エルドレインの森:バニコーンと僻境の小動物

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エルドレイン次元の僻境に生息するバニコーン(Bunnicorn)などのウサギ系生物やその他の幻想的な小動物を取り上げる。

追記(2023年10月13日):カードセット「アルケミー:エルドレイン」の公式カードギャラリーが公開された。その中から、僻境のウサギ系クリーチャーとカメが描かれたカード、揺るぎない亀(Steady Tortoise)を本記事に追加した。

バニコーンと僻境の小動物

威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)(一部拡大図)

カードセット「エルドレインの森」では、僻境に生息するウサギやその他の小動物に似た生き物が登場している。

普通の森の動物とは違う幻想的な外見をしていて、例えば、身体が葉っぱで覆われていたり、頭から角が生えていたり、耳などの数が多い、などといった具合だ。動物系の妖精なのかも知れない。

クリーチャー・カードとしては、威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)の2種類が収録されている。その他にも、カードのイラストには様々なバリエーションを確認できる。

MTG30周年記念展で特別公開されていた「エルドレインの森ワールドガイド」には、僻境のその他の生き物として、この手のウサギや小動物の幻想的なバリエーションのデザイン画がマルハナヒツジ(Bumblesheep)などと一緒に掲載されていた。



威厳あるバニコーン

“It’s entirely peaceful, as long as you don’t try to pet it, pen it, take its food, take its hide, sit on its grass, or dress it up in colorful garb for human holidays.”
–Sturwynn, Boundary Lands ranger
「なでたり、檻に捕らえようとしたり、食物を奪ったり、毛皮を剝ごうとしたり、それが座る草の上に座ったり、人間の祭事にかこつけて色鮮やかな衣装を着せようとしたりしない限り、温厚な生物ですよ。」
–境界地のレインジャー、スターウィン
引用:威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)

威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)
データベースGathererより引用

威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)カードセット「エルドレインの森」に収録されたクリーチャー・カードである。

カード名の「バニコーン」とは、「ウサギ」を意味する「bunまたはbunny」と「ユニコーン(unicorn)」との合成語だ。その名の通り、額から角が起立したウサギである。

威厳あるバニコーンのフレイバー・テキスト

フレイバー・テキストの英語原文は、いわゆる「つみあげうた」のように後ろにどんどんと足されていく。「pet it, pen it」と「take its food, take its hide」のところで韻を踏んで調子を取っているけれど、後になるほど内容が長くややこしくなって、韻も踏まなっていく。

なんとも童謡めいていて面白おかしいのだ。

和訳製品版は直訳調でちょっと私には物足りない感じ。自分なりに和訳を試してみた。

「本当に大人しいんだ。けど、なでないで、檻に入れないで、餌の横取りもだめ、毛皮を剥ぐのもだめ、奴のいる草地で腰を下ろすの禁止、人間の祭日だからって綺麗なおべべを着せるのはもってのほか、どうなっても知らないぞ。」

味付け過剰な作文になってしまった。雰囲気をどうにか再現したかったのだが……難しい。

原文と同じ形式に揃えて、最初に大人しいと断ってから、実はそうでもないと後付けして段々と明かしていく流れにした。「(…し)ないで」と「(…は)だめ」の繰り返しで原文の韻の代わりとし、後になるほど長く、かつ禁じる言葉の調子も強くになるようにしてみた。お終いの説明的な「どうなっても知らないぞ」は蛇足だったかも。

花粉盾の兎

She can drive off any threat, from owl to hunter to Phyrexian monster.
梟や狩人、ファイレクシアの怪物でさえも追い返すことができる。
引用:花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)

花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)
データベースGathererより引用

花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)カードセット「エルドレインの森」に収録されたクリーチャー・カードである。出来事は兎の子育て(Hare Raising)だ。

イラストを見ると、耳が大きく発達し、胴体は葉っぱで覆われたウサギである。また、カード名で「兎」と訳されている「hare」は「野ウサギ」のことなので、このクリーチャーは穴に住む種類のウサギではないことが分かる。

イラストやフレイバー・テキストを読むに、花粉を身体から放出することで、子供を守り育てることができるようだ。この花粉によってフクロウや狩人に留まらず、侵略戦争を仕掛けてきたファイレクシアの怪物でさえも追い返せるのだという。

花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)

花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)
公式カードギャラリーより引用

花粉盾の兎にはショーケース・フレームの特別デザイン版も存在している。

こちらのイラストでは、頭部に枝分かれした角があり、そこから花粉を散布している。また、通常版イラストの種よりも身体の葉は控え目で、大きさも小さい。

その他の僻境の小動物

その他のカードのイラストに確認できる、ウサギ系やその他の小動物をピックアップして見ていこう。

偉大なるオーラ術

偉大なるオーラ術(Greater Auramancy)

偉大なるオーラ術(Greater Auramancy)
データベースGathererより引用

偉大なるオーラ術(Greater Auramancy)カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話のアニメ版イラストという特別枠で再録されたエンチャント・カードである。初出はカードセット「シャドウムーア」だ。

