カード紹介:オーサイの禿鷹

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オーサイの禿鷹(Osai Vultures)カードセット「レジェンド」収録のクリーチャー・カードである。

オーサイの禿鷹の解説

A sign of battle, the Vultures circle and wait for the victorious to depart.
戦いがあった印だ、禿鷹が輪を描き、勝者が立ち去るのを待ち構えている。
引用:オーサイの禿鷹(Osai Vultures)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が私家訳版

オーサイの禿鷹(Osai Vultures)

データベースGathererより引用

オーサイの禿鷹(Osai Vultures)はシャンダラー次元オーサイ砂漠(Osai Desert)の禿鷹である。

オーサイの禿鷹は次元を超えたドミナリア次元でも存在が確認できる。生息地は西ジャムーラ亜大陸のスクールヴィア砂漠(Desert of Skurvia)である。

オーサイの禿鷹は登場作品の描写によると、獰猛で醜悪な腐肉食生物である。頭部から首は羽が無く乾いた血のように赤く、翼は黒い。砂漠で行き倒れそうな生き物や戦場跡の戦没者を狙って砂漠の上空を旋回し、獲物にいよいよ死が近づくと着地して、息絶えるまで遠巻きに囲んでいる。沢山の死者が出た戦いでは死骸を腹いっぱいに貪り食って、ほとんど飛び立てないほどになっている。



オーサイの砂漠

シャンダラー次元のオーサイ砂漠(Osai Desert)についての情報は皆無に等しい。この砂漠と冥界の地(Nether Lands)1の間には都市アーデスタン(Ardestan)があるという位置関係ほどしか公開情報が見つからない。

脱線するが、ドミナリアの暦でAR2934年当時のシャンダラーがコミックの舞台である。その作中ではアーデスタンの外は文明化されていない世界だという記述があり、オーサイ砂漠と冥界の地の他にも殺伐とした世界が広がってる。アンデッドが住人のエルフを襲って殺す影森(Shadowwood)エル・アマン砂漠(Sands of El-Aman)、洞窟の地下墓地(Catacomb)、礫砂漠のような(水が描かれてない)東方海(Eastern Sea)など、豊富なマナを誇る次元であるものの、未開か未開同然の土地ばかり物語に出てきてた。

屍術師リム=ドゥール(Lim-Dûl the Necromancer)

屍術師リム=ドゥール(Lim-Dûl the Necromancer)
データベースGathererより引用

PCゲーム版マジック・ザ・ギャザリングのシャンダラーは大陸中に大小の都市・集落が築かれて発展しているが、それは屍術師リム=ドゥール(Lim-Dûl the Necromancer)が絡んだ2回の大戦争を経たかなり後の時代なのだ。このゲームにはオーサイ砂漠や冥界の地は出てこないが、首都アーデスタンの近隣地区が「冥界の地」という物騒な名前の状態のままで放置されているとはちょっと思えない。

更に時代が下ってAR4550年代頃と推定されるシャンダラーでは、東方海の海岸にはきちんと海の波が打ち寄せており、近隣にはカロニア(Kalonia)の森林地帯もあり緑豊かに変貌している。ちなみに東方海の岸にはスリヴァーが繁殖もしていた。(出典短編1出典短編2

オーサイの禿鷹のストーリー

オーサイ砂漠(Osai Desert)はコミック版Shandalar#1において、「Glimmering between the Osai Desert and the Nether Lands is Ardestan.(オーサイ砂漠と冥界の地に挟まれたかすかな光がアーデスタンである。)」という1文でのみ言及された。作中にオーサイの砂漠自体も禿鷹も登場はしていない。この1文でオーサイがシャンダラー次元の地名だと確定した。

オーサイの禿鷹はレジェンドサイクル小説1三部作小説Johan小説Jedit小説Hazezon)に登場している。ドミナリア次元スクールヴィア砂漠に生息するオーサイの禿鷹の情報はここで得られるものだ。

Jedit Ojanen

ジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)
データベースGathererより引用

実はこの三部作の冒頭は、スクールヴィア砂漠で儀式的な瞑想をするハゼゾン・タマル(Hazezon Tamar)が、砂の尾根の向こうにオーサイの禿鷹が舞い降りたことに気付いたところから始まる。哀れな死を確認しようと近づくと、ハイエナやオーサイの禿鷹の群れが輪となって囲んでいた。しかしまだ息がある。ハゼゾンが助けた瀕死の人物は前代未聞の虎人間であった。彼の名はイェーガー・オジャネン(Jaeger Ojanen)。後にハゼゾンの友人となるジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)の父親である。イェーガーを救助したハゼゾンに対して、砂漠ドルイドの石をもたらす者(Stone-Bringer)が「無壱弐の預言(むいちにのよげん:The Prophecy of None, One, and Two)」を宣託する。正体不明の虎人と解釈不能の預言。2つの謎がもつれ合った長編はオーサイの禿鷹から始まったのだ。



おまけ:オーサイの禿鷹がドミナリアにいる謎

シャンダラー次元の生き物であるオーサイの禿鷹はどうやって別次元のドミナリアに渡ってきたのだろうか?そして、いつごろ渡ってきたのだろうか?

