。あるいは、アンバーの3500年以上昔の姿がジェヘシックであったかもしれない。

アンバー海

アンバー海(Umber Sea)はアンバー周辺の海域。

小説The Prodigal Sorcererの前日談として、同じ作者Mark Sumnerによる短編Storm Winterが存在している。この作品はMTG自体よりも古い1990年発表であり、ウィザーズ社がMTG世界として公認した物語ではない。作者Mark Sumnerのオリジナルの創作世界であり、後にその設定を流用して小説The Prodigal Sorcererが制作されたことになる。

「Umber Sea」はこの前日談に登場する名称だ。

大海洋

大海洋(Great Ocean)は、オタリアの西海である。

出典はコミックThe Shadow Mageで、コロンドール大陸の東海の名称であった。こちらもカードセット「ドミナリア」期に再定義されて、オタリアの西全域の広い海域の名称となった。

ヴァーデンス

ヴァーデンス(Verdenth)はオタリアの西にある大きな島だ。

こちらも出典はコミックThe Shadow Mageだ。コロンドール大陸のヴァーデンス家の起源がこの島だと思われる。

カードセット「ドミナリア」期の公式Podcastで位置が明確化された。

アイルズメア海

アイルズメア海(Ilesmere Sea)は、オタリアの東海である。

出典は小説Dark Legacyで、テリシア地方の西の海の名称であった。カードセット「ドミナリア」期にオタリアとテリシアの間の海と再定義された。

オタリア・サーガ当時は、アイルズメアの海中は海の帝国が支配していた。AR4560年現在の状況は不明だ。

ラト=ナム

ラト=ナム(Lat-Nam)は、テリシア地方西南にある島々だ。

古くから魔術師の組織が存在している場所で、AR4560年現在にはトレイリアのアカデミーのキャンパスの1つがこの地にある。

初出はカードセット「アンティキティー」だ。

さいごに

今回はオタリア大陸の非公式地図を作製した。

次回はオタリア・サーガの検証記事の続きを投稿する予定だ。

では、今回はここまで。

  1. 世界地図に乗るほど大きくはない
  2. 原文は「dark-skined」
  3. 私の調査ではこの認識は誤りだ。「アカピストン」は作中で1回ではなく2回出て来ており、アカピスタンの方は3回(ただしそのうち1回は「Acapistani」と変形した表記)だ、と確認している
  4. 原文「Your reputation is known from the wastes above Skollten to the deserts of Acapiston」
  5. 原文は「Even when I was a small child far south in Cresino,」なので、「クレシノという地域のはるか南」という意味合いの可能性もある
  6. 原文は「white hair and black skin」で、ルートラ王は「old man」ともあるので、白髪は高齢が原因と思われる
  7. 原文「Our armada will keep all the eastern ports open to you for supply and transport.」