信仰の守り手(Keepers of the Faith)はカードセット「レジェンド」収録のクリーチャー・カードである。
信仰の守り手の解説
And then the Archangel Anthius spoke to them, saying, “Fear shall be vanquished by the Sword of Faith.”
そして大天使アンシアスは一同に語りかけた。「恐怖は信仰の剣によりて打ち破られよう」と。
引用:信仰の守り手(Keepers of the Faith)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
信仰の守り手(Keepers of the Faith)は大天使アンシアス(Archangel Anthius)を崇拝する宗教団である。
AR34-35世紀頃、ジャムーラ西南地方パルミラ(Palmyra)で信仰の守り手の活動が確認できる。白いローブ姿の信仰の守り手たちは、大天使アンシアスが降り立ち罪深き者の巣であるパルミラに天罰を与えることを待ち望んでいた(パルミラには盗賊や海賊、社会のはぐれ者も集まる)。信仰の守り手はパルミラから追い出されても、天の思し召しだとして再び戻ってくる。
信仰の守り手の僧侶は、ティラスの暴君にして北部地域の皇帝ヨハン(Johan)の侵略に際して南部の都市同盟側についた。負傷者に対して魔法や薬草の飲み薬を用いて治療をし、神殿で大天使アンシアスに回復祈願の奉納を行い、あるいは、戦場で瀕死の者や負傷者を荷車で運んでいくという描写もあった。
信仰の守り手のストーリー
信仰の守り手はレジェンドサイクル1三部作の小説Johan、小説Jedit、小説Hazezonに登場している。確認できた限りでは、信仰の守り手に関する記述は1作目が一番多く(といっても端役なので文量は少ない)、大天使アンシアスの言及もここにある。2作目ではパルミラに集まる群衆の描写で2回だけ、3作目に至っては名称が1回出てくるのみとなっている。
クレイトン・エマリィ!
小説Jeditでの信仰の守り手を含むパルミラの群衆の描写は2回確認できるが、その面子は似通っている。
1回目の群衆
「黒い顎髭を蓄えた遊牧民、けばけばしい海賊、ヤーコイとエネツの兵隊、ふくよかなブライスの商人、黒ローブをまとったナイフにも似た細身の砂漠エルフ、信仰の守り手、赤い口紅の娼婦、象使い、幻視のレプラコーン(Aisling leprechauns)、泡立つ大ジョッキを握った勇猛なドワーフ」
2回目の群衆
「黒い顎髭を蓄えた遊牧民、眠たげな蛮人、茶色の服を着たレプラコーン、ガチョウ番の少女、謹厳な信仰の守り手、赤い三日月文様付きの黄色い上っ張りを着たパルミラの衛兵、黒い肌の運送業者、鷲鼻の砂漠エルフ、誇りまみれのドワーフなどなど」
省略せずにずらずらっと並べて、まるで字数稼ぎのように繰り返すのがクレイトン・エマリィらしい作風だなとしみじみ感じる。
おまけ:信仰の守り手とセラ信仰
個人的な仮説として、信仰の守り手はセラ信仰の一形態ではないか、と考えたことがある。
- カードセット「ドミナリア」期の設定は既存ソースを総ざらいして有機的に複合したものである。
- カードセット「ドミナリア」期に、セラ教会の「美徳の守り手(Keepers of Virture)」教団が設定された。
- セラの美徳は、小説Time Streamsでたった1回だけ言及されたもの。美徳の守り手はこの美徳を基にしている。
- 小説Jeditでは、大天使アンシアスを崇拝するジャムーラの「信仰の守り手(Keepers of the Faith)」が描かれた。
- カードセット「オデッセイ」ではオタリア大陸の「美徳の巡礼者(Pilgrim of Virtue)」が収録されている。オタリアの祖神信仰はセラ信仰と融合した。
1-5を踏まえた仮説:「信仰の守り手(Keepers of the Faith)」と「美徳の巡礼者(Pilgrim of Virtue)」も「美徳の守り手(Keepers of Virture)」教団設定を生み出したパーツではないのか?細かい情報を拾って組み合わせるドミナリアのスタッフならやりそうな仕事だ。
この件に関して、イーサン・フライシャーとケリー・ディグズの回答を頂いた。それによると、確かにもっともらしい。美徳の巡礼者は祖神信仰者がセラ派の難民から直接影響を受けた証拠がある。だが、信仰の守り手は(セラ信仰に限らず)いかなる信仰でもあり得る。とのこと(出典)。
可能性としてはあり得るが、信仰の守り手がセラ信仰者だと決まっていたわけではなかった。つまり、私の考えすぎであった。
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