先日、来年2021年の製品情報が発表された。来年の最初に発売される新カードセットが「カルドハイム」である。
カードセット「カルドハイム」
公式記事『ゼンディカーの夜明け』公開と公式発表まとめによると、カルドハイムは「バイキングから発想を得た世界(a world inspired by Vikings)」と紹介されている。
ちなみに、カルドハイム(Kaldheim)という名称は北欧系の言葉で「kald(寒さ)」+「heim(家・故郷)」で「寒冷な故国」くらいの意味合いを持っている。
バイキングといえば、蛮族戦士やロングシップに乗った海賊のイメージが連想できる。北欧神話モチーフの世界や神話、怪物なども期待できそうだ。それに、寒冷な地方ならばMTGでも古株メカニズムの「氷雪」を活用した新カードが登場するかもしれない。
来年を予想するためカルドハイムという次元はどんな次元か情報を収集した。
カルドハイム次元
カルドハイム(Kaldheim)は実は既出の次元だが、登場から早11年経ったものの、ほとんど情報がないマイナー次元の1つである。
初出は2009年の特殊カードセット「プレーンチェイス」の次元カード「スカイブリーン(Skybreen)」である。記事The Planes of Planechaseによれば、猛吹雪と極寒の山地帯スカイブリーンがあり野蛮な蛮族(バーバリアン)の種族が住んでいる。
2度目の登場は2013年のPCゲーム「マジック2014-デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ」だ。カルドハイムはチャンドラ(Chandra)と敵役プレインズウォーカーのラマーズ(Ramaz)との最後の決戦場となった。
3度目は、2018年のイクサラン・ブロックのストーリー1でカルドハイムが登場。ただし、ほんの一瞬、寒冷で吹雪く山脈の情景を垣間見せただけで、アングラス(Angrath)がファートリ(Huatli)にカルドハイムだと教えた。
以上、登場から11年間のカルドハイム次元に関する情報の全てである。
カルドハイムがどんな次元になるのか少ない情報から妄想するしかないようだ。来年が楽しみである。
おまけ:プレインチェイスで登場した次元
カルドハイムは1枚の次元カードから、カードセットの舞台次元にまで大出世した。その他の次元カードではどうだろうか?次元カードから躍進できた次元は他にあるのだろうか確かめてみよう。
カードセットの舞台として採用された次元1つと、検討されたが不採用になった次元2つを紹介する。
ヴリン
ヴリン(Vryn)は次元カードが初出だが、後にプレインズウォーカーのジェイス(Jace)の故郷と設定され、カードセット「マジック・オリジン」の舞台の1つになった。
次元カードから主要キャラクターの出身地になり、カードセットの舞台にもなった。ヴリンもカルドハイム同様の大出世である。ただし、マジック・オリジンの舞台は単一の次元でなく、合計10もの次元に渡っていたので、その面ではカルドハイムに一歩及ばない。
検討されたが不採用になった次元もある。
アーコス
アーコス(Arkhos)は昼と夜が入り交じって同居する世界である。
ギリシア風カードセットの舞台としてアーコスの利用が検討されたが、最終的に新規にテーロス次元がデザインされた。
残念ながらアーコスは不採用組である。テーロス次元では夜空に神々の世界ニクスが星座の姿で浮かび上がるが、もしアーコスの方が採用されていたら、星座の夜空と昼の陽光が交じり合ったより幻想的な世界になっていたかもしれない。
モンセン
モンセン(Mongseng)は戦いに明け暮れる大将軍たちがいる世界だ。
モンセンはプレインズウォーカーのサルカン・ヴォル(Sarkhan Vol)の故郷として、中央アジア風カードセットの舞台とすることが検討されたものの、その案は破棄されて新規次元のタルキールがデザインされた。
モンセンも不採用組だ。モンセン覇王譚やモンセン龍紀伝にはならなかったのだ。
最後に
マイナー次元がメジャーになる機会が出てくるとは10年前には全く想像もしていなかった。カルドハイムとヴリンはチャンスを掴んだが、アーコスとモンセンは好機に恵まれなかった。再来年には今度は別の次元カードがカードセットの舞台次元に選ばれるかもしれない。ワクワクする。
ではまた。
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