イニストラード:ヴィザグ・アトゥム

スポンサーリンク

ヴィザグ・アトゥム(Vizag Atum)はイニストラード次元の組織である。

ヴィザグ・アトゥムは最初のイニストラード・ブロックのフレイバー・テキストで登場してから中々その実体が掴めなかった組織であったが、10年が経ちカードセット「真紅の契り」の短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳において情報が明かされてきた。

今回はこのマイナーな組織「ヴィザグ・アトゥム」を取り上げてみたい。

ヴィザグ・アトゥムの解説

ゾンビの黙示録(Zombie Apocalypse)の一部拡大

ヴィザグ・アトゥム(Vizag Atum)はイニストラード次元で活動する組織・集団である。別名「霊語り(The geist-talkers)」。何らかの屍術に通じたカルト教団のようだ。

ヴィザグ・アトゥムは死者のみが真の知恵を示すことができると確信しており、「霊(Geist)」を敬い、ほとんど崇拝する如しである。その一方で、生者よりも死者の方が予測可能で制御しやすく、戦いやすい相手だともみなしている。

ヴィザグ・アトゥムの魔法は、霊の接近を感知する。普通の人には知覚不能な霊の姿や声であっても見て聴き、会話することもできる上に、他の者も同様に霊を知覚し会話できるような処置すら可能だ。また、霊の憑依や侵入を妨げる防護魔法をかけたり、霊に命令し従わせられる。

ヴィザグ・アトゥムの関連するカードを見る限り、グール呼びのようにゾンビの群れを使役することもできるようだ。



ヴィザグ・アトゥムのキャラクター

Art by: Aurore Folny

Art by: Aurore Folny
この男性が元ヴィザグ・アトゥムのジェイコブ・ハーキンだろうか?(カード化が発表された)
短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳より引用

ヴィザグ・アトゥムのキャラクターはカードセット「イニストラード:真紅の契り」プレビュー期間現在で2人が知られている。

ミナルドラ(Minaldra)はフレイバー・テキストに名前を見せる人物で、長い間、それらのフレイバー・テキストがヴィザグ・アトゥムの唯一の情報源だった。

ジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken)短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳の主人公である霊魔導士(Geistmage)の人間男性だ。ヴィザグ・アトゥムの中で育てられたが、友人の絞殺体が調査もされず事故として片付けられたことから組織を抜け出した元構成員だ。霊魔導士の能力で生計を立て、人助けにも力を尽くしてきたが、イニストラードが永遠の夜に包まれた時代にはかつての理想を求める心は摩耗していた。

ヴィザグ・アトゥムの関連カードとストーリー

ゾンビの黙示録

“There will come a day so dark you will pray for death. On that day your prayers will be answered.”
–Minaldra, the Vizag Atum
「やがて来る日は余りに暗く、皆は死を祈ります。その祈りは、その日に聞き届けられましょう。」
–ヴィザグ・アトゥムのミナルドラ
引用:ゾンビの黙示録(Zombie Apocalypse)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ゾンビの黙示録(Zombie Apocalypse)

ゾンビの黙示録(Zombie Apocalypse)
データベースGathererより引用

ゾンビの黙示録(Zombie Apocalypse)はカードセット「闇の隆盛」収録のソーサリー・カードである。

「闇の隆盛」は大天使アヴァシンの行方不明でアヴァシンの聖なる力が弱まっており、闇の勢力が力を伸ばした時期であった。死を崇拝するヴィザグ・アトゥムも同様に勢力を拡大したのであろう。

フレイバー・テキストはヴィザグ・アトゥムのミナルドラ(Minaldra)のコメントだ。

野の焼き払い

“Your fields will turn as black as a ghoul’s tongue and fire shall be your only harvest.”
–Minaldra, the Vizag Atum
「お前たちの地はグールの舌の如く黒くなり、手に入る物は火のみとなりましょう。」
–ヴィザグ・アトゥムのミナルドラ
引用:野の焼き払い(Scorch the Fields)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

野の焼き払い(Scorch the Fields)

