エルドレイン次元のマルハナヒツジ(Bumblesheep)を取り上げる。
マルハナヒツジはクリーチャー・カードにはなっていないが、カードセット「エルドレインの森」の諸々のカードで顔を覗かせる僻境の生き物である。
追記(2023年10月3日):成長の季節(Season of Growth)のイラストのマルハナヒツジについて加筆した。
追記(2023年10月8日):リンクや記述の追加や修整を行った。
追記(2023年10月10日):カードセット「アルケミー:エルドレイン」の公式カードギャラリーが公開され、マルハナヒツジが描かれたイラストを1種類確認したため、それを追加した。→豚の反乱(Swine Rebellion)
マルハナヒツジの解説
マルハナヒツジ(Bumblesheep)は、エルドレイン次元の僻境に住む生き物である。
その名前の通りに、マルハナバチ(Bumblebee)と羊(Sheep)の両方の特徴を併せ持っている。蜂の触覚と羽を持った羊であるが、全体のイメージはマルハナバチそっくりだ。ずんぐりと丸く毛深く、頭と首回りそしておしりの方が黄色で、残りの顔や耳、胴体、短い脚、尻尾は黒であり、透明な羽は身体に比べて小振りだ。
脚の本数は羊と同じ4本で描かれているものと、蜂と同じ6本のイラストがある。どちらが正しいのかは分からないが、あるいはどちらも正しいのかもしれない。
大きさははっきりしないが、イラストを見る限りでは普通のマルハナバチより大きいくらいから、アウフ(Ouphe)より一回り小さい程度(30cmは軽くありそう)まで、幅がある。
ハチミツ?ヒツジミツ?
マルハナバチのように花を飛んで蜜を集める習性があるが、蜂ほど働き者ではなく花の上で丸まって寝てしまうこともあるようだ。この場合は、「ハチミツ」ではなく「ヒツジミツ」というのだろうか?
「エルドレインの森ワールドガイド」には、僻境のその他の生き物の1種として、このマルハナヒツジがバニコーンなどの様々な生き物と一緒に描かれていた。
フェアリー1と一緒にいるイラストの中には、マルハナヒツジたちが集めたらしき蜜を、フェアリーが丸いガラス瓶に溜めて背負っているというものもあった。愛らしいイラストだったので、今回のカードに取り入れられてなかったのがもったいない。
マルハナヒツジの関連カード
食後の眠気
“Busy as a bumblesheep”
–Faerie expression meaning “asleep”
「唸り羊のように忙しない。」
–「睡眠」の、フェアリー的言い回し
引用:食後の眠気(Food Coma)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
食後の眠気(Food Coma)はカードセット「エルドレインの森」の特殊ブースターに収録されたエンチャント・カードである。
フレイバー・テキストは、英語の言い回し「Busy as a bee」の捩った冗談である。
「蜂のように忙しない(Busy as a bee)」であれば、あくせく飛び回って「とても忙しい」という意味になる。一方、フェアリーが「マルハナヒツジのように忙しない(Busy as a bumblesheep)」と言えば、蜂とは反対に「睡眠」を意味する言い回しとなる。どうやらマルハナヒツジは働き者ではないようだ。
ちなみに、このカードのフレイバー・テキストでは「唸り羊」と訳されている。
「bumble」は「蜂がブンブン唸るように飛ぶ音」なので、「bumblesheep」が「唸り羊」になるのは理解できる。ただ、「唸り羊」では「マルハナバチ(Bumblebee)」との繋がりが見えてこないので、本サイトは敢えて「マルハナヒツジ」という別訳を採用することにした。
剛力化
“Looks like you need a bigger net, mister fae-catcher.”
「その網じゃ捕まえられそうにないね、フェイの密猟者さん。」
引用:剛力化(Titanic Growth)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
剛力化(Titanic Growth)はカードセット「エルドレインの森」に再録されたインスタント・カードである。初出はカードセット「基本セット2012」である。
イラストを見ると、左下の角に2匹、そして、右端の真ん中にも小さく1匹が描き込まれている。
その他の僻境の住人として、ブルー・フェアリーやアウフ(Ouphe)も描かれている。
錠前破りのいたずら屋
You can’t cage mischief.
いたずら小僧を檻に閉じ込めておくなど無理な話である。
引用:錠前破りのいたずら屋(Picklock Prankster)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
錠前破りのいたずら屋(Picklock Prankster)はカードセット「エルドレインの森」に収録されたクリーチャー・カードである。
イラストをよく観察すると、下側の真ん中の籠に3匹以上のマルハナヒツジが入っている。
イラスト内には、ブルー・フェアリーやアウフ(Ouphe)も描かれている。
偉大なるオーラ術
偉大なるオーラ術(Greater Auramancy)はカードセット「エルドレインの森」のおとぎ話のアニメ版イラストという特別枠で再録されたエンチャント・カードである。初出はカードセット「シャドウムーア」だ。
白のフェイと思われる女性の向かって左にマルハナヒツジが飛んでいる。もう1匹はウサギ系の僻境の小動物だ。
野生の活力
野生の活力(Primal Vigor)はカードセット「エルドレインの森」のおとぎ話という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。初出はカードセット「統率者2013」だ。
イラストの左寄りをマルハナヒツジ2匹が飛んでいる。
イラスト内には、その他に全身が輝いている鹿やフェアリー、アウフ(Ouphe)、大型のウサギや角が生え葉で覆われた小動物、小人の妖精などもいる。
成長の季節
成長の季節(Season of Growth)はカードセット「エルドレインの森」のおとぎ話という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。初出はカードセット「基本セット2020」だ。
イラストの中央辺りで、マルハナヒツジが大きな花弁に乗っている。よく見ると、紫色のかさの細長いキノコがマルハナヒツジの身体の各所からにょきにょきと生えている。キノコの形は周囲の地面から突き出した巨大キノコにそっくりである。
その他に、フェアリーやアウフ(Ouphe)、ずんぐりとした小動物、小人の妖精などが描かれている。
豚の反乱
豚の反乱(Swine Rebellion)はカードセット「アルケミー:エルドレイン」に収録されたソーサリー・カードである。
これは童話「三匹の子豚」モチーフである。イラストには、左上にマルハナヒツジが3匹ゲスト出演している。
このカードの詳細はこちらを参照のこと。
さいごに
今回はカードにもなっていないイラストの脇役を取り上げてみた。
マルハナヒツジは「エルドレインの森ワールドガイド」では、僻境のその他の生き物としてまとめてコンセプトアートが複数掲載されていた程度の存在であった。解説文だって特に付記されていなかった(少なくとも私の記憶では)。
その一方で、ワールドガイド内では同じような扱いだったウサギ系の生き物はカードになっている。威厳あるバニコーン(Regal Bunnicorn)と花粉盾の兎(Pollen-Shield Hare)だ。大分差をつけられてしまったな。
マルハナヒツジだってウサギに負けないポテンシャルを秘めたキャラクターなのだから、次にはカード化して欲しいものだ。
では、今回はここまで。
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