アーイシャ・タナカ(Ayesha Tanaka)はカードセット「レジェンド」収録の伝説のクリーチャー・カードである。
初出から28年後、カードセット「団結のドミナリア」において、「語り継がれる伝説1」という特別枠でリデザインされ、武具師、アーイシャ・タナカ(Ayesha Tanaka, Armorer)という新バージョンで収録された。
本記事では、ドミナリア次元マダラ帝国時代の武具師、アーイシャ・タナカを紹介する。
追記(2022年9月13日):アーイシャの破壊者の才能をより詳しい内容に書き換えた。
追記(2022年9月16日):武具師、アーイシャ・タナカ(Ayesha Tanaka, Armorer)のイラストの鳳凰の紋章について情報を追加した。
追記(2023年7月16日):ビジュアル・ガイドにおいて、マダラ帝国でのニコル・ボーラスの死がAR3607年と確定されたため、記述を修正した。また、武具師、アーイシャ・タナカや梅澤の鳳凰紋の拡大画像を追加。「テツオ・ウメザワ」を「梅澤哲雄」に表記変更した(ただし、タナカやケイ・タカハシはカタカナ表記のままとした)。
追記(2023年8月28日):「アーイシャ・タナカ」という名前の由来について書き記した。
アーイシャ・タナカの解説
アーイシャ・タナカ(Ayesha Tanaka)はAR36-37世紀のドミナリア次元マダラ帝国の人間女性の工匠である。
ストーリー作品では、レジェンドサイクル2小説三部作(小説Assassin’s Blade、小説Emperor’s Fist、小説Champion’s Trial)に登場した。
アーイシャは帝国英雄官の梅澤哲雄2(Tetsuo Umezawa)に仕え、武具師として、白と青の魔術師として活躍した。アーイシャの仲間には、彼女の生徒であるケイ・タカハシ(Kei Takahashi)や哲雄の弟子で副官のトー・ウォーキ(Tor Wauki)がいる。AR3607年、アーイシャら梅澤家一派はマダラ帝国皇帝ニコル・ボーラス(Nicol Bolas)を成敗した。
アーイシャ・タナカの名前
「アーイシャ・タナカ」という名前は和風な響きがある。インパクトのあるイラストもあいまって、日本国内ではしばしば話題に上がっていた名前である。
「アーイシャ(Ayesha)」はアラビアの女性の名前で、「タナカ(Tanaka)」はやはり日本の「田中・田仲」に違いない。漢字表記を交えるなら「アーイシャ田中」だろうか。
彼女の住むマダラ地方は西南沿岸に神河次元に通じる鉤爪門があり、神河由来の様々な影響が色濃く見られる文化圏だ。「田中」姓は神河伝来のものであろう。
一方、マダラ地方の東にあるジャムーラ大陸ティヴァン砂漠には、何千年もの間ラバイア次元との次元門が開いていた。そのため、ドミナリアにはラバイア移民やその末裔たる人々や、その影響を受けたアラビアンナイト風の文化・文明がそこかしこに確認できる。アラビア風の名前「アーイシャ」はラバイアに起源があると考えて間違いはなさそうだ。
アーイシャ田中という名前は、彼女がラバイア次元と神河次元の血を引く子孫である可能性を示唆している。あるいは、彼女が血統的な子孫ではなくとも、少なくとも彼女の命名は両次元の文化に由来するものだ、とは言える。
アーイシャ・タナカの破壊者の才能
“I’m a breaker, remember?”
「私は破壊者、お忘れですか?」
引用:小説Assassin’s Blade、下は私家訳
アーイシャ・タナカは「破壊者3」という生まれながらの才能を有している。
アーイシャ・タナカのカードはメカニズム上、「アーティファクトの起動型能力を、白1マナを支払われない限り、打ち消す」能力を持たされている。このカードの特性は登場作品において、機械の破壊者の才能と定義づけされて、爆発物の不活性化や手錠の解体といった形で描かれた。
作中では、破壊者の才能はアーティファクトに留まらず、エンチャントさえも破棄することが可能であった。これはアーイシャ・タナカのカードの機能から逸脱するものだが、小説作者スコット・マクゴウ(Scott McGough)は当時のファンサイトにおいて、こちらの方は解呪(Disenchant)であると解説していた。
小説Assassin’s Bladeでは、アーイシャによって左の羽に穴を開けられ飛ぶ力を失った刺客ジラ・エリアン(Xira Arien)は、飛行のエンチャント魔法をかけて飛んで逃げて行った。その後、破壊者アーイシャは自分の才能を用いて遠隔からエンチャントを破壊すると、逃げ帰るジラは海上に墜落してしまうのだった。
武具師、アーイシャ・タナカ
武具師、アーイシャ・タナカ(Ayesha Tanaka, Armorer)はカードセット「団結のドミナリア」でリデザインされた新バージョンである。
レジェンドサイクル2小説三部作で語られた通りに「武具師(Armorer)」の肩書きがつけられ、クリーチャー・タイプ「工匠」を強く意識した作りとなっている。
カードのイラストを注意深く観察すれば、アーイシャの胸の飾りには「鳳凰(Phoenix)」の紋章が描かれていると気付ける。これは梅澤哲雄の紋である。
ケイ・タカハシ
ケイ・タカハシ(Kei Takahashi)はアーイシャ・タナカの下で学ぶ生徒である。人間男性の若者。癒し手の才能と危険察知能力を持っていた。
ケイは里親の下で虐待を受けて辛い少年期を過ごした。ケイの才能を見い出したアーイシャの庇護下に入ってから、彼の人生は好転したのである。
さいごに
本記事はアーイシャ・タナカの簡単なまとめ記事だ。レジェンドサイクル2小説三部作には彼女のエピソードがまだまだ掘り出せるのだが、そちらはいずれ後の機会に足していきたい。
では、今回はここまで。
アーイシャ・タナカの関連記事
カードセット「レジェンド」関連のリスト
カードセット「団結のドミナリア」の関連記事