シヴィトリ・スカーザム(Sivitri Scarzam)はカードセット「レジェンド」でカード収録された伝説のクリーチャー・カードである。
追記(2021年6月14日):「ドラゴン戦争(The Dragon War)」の記述を整理と加筆した他、シヴィトリ・スカーザムに言及する掌編The Tale of Shikarの存在も追加した。
シヴィトリ・スカーザムの解説
Even the brave have cause to tremble at the sight of Sivitri Scarzam. Who else has tamed Scarzam’s Dragon?
勇猛で鳴らす者までが、シヴィトリ・スカーザムを目にして震えだすのも無理はない。スカーザムのドラゴンを飼い慣らすなど、ほかの誰にできるだろう?
引用:シヴィトリ・スカーザム(Sivitri Scarzam)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
シヴィトリ・スカーザム(Sivitri Scarzam)は次元旅行者(planes-traveling being)1である。女性。出身次元不明。ドミナリア伝説時代にコロンドールに来訪した記録が残る。
自身の名を冠するスカーザムのドラゴンの群れにまたがって、まるで牧草地や広い谷を横切るように次元を渡ってくる。次元旅行者と呼ばれるシヴィトリ・スカーザムは次元を移動できるがプレインズウォーカーとは考えられていない。大修復前の多元宇宙ではプレインズウォーカーだけが次元移動ができたわけではなく、何らかの魔法や技術を用いれば次元間の移動は可能であった。
物語中では何世紀も(3世紀は軽く超えて)生きている。ドラゴンの群れを従え、次元移動でき、長命者のシヴィトリ・スカーザム。だが、カードのクリーチャー・タイプはただの「人間」だけである(…さすがにおかしいのではないか?)。
スカーザムのドラゴン(Scarzam’s Dragon)は、固い外皮を持ち、普通の武器や攻撃では歯が立たない。数十体の群れであったが、後述のストーリーでの出来事によって、最も大きな1体を除いて殺害されてしまっている。
シヴィトリ・スカーザムのストーリー
シヴィトリ・スカーザムの登場するストーリーは掌編The Dragon War(コミック版黒き剣のダッコン巻末収録)である。PCゲームBattlemage作中にはコロンドールの図書館に収められた蔵書という設定で掌編The Tale of Shikarが出てくるが、これはシヴィトリ・スカーザムのドラゴン戦争を第三者視点で言及したものだ。
このシヴィトリ・スカーザムの物語は掌編タイトルと同じ「ドラゴン戦争(The Dragon War)」としてドミナリア史に記録されている。
ちなみに、ドミナリア史上には同名の別の「The Dragon War」が少なくとも1回発生している。それが神話時代のエルダー・ドラゴンの戦争「巨竜戦争(The Dragon War)」である。カードセット「ドミナリア」期以降は、2つの戦争を区別するために「巨竜戦争」の方を「古龍戦争(The Elder Dragon War)」と表現するようになった。
ドラゴン戦争
ドミナリア伝説時代、シヴィトリ・スカーザムがドミナリアに辿り着いたときドラゴンの群れが飢えていた。コロンドール大陸の豊かな東南地方に群れを解き放つと、イナゴのように進路上のものを喰らって行った。コロンドールの現地民は抵抗するが鉄や木の武器は効き目がなかった。雪崩、火攻め、水攻め、魔法でさえも効果がなかった。老治療師が森の中で今まで見たこともないケシ(poppy)を見つけ出すまでは。
このケシから精製した毒はスカーザムのドラゴンに触れるだけで命を奪う効果があった。槍が外皮を通る必要もなくただ毒が触れさえすればよかった。荒れ狂うドラゴンの群れは、シヴィトリ本人がまたがる最大の1体を除いて全滅し、シヴィトリは別の次元に去った。
実はこのケシはその土地の化身である精霊が作り出したものだった。シヴィトリ・スカーザムの脅威が去って程なくして、プレインズウォーカーのジアドロン・ディハーダ(Geyadrone Dihada)がドミナリアに現れる。ディハーダはその精霊を沼地の王ソルカナー(Sol’kanar the Swamp King)へと変えてしまった。それと同時にスカーザムのドラゴン殺しのケシはすべて消えてなくなってしまった。
それから3世紀以上が経過。シヴィトリ・スカーザムと、最後のスカーザムのドラゴンは再びコロンドールに現れる。自ら望んだ来訪ではなく、ドラゴンの力を手に入れようとするソルカナーが手引きした召喚魔法によってであった。
ソルカナーを一目見たシヴィトリ・スカーザムは相手が毒ケシを生み出した宿敵であることを看破する。美しいドラゴンたちを奪ったソルカナーにシヴィトリは憎悪を向ける!…と、このときソルカナーの配下が裏切った。シヴィトリ・スカーザムは召喚された次元の門へと戻されていった。
クレイトン・エマリィ!
クレイトン・エマリィの作品ではよくあることだが、登場人物が感嘆や罵りの場面や単に言葉の調子を揃えるために固有名詞を口にする。小説ささやきの森では「スカーザムの傷跡よ!(Scars of Scarzam!)」、小説Johanと小説Jeditでは「スカーザムのドラゴン!(Scarzam’s dragon!)」が確認できる。後世にも名前が伝わっているという事実以外に、これらの言葉に特に意味はない。
シヴィトリ・スカーザムのトリビア
「物事は創り上げる途上で変化するものだ」と語る、レジェンドの開発者スティーヴ・コナード(Steve Conard)によると、シヴィトリ・スカーザムは当初は「男」だったが、イラスト担当者がクールな女性を描いてきたため、女性に変更して採用されたという。2
シヴィトリ・スカーザムの関連カード
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