ファイレクシア完全なる統一:MTGアリーナの豆知識

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今回MTGアリーナで試合前にランダム表示される豆知識の中から、カードセット「ファイレクシア:完全なる統一」に関する内容を取り上げる。

豆知識には新ファイレクシアの現状に関する貴重な情報を見ることができる。

MTGアリーナの豆知識がどんなものかは以前に取り上げた記事(リンク)を参照のこと。

ニューカペナ:MTGアリーナの豆知識
マジック・ザ・ギャザリング(MTG)のカードセット「ニューカペナの街角」のストーリーや設定に関係した『MTGアリーナの豆知識』を収集してまとめた。

追記(2023年4月11日):「豆知識その1:新ファイレクシア次元9つの球層」に関して、3月中のMTGアリーナ更新で一部の奇妙な表記が修整されていたためその旨を加筆した。

ファイレクシア:完全なる統一の豆知識

カードセット「ファイレクシア:完全なる統一」の豆知識は全部で9種類のようだ(私が収集を始めてから、毎回豆知識は全10種類だったので今回は1つ少ない)。

豆知識の内訳は、新ファイレクシア次元の構造解説が1種類、新ファイレクシアの5派閥解説で5種類、ドミヌスの解説1種類、読解不能なファイレクシア語1種類、ミラディン人で1種類だ。

豆知識の収集方法の変更
今回から豆知識の収集が飛躍的に楽になった。メニュー画面のお知らせを開くだけで、全ての豆知識を確認できるようになったのだ。

前回までは対戦前の待機画面にランダムに表示される豆知識をひたすら根気よく収集するしかなかった。これがパッと閲覧できるので時間もかからず楽ちんである。

このMTGアリーナの仕様変更はカードセット「兄弟戦争」の途中で行われたものだ。(もう少し早く実装してくれたら前回も苦労しなかったのに……。)

ちなみにこの変更を親切に教えて下さった読者の方々には感謝申し上げる。言われなければ気付かなかったかもしれない。



豆知識その1:新ファイレクシア次元9つの球層

ファイレクシアの大地図(Phyrexian Atlas)

ファイレクシアの大地図(Phyrexian Atlas)
公式カードギャラリーより引用

The Nine Spheres of New Phyrexia are: The Monumental Facade, Mirrex, the Autonomous Furnace, the Hunter Maze, the Surgical Bay, the Dross Pits, the Fair Basilica, the Mycosynth Gardens, and the Seedcore.
新ファイレクシアは、記念ファサード、ミレックス、自(じ)律(りつ)焼(しょう)炉(ろ)、狩猟迷宮、外科区画、ドロス窟、美麗聖堂、マイコシンスの庭、そして種子中枢の9つの球層で構成されています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

現在の新ファイレクシア次元は、ファイレクシアンによって大改造され9つの球層から構成されている。これはかつての旧ファイレクシア次元の構造に倣ったものだ。

表層から最深部まで順番に、記念ファサード、ミレックス、自律焼炉、狩猟迷宮、外科区画、ドロス窟、美麗聖堂、マイコシンスの庭、種子中枢となっている。これらはそれぞれ、「球層」というサブタイプを持った土地カードとして収録されている。

公式和訳版では「自(じ)律(りつ)焼(しょう)炉(ろ)」とルビが中途半端に差し込まれるおかしな表記になっている。←2023年3月中のMTGアリーナの更新でこの奇妙なルビ表記は正常な「自律焼炉」へと修正された。

豆知識その2:白派閥とエリシュ・ノーン

機械の母、エリシュ・ノーン(Elesh Norn, Mother of Machines)

機械の母、エリシュ・ノーン(Elesh Norn, Mother of Machines)
公式カードギャラリーより引用

Elesh Norn leads the Machine Orthodoxy as The Mother of Machines. She aims to unity all living creatures and end needless conflict through phyresis.
エリシュ・ノーンは「機械の母」として機械正典を率いています。彼女が目指すのは、ファイレクシア化によってすべての生物を統合し、無用な争いを終わらせることです。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

新ファイレクシアの白の派閥「機械正典」と、代表者である法務官エリシュ・ノーンの解説だ。

派閥名は英語で「the Machine Orthodoxy」なので、普通に訳せば「機械正統派」とか「機械正教会」くらいになるだろう。公式定訳は「機械正典」と、組織でなく書物のように訳されている。奇妙な命名であるが、登場以来10年以上経っておりこれで定着してしまっている。受け入れるしかない用語だ。

もう1点。この文章中では「ファイレクシア化」と訳されている「phyresis」は、苦痛に満ちた過程を経てファイレクシアンに変化することを指して用いられる言葉であった。しかし現在は感染によって「phyresis」が発生できるように改良されたという設定変更があったため、伝染病と見做して「ファイレクシア病」と翻訳されることが多くなっている。「phyresis」は語源や歴史的変遷を振り返ると「ファイレクシア病」は到底相応しくない和訳である。だが公式はもうこれで通す方針だ。この不正確な訳語を私はいちヴォーソスとして呑むしかないと思っている。

豆知識その3:青派閥とジン=ギタクシアス

青の太陽の黄昏(Blue Sun's Twilight)

