昨日投稿した「古龍戦争(巨竜戦争)」記事について、私はちょっとまずい状況かも知れないかと感じてきた。
この記事は私独自の新しい切り口で神話時代の解釈を試みたものだ。自分としては内容には自信がある。しかし、頂いた反応をつらつらを読んで行くと、私のやり方に間違いがあったと悟らされた。
というのは、ごく普通の日本のMTGストーリーファンにとっては、「神話時代に起こったとされる諸々の出来事(古龍戦争・上古族・神霊)に関する知識」とか、「神話時代の一般的で無難な歴史解釈」などといった基盤部分ががほとんど認知されていなかった。それが日本の実情だったと見えてきたのだ。
上古族と神霊について語られた小説群、インベイジョン・ブロック小説とオンスロート・ブロック小説は英語小説であり、和訳版はない。日本では原典に当たれる人が物凄く限られている現状にある。
ゆえに、数少ない誰かが書いたレビューや感想、考察などの、二次情報の日本語記述ばかりが参照されてしまうことになっている。当然ながら、その記述者の目を通したフィルターがかかっているわけで、原典とは異なる内容が正典として伝播拡散し、定着してしまうことがままあったのだ。1
こういった事情は、私自身も承知していたつもりだったが、今回は現状を踏まえた配慮が全然足りなかったと反省した。
前回記事で私が行った考証と導き出した歴史解釈は、「正統」ではなくいわば「異端」だ。切り口を変え、ひねりを加えて、普通とは変わった見え方を提示するもの。
日本のストーリーファンがまだ「正統」を知らないところに、私がそんな「異端」の発想を出してしまった。これがきっかけで「異端」の方が「正統」だと捉えられ、このまま「正典」だと認知され広まってしまいかねない。一晩おいて私は危惧を覚えた。
こういった事情があるために、より「正統」に近いドミナリア神話時代の時代考証を行った記事を改めて投稿することにした。既に着手しているので近日中に挙げられるだろう。