アルケミー:ニューカペナの街角の青カード

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MTGアリーナ限定のカードセット「アルケミー:ニューカペナの街角」が実装された。カードセット「ニューカペナの街角」と世界設定を同じくしたセットであり、新規カードはニューカペナ次元のものとなっている。

デジタル限定セットのためか、ウィザーズ社公式のカードギャラリー(リンク)には英語版テキストの画像しかなく、和訳版のカード名やフレイバー・テキストの有無すらも確認できない。MTGアリーナを調べない限り知ることができないのだ。

だから、本サイトでは「アルケミー:ニューカペナの街角」の各種カードの和訳カード名とフレイバー・テキストを記事としてまとめて記録に残すことにした。また、各カードには背景世界的な分析やコメントも加えている。

第2回目となる今回は「アルケミー:ニューカペナの街角」の青単色カードを取り上げる。

※ MTGアリーナ限定のアルケミーのカードは、紙として印刷された通常のカードとは違い、後々バランス調整の名目でデータが修整される可能性がある。したがって、この記事の記述は執筆時点の情報に基づいている点に注意されたい。

アルケミー:ニューカペナの街角の青カード

カードセット「アルケミー:ニューカペナの街角」には、青単色のカードはアンコモンに2種類、レアに1種類が収録されている。

この内、レアには嬉しいことにフレイバー・テキストが付いている(実は「アルケミー:ニューカペナの街角」でフレイバー・テキスト付きのカードは全5種類しかない)。



アンコモン

アンコモンは以下の2種である。

運命の選択

運命の選択(Choice of Fortunes)

運命の選択(Choice of Fortunes)
公式カードギャラリーより引用

運命の選択(Choice of Fortunes)はデジタルらしいカード機能を持たされたカードだ。

まずライブラリーの中から無作為に選んだ2枚のカードが抽出される。それをそのまま手札に入れるか、ライブラリーに戻して切り直し、もう1度カード2枚を抽出することを選べる。「抽出」は普通にカードを引くこととは違い、ライブラリーの並び順を変えずに、中からカードを無作為に選んで持ってくるメカニズムであり、デジタルでないと上手く処理が出来ないものだ。

またこのカードを使うと、カード2枚の抽出だけでなく、ゲーム中の手札枚数に上限が無くなるというボーナスもある。

一方イラストでは、ミステリアスな女性がテーブルの上の2つの品物を指し示している。ケースに入った管楽器に似た装置か、布が欠けられた四角い箱のようなものか、どちらを選ぶか?判断を委ねられた場面のようだ。この選択が今後の運命を決めるのだ。

ナイトクラブの用心棒

ナイトクラブの用心棒(Nightclub Bouncer)

ナイトクラブの用心棒(Nightclub Bouncer)
公式カードギャラリーより引用

ナイトクラブの用心棒(Nightclub Bouncer)はその名前の通り、ギャングやマフィアの次元であるニューカペナらしいカードだ。

「ナイトクラブ(Nightclub)」とは、娯楽や飲食、音楽、ダンスなどを提供する夜の店のことだ。このカードはそこの「用心棒・バウンサー(Bouncer)」を務めている。

イラストではピシッとしたスーツ姿の女性用心棒が、マシンガンに似た魔法装置を発射している場面である。もしこの用心棒がどこかの一家所属だったとしても、イラストからは判別できない。青に関連した3つの一家、斡旋屋・常夜会・貴顕廊のどこでも問題なくハマるだろうし、無所属のフリーランスであってもおかしくはないだろう。

ナイトクラブの用心棒(Nightclub Bouncer)一部拡大図

カードのメカニズムはというと、このカードが戦場に出た時に対戦相手のコントロールする土地ではないパーマネントを手札に戻す機能がある。しかも、その戻されたパーマネントには唱える時に1マナ余計にかかるというペナルティが永久的に付加されてしまう。

このメカニズムからは、用心棒がナイトクラブから厄介者を追っ払い、再び近づいて来ないように目を光らせている。または、厄介者が警戒して店に近付こうとしなくなった。そんな雰囲気が感じられる。

また、「bounce」には「跳ね返る」という意味があるため、「パーマネントを手札に戻す」ことをMTGでは俗に「バウンス(Bounce)」と呼びならわしている。

したがって、ナイトクラブの用心棒はバウンス機能を持つカードという意味合いの「バウンサー」であり、かつ、用心棒という意味の「バウンサー」でもある、その両方の含みを持たされた洒落の利いたカードなのだ。

夜の棍棒使い(Night Clubber)

夜の棍棒使い(Night Clubber)
データベースGathererより引用

さて、カードセット「ニューカペナの街角」には、このカードとある意味で通じるカードがある。それが「夜の棍棒使い(Night Clubber)」である。

夜の棍棒使いは土建組一家所属の人間戦士である。イラストでは、夜の街角で棘の生えた棍棒を構え、髭の人物に躍りかかっている。

この荒っぽい戦士がナイトクラブの用心棒とどういう繋がりがあるかというと、その秘密はカード名にある。

カード名は原語では「Night Clubber」となっており、これは「ナイトクラブに通う人」「夜遊びをする人」くらいの意味合いで用いられる言葉だ。その一方で「club」には「棍棒」の意味合いもあり、「clubber」なら「棍棒使い」となる。

つまり、このカードは「ナイトクラブに通う人」と思わせて、実際は「夜の棍棒使い」だった、というダブルミーニングの冗談だったのだ。

このように、ナイトクラブの用心棒も夜の棍棒使いも、英語では言葉に二重の意味を含ませた洒落となってる。和訳版ではその洒落が抜け落ちてしまっているものの、これを日本語に上手く落とし込むのは至難の技であろう。



レア

レアは以下の1種のみだが、フレイバー・テキストが付いている。

ラフィーンの代理人

No backroom deal is ever truly secure.
真に安全な裏取引というものはない。
引用:ラフィーンの代理人(Agent of Raffine)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ラフィーンの代理人(Agent of Raffine)

ラフィーンの代理人(Agent of Raffine)
公式カードギャラリーより引用

ラフィーンの代理人(Agent of Raffine)は常夜会一家所属の人間エージェントだ。常夜会一家のボス、ラフィーンの直属の構成員なのだろう。

クリーチャー・タイプは「ならず者」であるが、イラストは宙に投影された青い映像を観察し分析する人物が描かれていて、魔術師的な雰囲気を漂わせている。

フレイバー・テキストによれば、これらの映像は裏取引の現場のようだ。ラフィーンの代理人は隠しカメラ的な映像記録をもとにして裏取引の分析や諜報活動を行っているのかもしれない。

カードのメカニズムとしては、対戦相手のライブラリーの一番上のカードと同じカードを複製して手札に創出することができる。そのカードを唱える時にマナの色を気にしなくて済む特典付きだ。その上、複製した元のカードは裏向きで追放してしまうので、対戦相手にどのカードが複製されて取り除かれたのか知られることはない。

情報収集と分析、そして魔法的な占いを得意とする常夜会一家らしいカードである。

さいごに

これでカードセット「アルケミー:ニューカペナの街角」における青単色のカードを紹介し終えた。次回は色の順番通りに黒カードである。

では今回はここまで。

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