白のフェイと思われる女性の向かって右にウサギ系生物が浮いている。フェイの魔法で飛ばされているのだろう。

このウサギは、枝分かれした角を持ち、身体は葉で覆われており、花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)によく似た種類だと分かる。

ちなみに、もう1匹はマルハナヒツジ(Bumblesheep)である。

野生の活力

野生の活力(Primal Vigor)

野生の活力(Primal Vigor)
データベースGathererより引用

野生の活力(Primal Vigor)カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。初出はカードセット「統率者2013」だ。

イラストの中央左よりの位置には大型のウサギがいる。その体高は、すぐ右のアウフ(Ouphe)の身長ほどもある。ウサギの左上に飛んでいるのはマルハナヒツジ(Bumblesheep)だ。

更にイラストの左上の角には、枝の上に2匹の小動物がいる。身体が葉で覆われ、角を持っているが、ウサギのような長い耳はない。

ちなみにイラスト内にはフェアリーや光る鹿、小人の妖精などもいる。

成長の季節

成長の季節(Season of Growth)

成長の季節(Season of Growth)
データベースGathererより引用

成長の季節(Season of Growth)カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。初出はカードセット「基本セット2020」だ。

このカードのイラストでは、画面中央やや右寄りのキノコの上に変わった小動物がいる。ずんぐりとした体形で、枝分かれした角を有し、背面に緑の葉っぱがまばらに生えている。このイラストの他の生き物と同じように、腰の辺りから紫のキノコが生えてしまっている。

イラスト内には他にも僻境の生き物が描かれている。マルハナヒツジ(Bumblesheep)アウフ(Ouphe)、フェアリー、小人の妖精などだ。

僻境宮廷のエリヴェア

僻境宮廷のエリヴェア(Ellivere of the Wild Court)

僻境宮廷のエリヴェア(Ellivere of the Wild Court)
データベースGathererより引用

僻境宮廷のエリヴェア(Ellivere of the Wild Court)カードセット「エルドレインの森」の統率者デッキに収録された伝説のクリーチャー・カードである。

エリヴィア自身に関する解説は、こちらの記事を参照のこと。

イラストのエリヴェアの足元には、3匹の小動物がいる。

左から右に順番に見ていくと、まずこげ茶色で長耳を持ち、首肩回りに沢山の葉が茂り、頭に逆さにした花を乗せた小動物が1匹目だ。

次が、オレンジ色で木の枝のような角が生え、身体の所々に葉っぱの生えた小動物。あるいは葉っぱを組み合わせたお面をかぶっているようにも思えるが、僻境の魔法的な生き物ならこういう素顔でもおかしくはないだろう

最後の3匹目は、全体が白で、ウサギのような長耳だが細長い角があり、目玉がカエルのようにギョロッとしていて牙が生え、背中にフェイを乗せた生き物だ。

それら3匹に並んで一番右に居るのは、長い木の棒を持ったアウフ(Ouphe)である。

さらに画面左の端にもいる。木のお面と木の盾を装備し、枝を剣の用に振り上げ、2本足で立っている騎士のような小動物は、ウサギのような長耳が見えてる限りで4つもある。

揺るぎない亀

揺るぎない亀(Steady Tortoise)

揺るぎない亀(Steady Tortoise)
公式カードギャラリーより引用

揺るぎない亀(Steady Tortoise)はカードセット「アルケミー:エルドレイン」に収録されたクリーチャー・カードである。出来事は攻め立てる突進(Harried Dash)だ。

※ 和訳版はトークンの種類が「ウサギ」ではなく「兵士」と誤記している間違いがあるので注意。白の1/1の兎・クリーチャー・トークンが正しい。

残念ながら兎トークンのイラストはエルドレイン新規のものではなく、カードセット「統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い」から流用されている。

このカードは童話「ウサギとカメ」をモチーフにしている。出来事が開幕ダッシュで先行するウサギで、このカード自身が後から堅実に歩みを進めて勝利するカメを表している。ウサギの速攻は戦場に出たターン限りで自身は速攻能力を持っていないのが、途中で寝てしまった「ウサギとカメ」らしい再現だ。

イラストでは、甲羅の上でウサギが寝そべり、カメの目の前に餌をぶら下げて前進させている。この状況は童話「ウサギとカメ」には合致しないが、寝ているウサギと進み続けるカメという要素は押さえている。

イラストの2匹とも魔法的な僻境の生き物らしく普通のウサギとカメではない。ウサギは耳が大きな葉っぱ状になっており、側頭部や臀部周辺に小さな葉が茂っている。カメの方は全体的には陸亀の姿であるけれど、長い一本角がある上に甲羅や腹の筋模様、角、尻尾が橙色に発光している。



さいごに

威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)(一部拡大図)

ということで、本記事ではバニコーンや花粉盾といったウサギ系や、その他の僻境の小動物をまとめて記事化してみた。

ブルー・フェアリーやアウフ(Ouphe)マルハナヒツジ(Bumblesheep)などと一緒に色々なカードに描かれている森の名脇役たちである。カードのイラストをじっくり眺めて、こういった生き物たちを探すのは中々に楽しかった。

では、今回はここまで。

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