スランの蜘蛛(Thran Spider)はカードセット「兄弟戦争」収録のアーティファクト・クリーチャー・カードである。
追記(2022年11月5日):マイトストーンの稼動力(Mightstone’s Animation)とウィークストーンの支配力(Weakstone’s Subjugation)の関係性などを加えた。
スランの蜘蛛の解説
スランの蜘蛛(Thran Spider)はドミナリア次元スラン時代の遺物である自動機械だ。兄弟戦争より5000年前のスラン帝国では、コイロスの洞窟(Cave of Koilos)周辺などを防御する対空砲台タイプの自動機械として用いられていたと思われる。
スランの蜘蛛は名前通りに蜘蛛に似た多脚で、頭部はなく、対空性能を持つ砲塔が装備されている。砲塔の射撃は、カー山脈に生息するロック鳥を一撃で焼き殺すだけの威力を有している。カードが到達能力を持たされているのは、この砲撃能力の再現に違いない。
アンティキティー戦争期、兄弟戦争の物語ではコイロスの洞窟の周囲にこのタイプの蜘蛛の残骸が複数確認されていた。AR28年にギックス(Gix)がファイレクシアから来訪して以降は、コイロスはギックスの支配下に置かれ、洞窟内のスー=チー型自動機械の遺物が整備されて活用されていた。おそらく、このカードのスランの蜘蛛も同様に5000年前の姿に復元されたのだと考えられる。
スランの蜘蛛の登場ストーリー
スランの蜘蛛(あるいはその原型)はコミック版アンティキティー戦争vol.1で登場しており、その後、正史となる小説The Brothers’ Warでより詳細に現行カードとほぼ同じ描写が行われた。
コミックでも小説でも、スランの蜘蛛が登場する場面の基本的な状況は同じだ。
ウルザ(Urza)とミシュラ(Mishra)、トカシア(Tocasia)がコイロスの洞窟から出てきた際に、上空で攻撃的なロック鳥が待ち構えていて羽ばたき飛行機械が安全に飛び立つことができなかった。ここでウルザは機転を利かし、手に入れたばかりのマイトストーンの力でスランの蜘蛛の残骸を起動して砲撃!見事にロック鳥を撃ち落したのだ。
少々異なるのは、コミックではスランの蜘蛛を起動するのはウルザとミシュラの両方の石の力であったこと、そして小説The Brothers’ Warの方はコミックより緊迫した場面だったという点だ。コイロスの洞窟の奥からはスー=チー(Su-Chi)6体が、侵入者である3人の後を追い迫って来ており、ロック鳥を片付けて早々に逃げる必要があったのだ。
マイトストーンの稼動力
マイトストーンの稼動力(Mightstone’s Animation)はカードセット「兄弟戦争」収録のエンチャント・カードである。
このカードのイラストは、ウルザがマイトストーンを使用してスランの蜘蛛を動かす場面を描出したものだ。
そして、マイトストーンの稼働力はウィークストーンの支配力(Weakstone’s Subjugation)と対となっている。
さいごに
今回はスランの蜘蛛を取り上げてみた。兄弟戦争はこういう脇役の小ネタが満載でとても全部を紹介できそうにない。取り合えず、他のヴォーソスもピックアップしていなさそうなこのカードについて話してみた次第だ。
では、今回はここまで。
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