灯争大戦:造反者潰し

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造反者潰し(Crush Dissent)カードセット「灯争大戦」収録のインスタント・カードである。

造反者潰しの解説

“All I ask is complete obedience.”
–Nicol Bolas
「全き服従、我の望むものはそれだけだ。」
–ニコル・ボーラス
引用:造反者潰し(Crush Dissent)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

造反者潰し(Crush Dissent)

データベースGathererより引用

造反者潰し(Crush Dissent)はプレインズウォーカーのテヨ(Teyo)に関連するカードの1枚である。1永遠衆がテヨに圧し掛かっている場面だ。



造反者潰しのカード名

カード名は「造反者潰し」と訳されているが、「Crush Dissent」で「異議を押し潰すこと、反対意見の鎮圧」を意味している。イラストではラヴニカ次元の侵略者ニコル・ボーラス(Nicol Bolas)へ「反抗する」テヨが、永遠衆(戦慄衆?)2によって「押し潰されている」。フレイバー・テキストでボーラスは服従だけを求めている。

実は「Dissent」は「意見の相違、不同意、異議」のことで本来は「造反者」の意味はない。「造反者」と訳されたのはアモンケット次元においてである。アモンケットは王神(ボーラス)信仰が支配的であり、その体制下でならば「Dissenter(異なる意見を持つ者)」が「造反者」つまり「同一集団に属していながらも、集団の方針や体制に逆らった者」と同等の存在とみなしていても、不自然さは現れなかった。

しかし、灯争大戦の舞台はラヴニカ次元であり、王神配下の永遠衆も、テヨもどちらもここでは異邦人である。テヨはラヴニカでもアモンケットでもないゴバカン次元出身であるから、永遠衆側が別集団の余所者を造反者と呼ぶのは日本語として適切ではない。

ここで仮定の話だが、小説「Ravnica: War of the Spark」でテヨが一旦ボーラス陣営に属した後に反旗を翻したという流れが起こったとしたら、このカードの和訳名は理に適った名称となるのだが…。だが、テヨはラヴニカの少女(通称ラット)と親しくなると予告されており、最初からラヴニカ陣営となりそうなのでその線はまずなさそうなのだ。→この答えは後述のネタバレを参照。



テヨの登場するカード

カードセット「灯争大戦」の中でテヨが関係するカード

小説War of the Spark: Ravnicaで答え合わせ

小説War of the Spark: Ravnicaでは実際どうだったのか?
(灯争大戦小説:AMAZON(電子書籍Kindle版あり) / 楽天(電子書籍Kobo版あり)

※ネタバレ※になる記述なので、小説を読む体験を損なう可能性があります。
テキストは折り畳まれています。表示する際には注意してください。

答え合わせ(ネタバレ注意)
小説War of the Spark: Ravnicaテヨ・ベラダ(Teyo Verada)は永遠衆と戦闘を行い、度々あわや絶体絶命という場面に立たされるものの、このカードのように圧し掛かられるまでの描写はない。

したがって、このカードは小説で描写されていない戦闘での出来事と考えられる。

答え合わせ(ネタバレ注意)
上述した仮定の話。テヨがニコル・ボーラス(Nicol Bolas)陣営の「造反者」になると言う展開はやはり発生しなかった。したがって、このカードのカード名は「異議を押し潰すこと、反対意見の鎮圧」という一般的な意味でしかなかったと確認が取れた。アモンケット次元のストーリーで「Dissent」を「造反者」と訳し変えた歪みがこのカードで露出した形である。
答え合わせ(ネタバレ注意)
テヨが永遠衆との戦闘でもっとも命の危機に立たされた場面は、小説外伝の第2話War of the Spark: Ravnica – The Path to Opulent(公式翻訳版ラヴニカ:灯争大戦――絢爛の聖堂へ)で、何らかの呪文によってテヨが一瞬前後不覚になり魔法の盾を消してしまった時で、テヨは危うく永遠衆にハンマーで頭を潰されかけた。ラットが対応して永遠衆を退治してテヨを救っている。

小説本編の方では、テヨは一瞬集中が途切れて盾の魔法を消してしまうが、永遠衆のハンマーで狙われたことにも、すんでのところでラットに助けられたことにも、実は全く気付いていなかった。

ちなみにテヨを前後不覚に陥らせた魔法的な何かの正体はカーン(Karn)の魔法である。カーンはラル・ザレック(Ral Zarek)のプレインズウォーカー識別ゴーグルを瞬時に分析して、同等の能力をコピーして、味方側プレインズウォーカーへと付与したのだ。ただし、事前に忠告なしに実行したためにテヨは魔法の衝撃で集中が途切れてしまったというわけだ(ラルもカーンに抗議の悪態をついている)。

この辺の事情は小説本編と外伝とを合わせて読んでみて初めて確認できることだ。

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  2. 永遠衆と戦慄衆の違いについてはこちらを参照