眠りの秘薬(Sleeping Potion)はカードセット「プレーンシフト」収録のエンチャント・カードである。
今朝は来月発売の新カードセット「ニューカペナの街角」先行情報が発表され、5つのファミリーの和名がファン界隈の話題となっている。また、本サイトではこのところファイレクシアの沿革を掘り起こしている最中である。
注目の話題。やりかけのこと。色々あるのだが……。
新情報の興奮やら資料調査の考察やら日常生活やらで、ちょっと疲れてしまった。だから、今日は流れを無視して軽いネタを書いてみることにした。
眠りの秘薬の解説
眠りの秘薬(Sleeping Potion)はエンチャント・オーラのカードである。これがつけられたクリーチャーはタップされ、これがついている限りアンタップ・ステップにアンタップできなくなってしまう。ただし、そのクリーチャーが呪文や能力の対象になると眠りの秘薬は生け贄に捧げなければならない。
このメカニズムは「眠りの秘薬」をよく表現している。
まず、エンチャントされた時点でタップされる機能は「秘薬を飲んで眠りに落ちた」状況である。そして、アンタップできない機能は「秘薬の効果でずっと眠っている」状態を表すものだ。そして、最後に対象になると眠りの秘薬が外れる機能は「何かのショックで眠りから目覚めた」つまり「秘薬の効果が切れた」ことを示している。
21年前のカードながらもスマートな実装だ。私はこの手の「巧い」カードを眺めるのが大好きだ。
眠りの秘薬のイラスト
このカードのイラストではミノタウルスが秘薬を飲んで、テーブルに突っ伏して寝入ってしまっている。もしかしたら後ろのフードの人物が一服盛った犯人なのかも?
このミノタウルスはターンガース?
このカードの登場から少し経った頃、公式サイトでほんのちょっと取り上げられたことがあった。
イラストのミノタウルスは「ウェザーライト号のターンガース(Tahngarth)」なのか?それとも別人なのか?
公式記事Magic Storyline & Environment FAQでのことだ。ターンガースの容姿に関する質問の中で、質問者は眠りの秘薬のイラストがターンガースだという前提で話していたのだ。
ところがウィザーズからの回答は、このミノタウルスはターンガースではなく彼と同族のタールルーム・ミノタウルス(Talruum Minotaur)だ、というものだった。つまりこっちのミノタウルスは無名のモブだったのだ。
それにカードセット「プレーンシフト」時点では、ターンガースは一般的なタールルーム族とはかけ離れた姿に変容してしまっている。ラース次元で虜囚となった際にファイレクシアの突然変異ビームで改造されてしまったのだ。だから、眠りの秘薬のイラストはターンガースではありえない。
変貌したターンガース
改造後の姿のカード化であるタールルームの勇士ターンガース(Tahngarth, Talruum Hero)を見ると、白と茶色の斑になった体毛(体色)、変形して上方に突出した頭部、下向きに反り返った角など、別人のように変わってしまったのが確認できる。
他人からハンサムだと言われ、人一倍自尊心の高かったターンガースのような人物には、この改造された姿は忌まわしく呪われた不名誉の証であった。こうして改造後の外見コンプレックスに苛まれていたが、カードセット「プレーンシフト」のストーリー内でターンガースは自身の気高い行いによって名誉と自尊心を取り戻した。外見の醜悪さで彼の在り方が揺らぐことはもうない。
それに引き換え眠りの秘薬のイラストだ。ファイレクシア侵略戦争中で故郷ドミナリアの危機だというのに、このタールルームの同族は秘薬を盛られてだらしなく眠りこけている。
タールルームの勇士ターンガースよ、一発気合を入れて目を覚まさせてやれ!お前の持つ疑似格闘能力で小突いてやれば眠りの秘薬が外れるはずだ(そいつが4点のダメージに耐えられるかは分からんけれど)。
こんなところで軽いネタの今回はここまで。