野の焼き払い(Scorch the Fields)
データベースGathererより引用

野の焼き払い(Scorch the Fields)はカードセット「闇の隆盛」収録のソーサリー・カードである。

土地を焼き尽くすドラゴンの炎が描かれ、それに対してミナルドラはコメントしている。ドラゴン自身は見たところ生きているので、ヴィザグ・アトゥムの関係者ではないかもしれない。流石にドラゴンはヴィザグ・アトゥムの構成員ではないだろう。

ネファリアの捜索者、エロイーズ

ネファリアの捜索者、エロイーズ(Eloise, Nephalia Sleuth)

ネファリアの捜索者、エロイーズ(Eloise, Nephalia Sleuth)
データベースGathererより引用

ネファリアの捜索者、エロイーズ(Eloise, Nephalia Sleuth)はカードセット「イニストラード:真夜中の狩り」統率者デッキ収録の伝説のカードだ。

探偵のエロイーズ・ウィッカー(Eloise Wicker)はヴィザグ・アトゥムの関係者ではないが、「闇の隆盛」かその次のカードセット「アヴァシンの帰還」の時期に元ヴィザグ・アトゥムのジェイコブ・ハーキン(Jacob Hauken)と組んで初めての仕事をしている。仕事の内容は明らかではないがジェイコブはエロイーズに少し協力しただけのようだ。つき合いは浅くジェイコブはエロイーズの名前はファミリーネームのウィッカーの方しか知らないままだったし、彼女から良くは評価してもらえていなかったと、3年後の再会時まで思い込んでいた。

放棄された聖域

“Prayers will curdle on the tongue and be heard by rotting ears.”
–Minaldra, the Vizag Atum
「祈りは舌の上で固まり、腐れる耳が聞くことでしょう。」
–ヴィザグ・アトゥムのミナルドラ
引用:放棄された聖域(Forsaken Sanctuary)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

放棄された聖域(Forsaken Sanctuary)

放棄された聖域(Forsaken Sanctuary)
データベースGathererより引用

放棄された聖域(Forsaken Sanctuary)はカードセット「イニストラードを覆う影」収録の土地カードである。

「闇の隆盛」から「アヴァシンの帰還」による大天使アヴァシンの復活を経た翌年が「イニストラードを覆う影」だ。次元外からの来訪者エムラクールの影響で、アヴァシン以下の天使はことごとく狂気に陥り、アヴァシン教会は混沌と堕落に囚われ蝕まれていく。

この放棄された聖域は、廃墟と化したアヴァシン教会かそれに類する聖地が描写されている。フレイバー・テキストはまたもミナルドラのコメントだ。アヴァシン教会の失墜をただただ歓迎しているのか、それともこの聖域の壊滅がヴィザグ・アトゥムの仕業だったのか?



世界の端

Art by: Anato Finnstark

Art by: Anato Finnstark
短編「世界の端」より引用

短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳はカードセット「イニストラード:真紅の契り」期の出来事だ。イニストラードを覆う影ブロックから2年の月日が経過している。

ネファリア州の都市セルホフ(Selhoff)、世界の端と称されるこの港町にジェイコブ・ハーキンは訪れた。地方の住人を襲う流浪の霊の捜査を依頼されたのだ。依頼主は商人のネリック卿(Lord Nellick)だ。ジェイコブは3年前に1度だけ仕事で組んだウィッカー探偵(エロイーズ・ウィッカー)の推薦を受けて、この地に呼び出されたのであった。仕事に中々ありつけぬこの時代、ジェイコブにとっては渡りに船であったのだが……。エロイーズと組んで事件の捜査を進めると、ジェイコブはとうの昔に捨てたヴィザグ・アトゥムの過去に向き合い、自身の行く末を根本から見直す必要に迫られることになるのだった。

ネタバレになるのでジェイコブ・ハーキンの顛末はぜひ短編「世界の端(The Edge of the World)」(原文和訳を読んで確かめて欲しい(今回の公式和訳版にはいつものように誤訳はあるが、本筋に大きく影響する致命的なものはないので安心してくれ)。



以上でヴィザグ・アトゥムにまつわる情報はさらい終った。では今回はここまで。

ヴィザグ・アトゥムの関連記事