カード紹介:トルステン・フォン・ウルサス

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トルステン・フォン・ウルサス(Torsten Von Ursus)カードセット「レジェンド」収録の伝説のクリーチャー・カードである。

トルステン・フォン・ウルサスの解説

“How can you accuse me of evil? Though these deeds be unsavory, no one will argue: good shall follow from them.”
「どうして私を悪だと責められようか?こうした行いは道徳的に芳しくないものだが、善とは行いの結果によるものだ、それに異を唱える者はいまい。」
引用:トルステン・フォン・ウルサス(Torsten Von Ursus)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が私家訳

トルステン・フォン・ウルサス(Torsten Von Ursus)

データベースGathererより引用

トルステン・フォン・ウルサス(Torsten Von Ursus)はドミナリア次元の屈指の大国ベナリア(Benalia)の開祖である。人間男性。AR36-37世紀頃の人物1

ドメインズ地方エローナ大陸北東のレンナ(Wrenna)出身で、レンナの都市ジェンゲス(Jenges)の伝説的騎士団に所属する偉大な戦士であった。騎士団を離れた後、ハールーン・ミノタウルスの下で哲学を収め、エローナ大陸を西へと横断したベンフォサ(Benfosa)の地に新国家ベナリアを築き上げた。(トルステンの生涯については次の項で詳述する。)

トルステンはベナリアの建国と発展において時折、残忍な戦術を駆使した。そうすることで、国家全体がトルステンの意志の強さと、彼の天性のリーダーとしての野蛮なカリスマに従うようになった。この野蛮なカリスマ指導者という性格付けは、カードのフレイバー・テキストを反映させたものだろう。



トルステン・フォン・ウルサスとベナリアの建国

トルステンの軌跡
出身国レンナのジェンゲスからハールーン山脈を経てベンフォサまで
現代ドミナリア地図より抜粋引用

トルステン・フォン・ウルサスの生涯とベナリアが建国されるまでの歴史の流れを解説する。

ジェンゲス騎士トルステンは、ある悪辣なる魔導師2がレンナの王座に就いた際に騎士団を離れ、レンナの南西へと旅立った。ハールーン山脈(Hurloon Mountains)の麓でしばらく過ごしていたが、ある時、捕縛されたハールーン・ミノタウルスから彼らについて学ぶ機会を得た。トルステンは、ミノタウルスが(当時考えられていたような)ただの野蛮な獣ではなくそれ以上の存在だと信じ、ミノタウルスの住まう恐ろしい山脈へと踏み入り、彼らの下で幾年か3ミノタウルス哲学を研究した。

その後、トルステンはハールーンを離れてさらに旅を続け、荒廃した都市ベンフォサ(Benfosa)に辿り着いた。トルステンは、ここベンフォサこそが修得した英知と社会哲学を活かせる土地であると悟り、人生を賭した仕事として理想国家の建設に打ち込むことを決意する。トルステンはベンフォサを「熱望(aspiration)」を意味する「ベナリア」に改名した。

ベンフォサはかつて栄華を誇り滅亡したシオールタン帝国(Sheoltun Empire)の首都であった。トルステンは手始めに偉大な馬文明4から土地の支配権を奪って、シオールタン帝国廃墟の住人を奮い立たせ新国家ベナリアの建設へと導いた。ベナリアの規模と力は瞬く間に拡大し、かつてのシオールタン帝国に匹敵するものとなった。

トルステン・フォン・ウルサスは大望をほとんど成し遂げ、72歳で人生の幕を閉じた。トルステンは伝説の「失われし布告(Lost Edict)」を遺し、7人の副官とそれぞれの一族にベナリアを託した。

以上がトルステン・フォン・ウルサスの生涯であり、AR4560年現在まで連綿と続く大国ベナリアの建国史である。

トルステン・フォン・ウルサスのクリーチャー・タイプ

2007年に大規模なクリーチャー・タイプの見直しが行われ、その際にトルステン・フォン・ウルサスのクリーチャー・タイプは「人間・兵士」となった。

しかし、ジェンゲス騎士団の偉大なる戦士という経歴を考慮するなら「兵士」でなく「騎士」がふさわしい。

過去カードのクリーチャー・タイプの見直しはまれに行われている。2020年でもカードセット「レジェンド」の同期であるレディ・カレリア(Lady Caleria)が「人間」から「エルフ」に修正され例がある。トルステンが「人間・騎士」になることを願う。



トルステン・フォン・ウルサスのストーリー

トルステン・フォン・ウルサス本人の物語は、カードセット「ミラージュ」当時(1996年)の公式サイトの記事「Encylopedia Dominia」において、語られたものである。トルステンの生涯やベナリアの建国史はほとんどこの記事に書かれている。(リンク1リンク2

それから20余年経ち、2018年発行の「The Art of Magic: The Gathering – Dominaria」でもトルステンについて触れられているが、内容は「Encylopedia Dominia」に準じたものである。

小説作品にトルステン本人は登場していないものの彼にまつわる内容はいくつか確認できる。次の通りだ。

クレイトン・エマリィ!

クレイトン・エマリィの作品ではよくあることだが、登場人物が感嘆や罵りの場面や単に言葉の調子を揃えるために固有名詞を口にする。小説Shattered Chainsでは、「トルステンとラグナーとジャック・ル・ヴェールと10余りの戦神(Torsten and Ragnar and Jaques le Vert and a dozen gods of war)」の名が戦いの鬨の声として叫ばれている。ラグナーとジャック・ル・ヴェールもカードセット「レジェンド」に収録されている伝説のクリーチャー・カードである。彼らの名前がAR4074年のドメインズに伝わっているという事実以外に、これらの言葉に特に意味はない。

受け継がれる名前

短編集Rath and Storm収録の短編Gerrard’s Taleには、ベナリア人の「トルステン(Torsten)」が登場する。このトルステンは、当時ベナリアの武芸の達人であったジェラード・キャパシェンが教える生徒の1人であった。この少年は開祖の偉人トルステン・フォン・ウルサスにあやかって名付けられたのだろう。歴史の重みを感じる憎い演出だ。

おまけ:ドミナリア近代のジェンゲス騎士団

最後におまけ。トルステンの出身地レンナと伝説の騎士団のその後について語って今回は終わりにする。

黒騎士(Black Knight)

黒騎士(Black Knight)
データベースGathererより引用

トルステン・フォン・ウルサスが所属したジェンゲスの伝説的騎士団は、後世のAR41世紀には「ジェンゲス黒騎士団(Black Knights of Jenges)」として知られている。ジェンゲス黒騎士団は適正な報酬を払う魔術師に仕える傭兵として活動していた。また、この時代のレンナは荒廃した国で腐敗の冷たい抱擁に屈しつつあった。

伝説の騎士団が傭兵隊に落ちぶれている。おそらくトルステンが離れた以降にこの国と騎士団は腐敗していったのであろう。

ちなみに、ドミナリア近代のジェンゲスとレンナの情報は小説Shattered Chainsと、ドメインズ地図付属カレンダーの解説で語られている。レンナとジェンゲスと騎士団の初出が小説Shattered Chainsなので、それより後に発表されたトルステンの生涯は小説の設定を後付けで拡張したものと思われる。

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  1. The Art of Magic: The Gathering – Dominariaによるとシオールタン帝国の衰退がAR3500年頃である。そこからの推定
  2. 原文は「a terrible mage」
  3. 原文は「for several years」なので3-5年程度か
  4. 原文は「the great horse Civilization」である。騎馬民族の文明だろうか?言及はこの語句だけで詳細は不明