アルケミー:ニューカペナの街角の赤カード

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MTGアリーナ限定のカードセット「アルケミー:ニューカペナの街角」が実装された。カードセット「ニューカペナの街角」と世界設定を同じくしたセットであり、新規カードはニューカペナ次元のものとなっている。

デジタル限定セットのためか、ウィザーズ社公式のカードギャラリー(リンク)には英語版テキストの画像しかなく、和訳版のカード名やフレイバー・テキストの有無すらも確認できない。MTGアリーナを調べない限り知ることができないのだ。

だから、本サイトでは「アルケミー:ニューカペナの街角」の各種カードの和訳カード名とフレイバー・テキストを記事としてまとめて記録に残すことにした。また、各カードには背景世界的な分析やコメントも加えている。

第4回目となる今回は「アルケミー:ニューカペナの街角」の赤単色カードを取り上げる。

※ MTGアリーナ限定のアルケミーのカードは、紙として印刷された通常のカードとは違い、後々バランス調整の名目でデータが修整される可能性がある。したがって、この記事の記述は執筆時点の情報に基づいている点に注意されたい。

アルケミー:ニューカペナの街角の赤カード

カードセット「アルケミー:ニューカペナの街角」には、赤単色のカードはアンコモンに2種類、レアに1種類が収録されている。

残念ながら、赤のカードも白の時と同じくフレイバー・テキスト付きのカードは1枚も無い。



アンコモン

アンコモンは以下の2種である。

大口購入者

大口購入者(Big Spender)

大口購入者(Big Spender)
公式カードギャラリーより引用

大口購入者(Big Spender)はニューカペナ次元のデビルだ。

このカードは条件を満たすと宝物トークンを生成できる機能がある。そして、起動型能力として、2つのアーティファクトを生け贄に捧げるとカードを1枚呪文書からドラフト1できる。宝物トークンはアーティファクトなので、基本的にこれを支払って何かを買うというイメージなのだろう。

カード名の「Bog Spender」は「気前よく金を使う客」「金遣いの荒い人」などの意味がある。和訳名が「大口購入者」なのは、先述したように何かを買うという解釈に寄せた翻訳と考えられる。

大口購入者(Big Spender)一部拡大図

ところが、金払いのいい太い客というイメージのカード名なのに、カードのイラストに描かれたのは、ナックルダスターを嵌めた拳を振り上げ、もう片方の手で貨幣の入った袋をむしり取るデビルの荒くれ者である。左右には仲間と見える強面のオーガが2人。その奥には仲間か見物人か分からない人影もちらほらある。これでは治安の悪い街に出没する「追いはぎ」や「路上強盗」の類ではないか。

そこで、カードのメカニズムをもう一度確認すると、宝物トークンを得る条件が「あなたのコントロールするクリーチャー1体以上がブロックされた時」とある。つまり、このデビルと仲間一党は取りあえず突っかかって行って(攻撃に参加して)、ぶつかった相手から金品を巻き上げる(誰か1体でもブロックされたら宝物トークンが生成)という解釈が成り立つ機能なのであった。

このように実際は「荒くれ者の路上強盗」を表現したカードであり、カード名「大口購入者(Big Spender)」はカード機能の後半部分(だけ)を反映していたのだ。こういう「カード名の雰囲気」と「カードが描いている実態」とのギャップで面白さを出す、洒落の利いたデザインは「ニューカペナの街角」ではかなり目につくものだ。

だが、このカードでもっと驚かされたのが、こういうデザインなのにクリーチャー・タイプがただの「市民」だということ。普通は「ならず者」じゃないのか?

衝撃的な悪戯

衝撃的な悪戯(Traumatic Prank)

衝撃的な悪戯(Traumatic Prank)
公式カードギャラリーより引用

衝撃的な悪戯(Traumatic Prank)は、カードの分類としては赤定番のクリーチャーの一時的なコントロール奪取である。このカードの特色は、対象のクリーチャーカードは永久に速攻を獲得し、ブロックの参加が出来なくなり、アップキープにコントローラーに1点のダメージを与えるペナルティーも付与されることだ。

これらの特色はカード名やイラストから説明付けられる。

まずカード名だが、「衝撃的な」と訳された「Traumatic」は「精神的に衝撃的な」「心的外傷の」「トラウマの」といった意味合いだ。つまり、このカードの名称は「トラウマとして残る心の傷を植えつけるような悪戯」なのである。

それがどんな類の悪戯なのかはイラストに描かれている。フック付きの滑車をベルトに引っ掛けられ宙吊りにされたロウクスと、それを鉄骨の桁から眺めて笑っているデビルとオーガがいる。この場所はおそらくニューカペナの最下層カルダイヤ地区だ。最下層とは言っても、ニューカペナは高みに築かれた都市なのでここより地上まではかなりの高さがあるはずだ。落ちたら助かるまい。こんなところで宙吊りにされたら、誰だって心の傷を負うというものだ。

カードが付与するペナルティはこうやって刻まれた心の傷だったのである。



レア

レアは以下の1種のみだ。

松明を渡す

松明を渡す(Pass the Torch)

松明を渡す(Pass the Torch)
公式カードギャラリーより引用

松明を渡す(Pass the Torch)は2点ダメージを与えるインスタント呪文だ。この呪文を唱えると、手札にいるクリーチャー・カード1枚は「戦闘ダメージを与えた時に墓地にある『松明を渡す』を無料で1回だけ唱えられる能力」を得られる。つまり繰り返し使える可能性がある火力呪文なのだ。

イラストを見ると、片角が折れたデビルが火か何かを噴き出す道具を、別のデビルへと投げ渡している。カード名から察するに「プラズマトーチ(plasma torch)」の類と思われる。

プラズマの操作手(Plasma Jockey)

「プラズマトーチ」を使っているカード
プラズマの操作手(Plasma Jockey)
データベースGathererより引用

カード名の「Pass the Torch」は「バトンを渡す」や「地位や職務を譲る」といった意味合いの表現なのだが、このカードの場合は「プラズマトーチ」を武器にして次々に使い回しているようだ。

さいごに

これでカードセット「アルケミー:ニューカペナの街角」における赤単色のカードを紹介し終えた。次回は色の順番通りに緑カードである。

ところで、「ニューカペナの街角」関係の全カードをざっと見てきた感触なのだが、赤関連の粗暴な犯罪テーマのカードでは取りあえずデビルとオーガを描き込んでおけばいいって思ってやしないだろうか?いやまあそういう役回りを振られた種族だからそうであって当然なんだけれど、パターン化しすぎてやしないかなぁ……気のせいか。

では今回はここまで。

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