クロクサとクノロス(Kroxa and Kunoros)カードセット「機械兵団の進軍」収録の伝説のクリーチャー・カードである。
伝説キャラクター2人がコンビを組んで、1枚のカードとなったシリーズの1枚だ。色々な次元の異色コンビが収録されているが、この2人がテーロス次元の代表である。
今回は、テーロス次元の死の国に関係するコンビ、囚人クロクサと番犬クノロスを取り上げる。
クロクサとクノロスの解説
When the Invasion Tree reached the Underworld, it found only teeth and fury.
侵略樹が死の国に辿りついたとき、そこには歯と怒りしかなかった。
引用:クロクサとクノロス(Kroxa and Kunoros)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
AR4562年、新ファイレクシアの侵略軍がテーロス次元を襲い、テーロスの住人だけでなく、神々すらもファイレクシア化されていった。次元越境する侵略樹の大枝はテーロスの死の国まで入り込み、ファイレクシアの進軍は留まることを知らなかった。
しかしその時、死の国に幽閉されたタイタンのクロクサ(Kroxa)と、死の国を守る番犬クノロス(Kunoros)が新ファイレクシアに立ちはだかった。飢えを満たすべくクロクサはファイレクシアンを喰らい続け、クノロスがこの恐るべきタイタンを敵のいる方へと誘導していった。
この2者の参戦は、生者と死者の国を隔てる川の渡し守である神エイスリオス(Athreos)の采配であった。
クロクサとクノロスのストーリー
クロクサとクノロスがコンビを組むに至ったストーリーは、公式記事The Legendary Team-Ups of March of the Machineで語られている。
2023年4月17日現時点では、公式和訳版は公開されていないため、本サイトでは記事中の文章を分割して独自翻訳した。関連カードを交えてストーリーを並べると以下のようになる。
テーロス侵略が総完成も間近となった時、侵略樹の枝は死の国にまで達した。ファイレクシア軍は進攻し、触れるものみな完成化させていった……
ただし、それも死の飢えのタイタン、クロクサに遭遇するまでのことだ。
クロクサは徹底的に喰らい尽くし、ぎらつく油の一滴も残さなかった。
これを見たエイスリオスは決断し、クロクサの鎖を打って死の国に解き放った。
そしてクロクサが定命の者の国に逃げ出さぬよう、エイスリオスはクノロスに監視を命じたのであった。
クノロスは仮釈放されたクロクサを、エイスリオスの望む方へと誘導した。こうしてファイレクシアンに対する損害を最大化し、それ以外への被害は最低限に抑えるよう努めたのである。
以上、クロクサとクノロスのストーリー完結。
さいごに
前回からの流れで、今回も異色コンビのテーロス編をピックアップしてみた。
「機械兵団の進軍」でのテーロス次元のストーリーの扱いだが、エリシュ・ノーン直々の命令でアジャニが派遣され、連載ストーリーでは何度もチラ見せしていた。けれど、その割りにはあまり全体像がハッキリしないままに終わった、という感触だけが残っている。
公式記事Planeswalker’s Guide to March of the Machine: The Phyrexian Invasion of the Multiverse(2023年4月17日時点で未訳)で、テーロスの状況がさらっと流されるだけで終わっているのは余りにも物足りない。
カードリストも含めて眺めていると、どうやら太陽神ヘリオッドを始めとする単色5大神はことごとくファイレクシア化して滅び、神々の中でもエファラやエイスリオスは少なくとも生き残れたようだ、と辛うじて見えてくる。本記事執筆に際して改めて諸々の公式ソースを確認したところ、余りにも真相がぼかされていて驚かされた。
おまけにカード開発記事の公式和訳版バトルを選べ その1では、エファラを除く神々が全滅したかのような誤った翻訳が公開されており、少なくない日本のユーザーに誤情報が広まっているのも確認している。勘弁してくれ。
現時点で見えてる限りにおいて、テーロス編のストーリー自体は面白くなりそうな要素が沢山あるのだ。大勢のテーロスの信者がファイレクシア化されることで、その信仰の具現化である神々もまたファイレクシアンとなってしまう。アジャニが先導して残りの神々への信仰を崩しにかかり、エファラやエイスリオスらが徹底抗戦する。ちゃんとストーリーで読ませてほしかったものだ。5話くらいでいいからさ。
では、今回はここまで。