2022年の最新カードセット「神河:輝ける世界」の発売を控え、ほぼ連日、公式サイトでは神河に関する記事が更新されている。現在は神河:輝ける世界の連載ストーリーが更新中で第4話:突入(The Break-In)(原文・公式和訳版)が投稿された。
この第4話の中で主人公の漆月魁渡(しづき かいと)が昔の神河ブロックのカードに関連した気になる発言をしていたので、そこをちょっと取り上げたい。
そのカードと言うのが滅びへの選択(Choice of Damnations)だ。カードセット「神河救済」収録のソーサリー・カードで、これのフレイバー・テキストがポイントだ。
滅びへの選択の解説
“Life is a series of choices between bad and worse.”
–Toshiro Umezawa
人生はひどい事と更にひどい事の選択の繰り返しさ。
–梅澤俊郎
引用:滅びへの選択(Choice of Damnations)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
滅びへの選択(Choice of Damnations)はカードセット「神河救済」収録のソーサリー・カードである。
注目したいのはフレイバー・テキストだ。
「人生はひどい事と更にひどい事の選択の繰り返しさ。(Life is a series of choices between bad and worse.)」
これは梅澤俊郎(うめざわ としろう)のコメントである。
梅澤俊郎は「神河:輝ける世界」現在から遡ること1200年前、神の乱(The Kami War)で活躍した伝説上の人物だ。現代人の漆月魁渡(しづき かいと)がこの歴史上の人物の言葉を引用しているようなのだ。
神河:輝ける世界 第4話
Kaito released a tired laugh. “If you’re about to give me a pep talk on fate and things happening for a reason, don’t bother. I believe life is a series of choices.” He shrugged. “If we don’t like our options, we can either beg, fight, or steal to change them.”
魁渡は疲れたような笑い声を発した。「運命とか、物事は理由があって起こるとかそういう話はいいです。俺は、人生ってのはひと続きの選択だって信じています」 彼は肩をすくめた。「その選択肢が気に入らなかったら、泣いて頼むか戦うか、盗み取って変えたっていい」
引用:第4話 突入(The Break-In)
上が原文、下が公式和訳版
「俺は、人生ってのはひと続きの選択だって信じています(I believe life is a series of choices.)」これは梅澤俊郎の発言と完全に一致している。(公式和訳の方はカードのフレイバー・テキストとは訳し方が違っているものの。)
よくありそうな表現ではあるが、ここが同じ神河次元であり、梅澤俊郎の物語は現代でも語り継がれていることから考えて、関連がないって考える方が難しい。あるいは、現実世界のシェイクスピアの言い回しのように、誰でも知っているような引用しやすい格言のように使われているのかもしれない。
もし第4話での漆月魁渡(しづき かいと)の発言が引用だったとすると、ちょっと安っぽい感じが出るものの、むしろ彼にはピッタリだなって感じてしまう。魁渡は堅苦しい皇国の機構から抜け出して、他者が期待し押し付ける義務に縛られない生き方を選んでいる。無頼の徒として自分本位に生きた梅澤俊郎と似ているのだ。
例えば、魁渡は俊郎の生き方に羨望の念があって、ライブラリーには梅澤金言集とかがあってもおかしくないんじゃ……など色々と想像・妄想が掻き立てられるではないか?
梅澤哲子
“My ancestor Toshiro used to say, ‘Life is a series of choices between bad and worse.’ I’m a master of making great bad choices.”
「ご先祖様の梅澤俊郎は『人生はひどい事と更にひどい事の選択の繰り返し』と言っていたそうね。私は最高の『ひどい事』を選択する名人なのよ。」
引用:逃亡者、梅澤哲子(Tetsuko Umezawa, Fugitive)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
梅澤哲子(うめざわ てつこ)はカードセット「ドミナリア」収録の伝説のクリーチャーである。
別の記事で解説済みだが、梅澤哲子はドミナリア次元に生きる俊郎の遠い子孫である。住む次元は異なるが、魁渡とは同時代となる。
哲子のフレイバー・テキストでは滅びへの選択(Choice of Damnations)のフレイバー・テキストがそっくりそのまま引用されている。翻訳も同じに揃えてある。
偉人の言葉はこうして次元も越えて現代に生き残っている。歴史の雄大さを感じるエピソードだ。
では今回はここまで。
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