万能のブラッシュワグ(Almighty Brushwagg)はカードセット「イコリア:巨獣の棲処」収録のクリーチャー・カードである。
万能のブラッシュワグ
Laughed at the brushwagg
–Hunters’ expression meaning “died unexpectedly”
ブラッシュワグをあざ笑った
–狩人の言い回しで「思いがけず死んだ」
引用:万能のブラッシュワグ(Almighty Brushwagg)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
万能のブラッシュワグ(Almighty Brushwagg)はイコリア次元に生息するクリーチャー。
カードとしては初代ブラッシュワグ(Brushwagg)に続くMTG史上2種類目1のブラッシュワグである。1996年発売のカードセット「ミラージュ」から24年ぶりに思いがけず出現した新種だ。ドミナリア次元でしか生息が確認されなかったレアな生き物だったが、今回初めてドミナリア外に存在が確認された。
イコリア次元のブラッシュワグもドミナリアの種と同じなのだろうか?今回は比較検証する。
イコリアとドミナリアのブラッシュワグ
イコリア次元とドミナリア次元のブラッシュワグを比較してみる。
ドミナリアのブラッシュワグ
ドミナリア次元のブラッシュワグという生き物はジャムーラ北西部に生息している。身体は丸々とした小枝の塊から、ネコ科に似た頭部と前脚が突き出た姿をしている。頭のめぐりはそれほど良くないが言葉を理解して、意思の疎通も図れる。サイと同じくらいの大きさにもなるが暴力を嫌っており、召喚されて伝令として遣わされることもある。→詳細はこちらの記事を参照。
イコリアのブラッシュワグ
イコリアのブラッシュワグも丸い小枝の絡まった塊のような身体を持ち、頭と四肢が突き出ている。大枠ではドミナリアの種と特徴が合致している。
ただし違う部分もあって、万能のブラッシュワグの方は、体を構成する枝には茨のような棘が目立つし、頭部や足には毛がほとんど生えていないようだ。たたずまいも、落ち着きがなかった初代と正反対で、どっしりと構えている。ドミナリアのようにある程度賢いのか、このカード単体では知能レベルがどれほどのものか知ることはできない。
それから個人的な感想で恐縮だが、かわいさが足りない。初代ブラッシュワグにあった愛嬌が消えて、ふてぶてしいこの表情である。そもそも猫っていうよりげっ歯類系だ。前歯が突き出てるし、耳の付き方も猫っぽくない。
…と、まじまじとイラストを眺めていると、気付いた。元からブラッシュワグは猫じゃなかったぞ、と。
ブラッシュワグは猫に似ていない
いつからみんなはブラッシュワグの顔貌を猫と思い込んでいたのだろう。
マーク・ローズウォーターやケリー・ディグズら、MTG制作に公式に携わってる(いた)スタッフたちですら「猫(cat)」と称しているほどだ(出典1、出典2)。
ブラッシュワグは見れば見るほどネコ科らしくない。2本の細く長い前歯(門歯)はげっ歯類のようだ。三角の耳は顔の両脇から横向きに出ている。四白眼の瞳は丸いもので、明るい場所では縦長になる猫のものとは違う。足の鉤爪はむき出しで、普段は収納している猫のものとは似ていない。
初代ブラッシュワグの方は大きなイラストを確認できる機会があまり無かったので、カードサイズのイラストから猫っぽい印象を受けるのは仕方なかったように思える。よく見れば門歯が分かるのだけれど、大抵の人は丸っこい身体と眼力の強い目の方に意識が向いてしまっていたのだろう。
ブラッシュワグは猫にも似ていない何か奇妙な生き物だった。部分的には植物にも動物にも似ている。
ブラッシュワグは何か?
やはりその答えは「ブラッシュワグはブラシュワグだ」2に落ち着く。
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カードセット「イコリア:巨獣の棲処」で新種が登場したナールについての記事
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- ジョークカードのInterplanar Brushwaggを除く
- 「ブラッシュワグはブラシュワグだ」はブレイディ・ドマーマスがブラッシュワグとはどんな生き物かを説明した時に放った言葉。出典