青の太陽の黄昏(Blue Sun’s Twilight)
公式カードギャラリーより引用

Jin-Gitaxias runs the Progress Engine and believes he is smartest of the praetors. His goal is to achieve total compleation by the most efficient means possible.
「発展の動力源」を運用するジン=ギタクシアスは、自分こそが法務官で最も知に優れていると信じています。彼が目指すのは、最も効率的な手段で完全なる完成化を達成することです。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

新ファイレクシアの青の派閥「発展の動力源」と、代表者である法務官ジン=ギタクシアスの解説だ。

豆知識その4:黒派閥とシェオルドレッド

黒の太陽の黄昏(Black Sun's Twilight)

黒の太陽の黄昏(Black Sun’s Twilight)
公式カードギャラリーより引用

Sheoldred is the tenuous leader of the Seven Steel Thanes. The Thanes rose from the swamp of Mirrodin’s black sun and see themselves as direct heirs of Yawgmoth’s Old Phyrexia.
シェオルドレッドは、危ういながらも「七人の鋼の族長」の現リーダーです。ミラディンの黒の太陽の沼から生まれ出た族長たちは、それぞれが自らのことをヨーグモスの旧ファイレクシアの後継者であると考えています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

新ファイレクシアの黒の派閥「七人の鋼の族長」と、代表者である法務官シェオルドレッドの解説だ。



豆知識その5:赤派閥とウラブラスク

赤の太陽の黄昏(Red Sun's Twilight)

赤の太陽の黄昏(Red Sun’s Twilight)
公式カードギャラリーより引用

Urabrask oversees the Quiet Furnace with a blazing hot temper. He has closed off the Furnace Layer to the other factions, and even leaves the Mirran Resistance alone.
燃えるような気性を持つウラブラスクは、「静かなる焼炉」を監督しています。彼は焼炉層を他の派閥から閉ざし、ミラディン人のレジスタンスすらも放置しています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

新ファイレクシアの赤の派閥「静かなる焼炉」と、代表者である法務官ウラブラスクの解説だ。

公式和訳版では「焼炉層」と訳されてしまっている「the Furnace Layer」は、正しくは「溶鉱炉階層」が現在の定訳である(「焼炉層」は旧訳)。この「溶鉱炉階層」は新ファイレクシア次元第三球層「自律焼炉」の別名である。

豆知識その6:緑派閥とヴォリンクレックス

緑の太陽の黄昏(Green Sun's Twilight)

緑の太陽の黄昏(Green Sun’s Twilight)
公式カードギャラリーより引用

Vorinclex rules the Vicious Swarm as its apex predetor, but delegates most of his responsibilities to the compleated elf Glissa.
ヴォリンクレックスは頂点捕食者として「悪意の大群」を支配していますが、統治に関することは完成化されたエルフのグリッサに任せています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

新ファイレクシアの緑の派閥「悪意の大群」と、代表者である法務官ヴォリンクレックスの解説だ。

豆知識その7:ドミヌス

栄光のドミヌス、モンドラク(Mondrak, Glory Dominus)

栄光のドミヌス、モンドラク(Mondrak, Glory Dominus)
公式カードギャラリーより引用

The Domini are mysterious, cosmic beings that became sentient as the Phyrexians compleated the terrain of Mirrodin itself.
「ドミニ」は、ファイレクシア人がミラディンの大地そのものを完成化させたときに知覚されるようになった、謎多き宇宙的存在です。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

公式和訳版がおかしな翻訳をしているために意味が正しく伝わらなくなっている。

まず「ドミニ」と訳されてしまっている「The Domini」とは、「ドミヌス(Dominus)」の複数形だ。

次に「知覚されるようになった」の部分は何を言いたいのかぼやけてしまって意味不明になっている。これは本来は「(完成化した大地が)意識を持った(存在)」くらいの意味合いとなる。

ドミヌスたちは、ファイレクシアンがミラディンの大地を完成化した際に意識に目覚めた、謎多き宇宙的存在です。

翻訳し直すならこんな感じになるだろう。

今回初登場となった新ファイレクシアの5種類のドミヌスは、次元自体が完成化される過程で「生」と「死」と「無生物の物体」の境界が曖昧になったことで、次元の一部が意識を持って動きだした神のごときクリーチャーなのだ。

豆知識その8:ファイレクシア語

ファイレクシア:完全なる統一豆知識(ファイレクシア語)

今回も前回に引き続き1パターンだけ読解不能なファイレクシア語表記の豆知識が含まれている。私にはお手上げなので、有志による解読報告を待ちたい。

豆知識その9:ミラディン人とコス

レジスタンスの火、コス(Koth, Fire of Resistance)

レジスタンスの火、コス(Koth, Fire of Resistance)
公式カードギャラリーより引用

The Mirrans inhabited Mirrodin prior to the Phyrexians’ arrival. Most have been wiped out, but the rest fight for their future under the strong leadership of the Vulshok Planeswalker Koth.
ファイレクシア人が到来する以前、ミラディンにはミラディン人が住んでいました。ミラディン人は全滅の危機に瀕していますが、生き残った者はヴァルショクのプレインズウォーカー、コスの強力なリーダーシップのもとで未来のために戦っています。
引用:上が英語原文、下が公式和訳版

ミラディン人の生き残りと、有力なリーダーの1人であるプレインズウォーカー、コスの解説だ。



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