ブラッシュワグ(Brushwagg)はカードセット「ミラージュ」収録のクリーチャー・カード。
来月(2020年4月)に発売される新カードセット「イコリア:巨獣の棲処」で、およそ25年ぶりに新しいブラッシュワグが収録されるニュースが飛び込んできた(出典)。
今回はあまり知られていないブラッシュワグの登場する物語やクリーチャー・タイプなどの四方山話を紹介する。
ブラッシュワグの解説
“Defiantly, the young cyclops popped the brushwagg into his mouth. His cheeks suddenly puffed, his eye bulged, and he was forced to agree with his elder.”
–Afari, Tales
サイクロプスの若者はまわりの戒めを無視して、ブラッシュワグを口に放り込んだ。と、すぐさま頬が膨れあがり、目を剥いた若者は、大人たちが正しかったことを思い知った。
–アファーリー「語り」
引用:ブラッシュワグ(Brushwagg)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
ブラッシュワグ(Brushwagg)はドミナリア次元ジャムーラ西北地域の生き物である。ドミナリアの他に同種の生物がイコリア次元にも存在することが明らかとなっている。
ブラッシュワグの身体は丸々とした小枝の塊に見え、ネコ科に似た頭部と前脚が飛び出ている。
フレイバー・テキストによると、ブラッシュワグの大きさはサイクロプスが口に放り込めるほどのサイズである。その一方で、ミラージュ当時の特設サイトのストーリーでは、ブラッシュワグはサイ程度の大きさと描かれている。こちらはかなり大型でサイクロプスが口に放り込め大きさではないだろう。ブラッシュワグの大きさは個体差があることが分かる。
特設サイトのストーリーによると、ブラッシュワグは暴力を嫌っているが、伝言の使いに利用される。人語を理解できる知能があり、前脚で地面を引っ掻いて文字を書いて意思疎通も可能なほどだ。ただし、思考は単純で複雑なことは無理な様子だ。また、ブラッシュワグが前脚で地面を叩くのは挨拶や友好の仕草だと誰でも知っているとされる。そのように常識化しているほど、ブラッシュワグは身近にいる存在のようだ。
ブラッシュワグというクリーチャー・タイプ
ブラッシュワグのクリーチャー・タイプは「ブラッシュワグ」である。1996年のミラージュ発売以来25年弱、このカードの他にブラッシュワグは存在せず、このカード独自のクリーチャー・タイプであった。
植物的な体をしたブラッシュワグは一体どういう生き物か、植物や菌類、他の植物的なクリーチャーとは関係があるのだろうか?クリーチャー・タイプの面から解説する切り口で公式記事で取り上げられても、単に「ブラッシュワグはブラッシュワグだ」としか語られない立ち位置であった(出典)。
マーク・ローズウォーターが自身のブログBlogatogで、発売間近のカードセット「イコリア:巨獣の棲処」にブラッシュワグが収録されると情報公開した(出典)。6年前のローズウォーターは、ブラッシュワグとはどんな生き物か問われた際に、「茨にくるまれた猫」かあるいは「茨が本体で猫を捕食している」か我々には分かっていないと答えていた(出典)。また、去年まではずっと、ブラッシュワグの再登場はあり得ないとは言えないがちょっとした奇跡というレベルと回答をしていた。
そんなブラッシュワグが「イコリア:巨獣の棲処」に収録と決定された。長年、謎の生き物であったブラッシュワグの詳しい生態が明かされる時がやって来たようだ。
ブラッシュワグのストーリー
ブラッシュワグはカードセット「ミラージュ」当時の特設サイトOasisのストーリーに登場している。
地下墓地のドラゴン(Catacomb Dragon)の脅威にさらされた村から緊急の要件を伝えるためにブラッシュワグが召喚された。ブラッシュワグは伝言を届けに一目散に走る。届け先の山羊飼いを見つけると頭を下げて前脚で地面を叩いた。これはブラッシュワグの挨拶だったが、山羊飼いはブラッシュワグ自体を知らなかった。サイが頭を下げて前脚で地面を蹴るのは決してあいさつではない。そう思い出した山羊飼いはブラッシュワグを打ちのめしてしまう。ぼろぼろになったブラッシュワグは村に帰還して言葉足らずに報告するしかなかった。
おまけ:次元間のブラッシュワグ
2020年発売のブースタードラフト用カードセット「Mystery Booster」には、MTG史上2種類目のブラッシュワグである「Interplanar Brushwagg」が収録されている。ただし、このカードは開発部プレイテストカードという特殊なカードの1種で存在自体がジョークのようなものだ。
仮に真面目にこのクリーチャーが多元宇宙に存在しているとするなら、次元間(Interplanar)に生息するブラッシュワグということになるだろう。次元と次元の間となると、久遠の闇のことだろうか…エルドラージと生息圏が被る生き物となる?
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