灯争大戦:栄光の終焉

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栄光の終焉(Finale of Glory)カードセット「灯争大戦」収録のソーサリー・カードである。

栄光の終焉の解説

The sky boiled over the citadel, dire and dark. Then the angels brought the dawn.
城塞の上空では恐怖と暗黒が最高潮に達した。すると、天使たちが夜明けを運んできた。
引用:栄光の終焉(Finale of Glory)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

栄光の終焉(Finale of Glory)

データベースGathererより引用

栄光の終焉(Finale of Glory)が描いているのはボロス軍が大軍団で戦場に現れた状況だ。

カードメカニズム的には、呪文コストで払ったマナが大きければ大きいほど大兵力が出現する。X体の兵士トークンが出てくるだけでなく、Xが10以上なら、X体の兵士に加えて、X体の天使も参戦する。これだけの兵力ならばニコル・ボーラス(Nicol Bolas)の侵略軍に対して決して当たり負けはしない。



栄光の終焉のトークン

兵士トークン

栄光の終焉が生成する兵士トークン
公式記事The Tokens of War of the Sparkより引用

栄光の終焉(Finale of Glory)はクリーチャー・トークンを生成するメカニズムのカードである。普通は生成する種類は兵士トークンである。警戒を持つ2/2の白のクリーチャーだ。

兵士トークンのイラストはボロス軍所属の人間兵士が描かれている。トークンのクリーチャー・タイプが「兵士」のみで「人間」でないのだが、ボロス軍には人間に限らず様々な人型種族が所属しているため不自然さはない。イラストは人間だが、ボロス軍のゴブリンでもミノタウルスでもあるいはその他の種族でもあり得るのだから。

天使トークン

栄光の終焉が生成する天使トークン
公式記事The Tokens of War of the Sparkより引用

そして大量のマナをつぎ込んだときには天使トークンも生成される。この天使は4/4で飛行と警戒を持った白のクリーチャーだ。

イラストの天使はボロス軍所属なのが明らかな格好をしている。ちなみに、このトークンはパルヘリオンⅡ(Parhelion II)と共用となっている。

栄光の終焉のカード名とフレイバー・テキスト

The sky boiled over the citadel, dire and dark. Then the angels brought the dawn.
城塞の上空では恐怖と暗黒が最高潮に達した。すると、天使たちが夜明けを運んできた。

カード名は「栄光の終焉」、フレイバー・テキストでは「恐怖と暗黒が最高潮に達した」と、まるで善玉を下げ悪玉を上げるような言葉選びが個人的には気になる。このカードが表している情景と逆ではないか?

フレイバー・テキストにある「城塞(the citadel)」とは、ボーラスの城塞(Bolas’s Citadel)のことである。恐怖と暗黒が「最高潮に達した」と訳されている部分は、原語が「boiled」なので「煮えたち吹きこぼれた、噴出した」となるか。つまり、侵略者の恐怖と闇が吹きこぼれたが、天使の夜明けが人々に希望をもたらした、くらいの意味合いだろう。

カード名の「栄光の終焉」からは、すなわち「栄光が死を迎える」という暗い未来の含みが受け取れるが、どうみてもこのカードの雰囲気は希望に満ちたものだ。「…の終焉(Finale of …)」サイクルの中でも、このカードは特に「栄光の終幕・フィナーレ」くらいに読むのがふさわしく思えてならない。



灯争大戦の「終焉」サイクル

カードセット「灯争大戦」に収録されたカード名が「…の終焉(Finale of …)」であるカード群。白青黒赤緑の5色にそれぞれ1種類存在している。

「Finale」は辞書的には「フィナーレ、終局、終幕、大団円」くらいの意味合い。ところが、和訳名の「終焉」という言葉には「命の終わり、死を迎える」と言う含みがある。この閉塞感のある言葉選びが、ストーリーの行き着く先が暗く、行き詰っているような雰囲気を滲ませている。

実際小説を確認した後にサイクル全体を振り返ってみると、ボーラスに反抗するラヴニカ側にとって希望のある展開を描いたシーンばかりである。このサイクルのカード名に「終焉」はふさわしくないことが分かる。

このサイクルは、カード名がカードセット「破滅の刻」の注目ストーリーカード「…の刻(Hour of …)」に対応しているが、カード名だけで特にストーリー的な関係性は見られない。

小説War of the Spark: Ravnicaで答え合わせ

小説War of the Spark: Ravnicaでは実際どうだったのか?
(灯争大戦小説:AMAZON(電子書籍Kindle版あり) / 楽天(電子書籍Kobo版あり)

※ネタバレ※になる記述なので、小説を読む体験を損なう可能性があります。
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答え合わせ(ネタバレ注意)
小説War of the Spark: Ravnicaを読むに、ボロス軍は戦慄衆軍団が出現して以来ほとんど最後まで戦闘状態にあると見ていい。では、その中でもこの栄光の終焉(Finale of Glory)に相当する場面はどこかと考えると、小説も終盤の第3幕に入ってラヴニカの全10ギルドとプレインズウォーカーの合同軍がニコル・ボーラス(Nicol Bolas)に最後の総力戦を仕掛ける段階がふさわしいように思う。

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