ドミナリア次元のザルファー(Zhalfir)の歴史を数回にわたって取り上げる。
カードセット「基本セット2021」でテフェリー(Teferi)がフィーチャーされており、彼の故郷ザルファーにまつわる人物や出来事が改めてカード化されたり記事で紹介されたりしている。
現在ザルファーの注目度が上がっている。この機会にザルファーと周辺地域の歴史をまとめておきたいと考えた。
今回は第1回目なので、ザルファーの始まりと、ミラージュ戦争、そして消失という3つの歴史的出来事を扱うことにした。
最初に
まず最初におことわり。本記事では「出来事が起こったのは何年である」とストレートに書くことがあまりできないと思う。
公表されている資料に具体的な年数が記載されていることの方が少ないのだ。例えば、ミラージュ戦争が何年に起こった、など明記されていない。これはドミナリアに限らずどの次元でも同じである。むしろ膨大な歴史が積み重なったドミナリアでさえ曖昧なのだと承知しておいてほしい。
とはいえ、ドミナリアには資料となるカードや記事、作品が数多い。それらを検証することで、歴史上の事件が起きた年がいつか特定したり、少なくともこの期間内に発生したという範囲を狭めたりする、それは可能である。
結局何が言いたいかというと、情報の出典を挙げて、考察して、だいたいこの年代になると思われる、みたいな性格の書き方になってしまうので、まどろっこしいのは勘弁してもらいたい。
ザルファーの建国
ザルファーはドミナリア伝説時代中(AR-5000~0年)に建国した。
公式に明言されたのは設定集「The Art of Magic: The Gathering – Dominaria」が始めてである。
ザルファーの隣国フェメレフとスークアタの建国は何世紀も後の時代になる。両国の建国については次回で取り扱う(実はとても面倒な事情が絡んでいる)。
ミラージュ戦争
ミラージュ戦争(Mirage War)はケアヴェクがジャムーラ北西地方で起こした戦争のこと。ザルファーとフェメレフ、スークアタが戦場となった。
この戦争はカードセット「ミラージュ」と「ビジョンズ」で扱われた出来事である。当時は、兄弟戦争からおよそ4000年後がMTGの現在であるとされており、「ミラージュ」と「ビジョンズ」もその頃に起こったと考えられた。ミラージュ戦争がどの程度の期間続いたかも曖昧であった。
1999年2月のDuelist誌34号で年表が掲載されて、それまでのカードセット全てがどの時代に起きたかが初めて網羅的に数字で示された。1年表では「ミラージュ」と「ビジョンズ」はどちらもAR4150年頃~4196年とある。ストーリーの最後はミラージュ戦争終結なので、その年がAR4196年ということだけは判明した。
2000年以降にはウィザーズ社公式サイトで、カードセット「ミラージュ」と「ビジョンズ」の登場人物とストーリーを詳しく解説する記事3本が公開された(Character ProfilesとThe Story of JamuraaとVisions: The Backstory)。ここで戦争は少なくとも「1年を超える間(for over a year)」は継続していると判明する。戦争はAR4195年かそれより前に始まったことになる。
それから長い間、新たな情報は無かったが、2018年のカードセット「ドミナリア」の設定集「The Art of Magic: The Gathering – Dominaria」においてようやく問題が解決されることになった。そこでミラージュ戦争はAR4195~4205年の戦乱期に発生したと記述されていたのだ。
条件が揃った。ミラージュ戦争は「AR4195年かそれ以前に勃発」、「AR4196年で終結」、「AR4195~4205年の戦乱期中に発生」している。
したがって、ミラージュ戦争はAR4195~4196年と確定できる。
ミラージュ戦争という呼び名
「ミラージュ戦争(Mirage War)」という呼称がどこで出てきたものかも、ついでにここで触れておこう。
カードセット「ミラージュ」と「ビジョンズ」期のカードや記事では単に「戦争(War)」としか書かれていない(ジャムーラで起こった戦争、今の戦争、といった具合の表記もある)。先述した2000年以降の公式サイト記事3本でも同様である。
おそらく初出は小説Invasionである。ただし「Mirage Wars」と複数形ではあったが。
それから十数年後、カードセット「統率者2016」収録のジャムーラのシダー・コンド(Sidar Kondo of Jamuraa)の解説で「Mirage War」という単数形表記が登場する。実質的に現在の「ミラージュ戦争(Mirage War)」の初出はここになるだろう。
そして、2018年には「The Art of Magic: The Gathering – Dominaria」の歴史に記載された。2020年現在、カードセット「基本セット2021」の記事Teferi: Behind the Magicでもこの呼称は用いられている。
ちなみに、日本公式和訳ではカードセット「統率者2016」以降、「ミラージュ紛争」と訳され続けていた。原文は「War」であるし、ジャムーラ北西三国を周辺諸国(アーボーグ、ボガーダン、大砂漠)が攻めるという大規模な戦いを「紛争」と呼ぶのはかなり無理があった。カードセット「基本セット2021」の記事和訳版では「ミラージュ戦争」と実態に即した正しい訳になっている。
ザルファーのフェイズアウト
ザルファーはAR4205年にテフェリーの手で時空の異なる位相に消失した(フェイズアウトした)。ファイレクシアの侵略から守るための行動であった。それ以降ザルファーは消えたままであり、AR4560年現在のドミナリア上にはもはや存在していない。
ザルファーのフェイズアウトは、カードセット「インベイジョン」と小説Invasionで扱われたものだ。カードセット「インベイジョン」は、当時の公式サイト年表でAR4205年と公表されており、これは小説での描写と一致する。
ザルファー史その1のまとめ
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第2回目記事
