カードセット「モダンホライゾン」に収録される新カードの慈悲深きセラ(Serra the Benevolent)のカード能力も元ネタを調べてみた。また、ウルザズ・サーガ期のセラとイラストを比較してセラの外見が同じか検証してみた。
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慈悲深きセラのカード能力の元ネタ
慈悲深きセラ(Serra the Benevolent)のカードとしての能力を確認する。
プレインズウォーカー・カード版のセラは、呪文コスト2白白、忠誠度4、そして、3種類の忠誠度能力を持っている。
忠誠度能力はセラに関連する過去のカードからの引用である。
最初の忠誠度能力はこれ。
これはカードセット「ホームランド」のカード「Serra Aviary」の変形版である。カードセット「ウルザズ・サーガ」のカード「栄光の頌歌(Glorious Anthem)」との合体版にも見える。
2つ目の忠誠度能力。
これはもちろん「セラの天使(Serra Angel)」。コミックHomelandsでは、セラは白マナからセラの天使たちを呼び出している。この忠誠度能力はその描写そのものである。
最後の忠誠度能力は…
「ウルザズ・サーガ」のカード「崇拝(Worship)」である。
「Serra Aviary」「栄光の頌歌(Glorious Anthem)」「セラの天使(Serra Angel)」「崇拝(Worship)」これらはすべてセラに関連するカードである。
ウルザズ・サーガ時代のセラの姿
セラはカードセット「ウルザズ・サーガ」のいくつかのカードに描かれている。この時期のセラの外見はスタイルガイドで詳細まできっちりと設定されていることが分かる。ヴァンガード版セラもまったく同じ格好で差異は見られない。
それらのイラストを「モダンホライゾン」版のセラと見比べてみればほぼ同じ姿なのは一目瞭然である。違いを探してみると、目の周りの白い筋模様(化粧?)が加わっていることや、胸当てのデザインが大きく変わっていることに気付くだろう。
胸当ての色は縦横十字に4分割されて塗分けられ、胸の正面に丸い金属の輪がくる。この輪の中を覗くと4分割の円のように見える。これが、セラの四美徳を表すシンボルとなるデザインではないか?という説がヴォーソス間で出ている。真偽はまだ定かではないけれど、鋭い切り口の分析だと個人的には支持したい説だ。
ちなみに、四美徳とは「芸術(Art)、談話(Discourse)、自由(Freedom)、平和(Peace)」のこと。小説Time Streamsで言及がほんの少しだけあって、ドミナリアのアートブック「The Art of Magic: The Gathering – Dominaria」で拾い上げられたもの。
第5版の放浪熱(Wanderlust)もセラ?
基本セット第5版の放浪熱(Wanderlust)のイラストがセラではないか?…と考えるヴォーソスも少なくない。
確かに指摘されてみると、コミックHomelandsでレベッカ・ゲイが描いたセラの姿に似ているように思う。
フレイバー・テキストはテイジーアのコメント。セラとテイジーアには直接的な面識はない(コミックではテイジーアがフェロッズによって殺害された後でセラが戦場に到着する)。しかし、このフレイバー・テキストは、愛する夫フェロッズを喪ってウルグローサ次元を離れて行ったセラの心情と見れば、なるほどよく表しているものだなと気付かされた。
ちなみに、フェロッズの手で一度死んだテイジーアは200年後に精神が安定した状態で復活する。ちょうど同じ時期にセラはフェロッズを喪ってウルグローサを立ち去っている。2人が出会った可能性はなくもないが、たとえ対面した事がなくてもテイジーアは聡明な学者であり、知識の収集家である。次元の守り手であったフェロッズとセラを後から研究してその心情を理解できていたとしても不自然さはないだろう。テイジーアもまたクリスティナ喪失を乗り越えているのだから。
自分自身から逃れようとさまようのは、何と恐ろしいこと。
–テイジーア
出典:基本セット第5版の放浪熱のフレイバー・テキスト
ちなみに私は、第5版の放浪熱(Wanderlust)はイラストはクリスティナで、フレイバー・テキストは別れてなお彼女を想い焦がれるテイジーア自身の気持ちを描いていると思っていた。海外ヴォーソス諸氏に、クリスティナと髪の色も違うしむしろセラに見えるけれど、と指摘されるまではね。
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その1の記事はこちら。
その3の記事はこちら。
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