モダンホライゾン:胆液の泉

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胆液の泉(Fountain of Ichor)カードセット「モダンホライゾン」収録のアーティファクト・カード。

モダンホライゾンの全カードが公開されるや、ファイレクシアがイクサランを侵略している証拠ではないか!?と話題になったカードである。

胆液の泉の解説

Sun Empire priests thought they were digging a well. What they tapped was something different entirely.
太陽帝国の神官は、井戸を掘っているつもりだった。掘り当ててみると、それはまったく別の何かだった。
引用:胆液の泉(Fountain of Ichor)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

胆液の泉(Fountain of Ichor)

カードギャラリーより引用

胆液の泉(Fountain of Ichor)は太陽帝国が掘り当てた黒く泡立つ液体の泉。

太陽帝国(Sun Empire)」はイクサラン次元の大国である。帝国の神官が掘り当てたこの液体「胆液(Ichor)」とは何だろうか?

結論を初めに言ってしまうと、この黒い液体の正体は化石燃料である。恐竜が生息することが特色であるイクサランに絡めた発想で、「石油とガソリンが死んだ恐竜から作られているという人気のある誤解」をネタにしている。

つまり、このカードは恐竜を原料とした化石燃料が湧き出してきており、恐竜型のアーティファクトの燃料となって動かしている、というシーンと解釈できるだろう。

このカードが公開されると、ファイレクシアがイクサランを侵略している証拠だとヴォーソス間で一気に盛り上がった。というのは、カード名の「Ichor」という言葉はファイレクシアに関連する用語として長年使われてきた用語である。その「Ichor」がイクサランに湧き出すや、アーティファクトがクリーチャーとなって動き出した、これはヴォーソスには極めてファイレクシア的な現象に映ったのだ。

しかし、その日の内に、ファイレクシアは無関係であると公式に否定された1。ファンの考えすぎが暴走する前に手を打ったのだろう。またファイレクシアの次元侵略か…と飽き飽きしてた反面、少し残念な気持ちもある。



MTGの「Ichor」の解説

カード名「Ichor」はMTGではちょっと扱いが面倒な言葉である。

まずMTGに関係ない言葉の話から。「Ichor」は、ギリシア神話の神々の体内を流れる霊液「イーコール(英語的な発音でアイコール)」のこと。そこから、傷口や潰瘍出る透明な液体の「膿漿(のうしょう)」「膿(うみ)の汁」を指す言葉になった。

滑る胆液(Ichor Slick)

データベースGathererより引用

和訳製品カード名では「Ichor」は「胆液」と訳されているが、まずこの訳語が奇妙奇天烈である。胆液(胆汁)は肝臓で生産されて胆嚢に蓄えられる黄褐色の消化液のことで、「Ichor」の意味である「神の霊液」とも「膿漿」とも全く関係がない。だから、どういう発想から選択された訳語なのかさっぱり見当がつかない。2007年発売のカードセット「未来予知」収録の「滑る胆液(Ichor Slick)」で訳されたのが最初になる。このカードでも先例に倣って「胆液の泉」と訳されている。

ストーリーや背景世界設定的な方面では、「Ichor」はファイレクシアに関連する「黒い液体」を指す用語としてしばしば用いられてきた。ファイレクシア人の身体から滴り落ちたり、ファイレクシアの影響下にある場所から湧き出したりする、何かは分からないが不浄な黒い液体、と言う扱いである。MTGの「Ichor」は原義の「神の霊液」より「膿漿」の意味合いに寄せた雰囲気がある。

ちなみに、ファイレクシアの「Ichor」はイラストでは漆黒の鈍く光を反射する粘液のように描かれている。「胆液」は黄褐色であるから色合いで名付けた訳語…ということでもないだろうな。

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  1. Twitterのコメントより。幾分希望を残すような雰囲気もあるが…