レジェンド:青の魔力貯蔵器

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青の魔力貯蔵器(Blue Mana Battery)カードセット「レジェンド」収録のアーティファクト・カードである。

前々回と前回で、黒の魔力貯蔵器赤の魔力貯蔵器を解説したので、今回は青のバージョンも取り上げてみたい。

青の魔力貯蔵器の解説

青の魔力貯蔵器(Blue Mana Battery)

データベースGathererより引用

青の魔力貯蔵器(Blue Mana Battery)はマナを蓄えておいて、後で青マナとして取り出せる道具である。

イラストを見ると、青の魔力貯蔵器は渦巻き模様のある黄緑色の真四角で、5つ以上描かれている。それらが海に浮かんでいるのか、それとも海上にその一部が突き出ているのか、私にはよくわからない。

登場した小説Hazezonの作中では、ウィノナという人物がこの青の魔力貯蔵器1つを持ち運んでいる。イラストの四角の物体1つ1つが運搬可能なサイズの魔力貯蔵器であるのかもしれない。



青の魔力貯蔵器のストーリー

青の魔力貯蔵器(Blue Mana Battery)はレジェンドサイクル1三部作の小説Hazezonで(確認できた限り)1回だけ言及がある。

舞台はドミナリア次元の西ジャムーラ亜大陸、トロロン川の河口付近にある都市ブライス(Bryce)である。時代はAR3336年1となる。

青の魔力貯蔵器が出てくる件は以下のようなものだ。

ヨハン(Johan)

ヨハン(Johan)
データベースGathererより引用

北部地域の暴君ヨハン(Johan)が率いる侵略軍と、それに対抗するハゼゾン・タマル(Hazezon Tamar)の南部都市国家同盟との戦争は続いていた。両陣営ともに飛行船団を新造して戦力を整えつつあり、戦いはいよいよ佳境に入ろうとしていた。

ハゼゾン・タマルが治める都市ブライスでさえももはや安全とは言えない。ヨハンの間者が潜伏しハゼゾンの寝首を掻こうと狙っているのだ。当然、ハゼゾンの邸宅では間者の侵入や工作を警戒しており、下級魔導士2が折に触れて探査して安全を確保していた。凶兆をもたらす魔除け、悪しき魔法文字、毒針、その他の命を脅かす仕掛けなど決して見逃してはならない。

ハゼゾン・タマル(Hazezon Tamar)

ハゼゾン・タマル(Hazezon Tamar)
データベースGathererより引用

ある日、ハゼゾン・タマルは深夜遅くに使用人に確認すると、「夕食のすぐ後でウィノナ(Wynona)が青の魔力貯蔵器を持ってあちらこちらと動いていました。今まで通りで万全です」と使用人は返答した。「よろしい。夜明けに起こしてくれ。おやすみ」ハゼゾンはそう告げて寝室に入った。

以上のような場面で青の魔力貯蔵器が登場している。

青の魔力貯蔵器もウィノナもこの場面でたった1回だけ1文でしか出てこない。青の魔力貯蔵器の形状や機能はどうなのか、ウィノナがどういう人物なのか、何も書かれてはいない。話の流れを見るに、おそらくウィノナがハゼゾン邸宅の魔力探査を担当する下級魔導士の1人で、青の魔力貯蔵器からマナを引き出して探査任務を遂行していたのだろう。

青の魔力貯蔵器の出番はこれっきりだが、おまけとしてこの話の続きは次の節で紹介しよう。



青の魔力貯蔵器のストーリーのその後は…

地獄のサソリ(Pit Scorpion)

地獄のサソリ(Pit Scorpion)
データベースGathererより引用

ちなみに、青の魔力貯蔵器が出てきた場面の直後にハゼゾンはベッドに潜んでいた地獄のサソリ(Pit Scorpion)に刺されてピンチに陥ってしまう。魔法でないただの砂漠の虫なので魔力探査をすり抜けることができたのだ。

ハゼゾンは刺された左足に激痛が走った後に感覚が無くなり、麻痺が腰に胸にと広がっていき、助けを求める声を上げられもせずについには視界が真っ暗となった。暴君ヨハンは居城で高笑いを上げていた。…これでこの章が終わった。

実は、ハゼゾンの邸宅で魔力探査をしている云々の話は、この場面が初言及であった。すぐ次のページで「今まで通りで万全です」と使用人が確約する。その前振りがあってサソリに刺されるフラグ回収まではわずか15行余りしかない。実に荒っぽい驚きの急展開であった。

もう1つちなみに、次の章の終わりではハゼゾンがあっさり無事であったことが語られる。

思わせぶりなクリフハンガーはクレイトン・エマリィ作品の常套手段ではあるのだが、もう少し…こう…丁寧さってものが必要だったと思うのだ。

では、今回はここまで。

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  1. ビジュアルガイドでレジェンドサイクル1はAR3334年と明確化されたが、この小説三部作は小説Hazezonの終盤時点で三部作の最初から2年が経過しており、この時点でAR3336年と導き出される
  2. 原文は「lesser mage」