大修復以前の時代(AR4500年以前)に、普通の生き物が次元間を移動して定着する事例について考えてみたい。

注意:大修復以降は多元宇宙の法則が変わったので現在では普通の生き物は生きたまま次元移動はできない(ごくまれに例外はある)。

オーサイの禿鷹が次元移動する方法は?

昔の多元宇宙ではプレインズウォーカーでなくても、魔法的な手段や特殊な装置を用いれば次元間移動は不可能ではなかった。それに加えて、次元同士が重なり合って繋がると次元間ポータルが開き通行可能となる現象も自然発生していた。

したがって、次元移動できる誰かがオーサイの禿鷹をドミナリアに持ち込むことも、オーサイの禿鷹が偶然ポータルを通ってやってくることも、理論上はありえた。

ただし、シャンダラーはドミナリアとポータルができにくい特性をもっている。次はその説明をする。

自由浮遊次元シャンダラーの特異性

PCゲーム付属マニュアルのシャンダラーの歴史の概略によると、シャンダラーは長い歴史のほとんどを外界の次元と接触を持つことなく存在してきた。その理由の一端は、他に類を見ないほど濃密で豊かなマナに溢れているため、外界と接触する利点が無かったのだ。

また、PCゲーム外の設定に目を向ければ別の理由が見えてくる。シャンダラーは多元宇宙の決まった位置に存在しないで移動する自由浮遊次元(Rogue Plane)2という特徴がある。次元間ポータルは多元宇宙上の位置が近づかないと形成しないし、定位置に無ければ維持されないので、常に移動するシャンダラーはドミナリアとポータルができにくい条件にある。

シャンダラーは自由浮遊次元なのでドミナリアとポータルができにくい。それに加え、かつてのドミナリアはプレインズウォーカーがひっきりなしに来訪する次元であったので、自然派生したポータル経由よりは、誰かがオーサイの禿鷹を人為的に持ち込んだと考える方が可能性は高いだろう。

オーサイの禿鷹の次元移動は可能であることが分かった。ただし、いつの時代でも可能であったわけではない。

オーサイの禿鷹はいつ次元移動したのか?

オーサイの禿鷹がいつ頃次元渡りしたかを考えてみよう。

歴史を紐解くと、シャンダラー・ドミナリア間の次元間移動が不可能だった時代が長期間にわたって存在した。つまり、その期間を除外すれば、オーサイの禿鷹の次元渡りが発生した時期を絞ることができる。

ドミナリアのシャード

まず、ドミナリア氷河期の間AR450年頃~2934年)は、ドミナリアを含む12次元は多元宇宙の他の世界から完全に隔離されたシャード(The Shard)という状態にあった。シャードの外部にあるシャンダラーと、シャード内部のドミナリアはこの期間中に次元間移動はできない。

シャンダラーの大障壁

そして、AR2934年から12年後には、シャンダラーで大障壁(The Great Barrier)が形成され、外部からシャンダラーへの侵入が封じられた。大障壁が弱まった時期に外部のプレインズウォーカー・アルザコン(Arzakon)から干渉を受けたこともあったが次元内に完全に侵入はできなかった。PCゲーム付属マニュアルのシャンダラーの歴史の概略によると、アルザコンの到来までには何世紀もの非常に長い時間が経過していることが分かる。

ドミナリア氷河期から4世紀が経過したスクールヴィア砂漠ではオーサイの禿鷹は群れを成して飛んでおり、誰もがそこにいて当たり前の生き物としてとらえている。そこまで定着するには、少なく見積もっても数十年以上の期間が必要だろう。では、大雑把に見積もってぎりぎりAR3300年までにオーサイの禿鷹は次元渡りをしてきたとしよう。それでも、おそらく大障壁が弱まった時代よりも前になる。大障壁の形成以降にオーサイの禿鷹をシャンダラーから持ち出すことはできそうにない。

大障壁の性質はシャンダラーへの侵入の封鎖なので、シャンダラーのプレインズウォーカーが外に脱出するのはできるかもしれない。プレインズウォーカーの灯が点火して目覚めたシャンダラーの誰かがオーサイの禿鷹をドミナリアに持ち込んだ。この可能性は残る。

オーサイの禿鷹がドミナリアにいる謎のまとめ

以上を踏まえると、オーサイの禿鷹はAR450年より前の時代か、AR2934-2946年の短い期間に、次元移動する手段を持った何者かがシャンダラーからドミナリアに持ち込んだ可能性が高いと考えられる。

今回はこの辺でお終い。

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  1. この地域についてはまったく描写がない。名称通りの冥界ではなく、冥界のような危険な未開地くらいの意味だろう
  2. 今まで個人的には「はぐれ次元」と訳してきた用語。「自由浮遊惑星(Rogue Planet)」の捩りと捉えて今後はこう訳す。