流城の血泥棒(Stromkirk Bloodthief)こと「ストロムカークの血泥棒」はカードセット「イニストラード:真夜中の狩り」に収録されるクリーチャー・カードである。
昨晩、次の最新カードセット「イニストラード:真紅の契り」の情報が公開され始めたことで、このカードがどういった意味合いの吸血鬼なのかはっきりと見えてきた。
今回はストロムカーク家の血泥棒を読み解いていく。
※ 「イニストラード:真紅の契り」の情報公開を受けて書き殴った記事だ。取りあえずこの暫定状態で公開する。
ストロムカークの血泥棒の解説
With House Voldaren ascendant, some members of the Stromkirk line took it upon themselves to “borrow” from the blood tithes.
ヴォルダーレン家が隆盛であるため、流城の血統の者の中には税血を「借りる」役割を買って出るものがいた。
引用:流城の血泥棒(Stromkirk Bloodthief)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
流城の血泥棒(Stromkirk Bloodthief)はイニストラード次元の吸血鬼の泥棒である。
カード名の「流城」は悪名高い和訳であり、設定的には吸血鬼の四大血統の「ストロムカーク家」を表している。つまり、この吸血鬼は「ストロムカークの血泥棒」と呼ばれるべきカードなのだ。
ストロムカーク家とは別の四大血統にヴォルダーレン家があるが、ここ最近のヴォルダーレンは勢いづいており人間から「税血(blood tithes)」と呼ばれる血液を徴収し始めた。しかし、このストロムカーク家の血泥棒はそれを快く思っておらず、盗んで他の吸血鬼仲間に横流ししているようである。
ストロムカークの血泥棒のフレイバー・テキスト
With House Voldaren ascendant, some members of the Stromkirk line took it upon themselves to “borrow” from the blood tithes.
ヴォルダーレン家が隆盛であるため、流城の血統の者の中には税血を「借りる」役割を買って出るものがいた。
ヴォルダーレン家の隆盛
「ヴォルダーレン家が隆盛である」とのことだが、その理由は「真夜中の狩り」時点では判明していなかった。「真紅の契り」のプレビュー期間が始まって、事情がはっきりした。
ヴォルダーレン家の始祖、オリヴィア・ヴォルダーレン(Olivia Voldaren)はマルコフ家の始祖エドガー・マルコフ(Edgar Markov)と結婚することで、イニストラード最高の権力を握ろうと画策していたのだ。
オリヴィアの結婚式にはあらゆる血統の者が招待されているようで、式を前にしてヴォルダーレンの勢いは止まるところを知らない。そういった事情があったのだ。
ヴォルダーレンとマルコフの統一など、同じ四大血統の一角としてストロムカーク家はまったく面白くはないはずだ。
税血とは?
「税血」も「真夜中の狩り」時点ではよく分からない用語だった。新しい税なのか、それとも既存のものか?
「真紅の契り」のストーリー短編連載の第1話Tithes and Invitationsでこれの正体が明らかになった。
オリヴィア・ヴォルダーレンは婚礼を前に人間たちに臨時の税を課したのである。住人1人につき器1つを満たす血液を、祝祭まで毎晩納めること。これが「税血」である。
「借りる」役割とは?
この和訳の「「借りる」役割を買って出るものがいた。」という文章も内容がはっきりしないものだった。ただし、その原因は税血などと違って日本語の言葉選びにあった。
このカードは名前が「血泥棒」なので「借りる」とは「盗む」の言い換え仄めかしなのだ。ちょっと考えれば分かることだが、それならここは「借りる」より「拝借」とか「失敬」とかの、フレイバー・テキストを読んだだけですぐ「盗む」を連想しやすい言葉にして欲しかった。
役目を買って出るなんていうものだから、落ち目のストロムカークは税を払うのが苦しくて、いやいやながらも隆盛するヴォルダーレン家に借りに赴いている、私にはそんな風にも思えてしまったのだ。
フレイバー・テキストを訳し直した
ヴォルダーレン家が隆盛する中、ストロムカークの血統には税血からの「拝借」をあえてやり始める者がいた。
自分好みの言い回しに訳し直してみた。