ドミナリア:星界からの恐怖

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星界からの恐怖(Cosmic Horror)カードセット「レジェンド」で収録されたクリーチャー・カードである。

追記(2023年7月18日):レジェンドサイクル1の年代が明確化されたため、それを記事に反映し、その他の微修正を加えた。

星界からの恐怖の解説

星界からの恐怖(Cosmic Horror)

データベースGathererより引用

星界からの恐怖(Cosmic Horror)は植物とも動物とも判別つかないクリーチャーで、ドミナリア惑星外の星の世界(宇宙)が出身。宇宙船を操縦して飛来してくる。犠牲者を吸収して栄養を摂取する。

星界からの恐怖の宇宙船がジャムーラ南西部に不時着したことがあり、吸血鬼ショークーはドミナリア惑星外の知識とテクノロジーを獲得した。例えば、「琥珀の牢(Amber Prison)」はドミナリア惑星外に由来する物質と技術の集積である。

星界からの恐怖の正確な出身は不明としかいえない。可能性は3つあるがどれとも絞り切れないのだ。

まず1つ目の可能性は、ドミナリア次元の宇宙のどこかで生まれた生物かもしれない。第2はドミナリアとは違うどこか別次元を出身とする可能性。そして第3の選択肢は次元と次元の間に広がる「久遠の闇」生まれの可能性である。

この辺を考察するには、ドミナリアの次元の特性および「大修復」前の多元宇宙のコスモロジーを理解する必要がある。



多元宇宙の法則(大修復前)

まず「ドミナリア」は次元の中心となる惑星を指すことがほとんどのケースではあるが、ドミナリア惑星の浮かぶ宇宙そのものもドミナリア次元なのである。

多元宇宙の法則(大修復前) その1
惑星も宇宙もドミナリア次元

「大修復前」は次元の連結が現象として発生しており、連結した次元と次元を移動することは誰でも可能であった。また、プレインズウォーカーでなくともある種の魔法や技術を用いて次元間移動をすることは不可能ではなかった

多元宇宙の法則(大修復前) その2
大修復前の多元宇宙では次元間移動が「理論上は誰でも」可能

大修復前のドミナリアは他の次元と同一の宇宙を共有していた。ただし、宇宙を共有していた次元がどれであったか、いくつ存在していたかは意図的に明かされていない。

多元宇宙の法則(大修復前) その3
ドミナリアは別のいくつかの次元と同一の宇宙を共有していた

大修復前から、次元と次元の間である「久遠の闇」に生息するエルドラージの存在が確認できる。同様に久遠の闇に生息するクリーチャーが存在してもおかしくはない。

多元宇宙の法則(大修復前) その4
「久遠の闇」に生息するクリーチャーがいる

以上のような多元宇宙の法則を考慮すると、星界からの恐怖はドミナリアと同じ次元の宇宙出身であるとも、別次元からの次元旅行者であるとも、久遠の闇の生物であるとも、判断ができないことがお分かりいただけたと思う。

星界からの恐怖のストーリー

星界からの恐怖は「小説Jedit」に登場する。

遥か昔、ジャムーラ南西部アルボリア(Arboria)に燃え盛る流星が落着したが、その正体は星界からの恐怖の宇宙船であった。吸血鬼ショークーは地下に眠る宇宙船の上に自らの城を築き、密かに星の世界からの飛来物の研究に取り組んでいた。

AR3334年、半覚醒させた状態の星界からの恐怖を飼育し、知識を吸収していたショークーだったが、ティラスの暴君にして北部地域の皇帝ヨハンや、ジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)ロバラン傭兵団(Robaran Mercenaries)の七人衆が居城に侵入した混乱の中で、星界からの恐怖と宇宙船の機能が覚醒してしまう。宇宙からは流星の雨が降り注ぎショークーの城とその一帯を壊滅させてしまった…。

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クレイトン・エマリィ!

小説Jedit」はレジェンドサイクル1小説三部作の二作目である。作者はクレイトン・エマリィ

まさかMTGの小説作品を読んでいて、映画「エイリアン」的な古典SF展開が読めるとは読者は思いもしなかっただろう。謎の遺跡の正体が異星文明の遺物であり、最後には大破壊が起こって残ったのは瓦礫の山と空虚感。2001年作品にしては古めかしくて懐かしさすら感じたものだ。

でも冷静に思い返してみると、小説Planeswalker小説Bloodlinesで登場するフィレクシア人だってそうだった…。アンビュレーターマシーンに乗って次元間を追跡してきたり、携帯転送装置で送り込まれて来るファイレクシア部隊のあれやこれだ。この小説の星界からの恐怖とそう変わらない、たいがい侵略宇宙人的であったな。

ちなみに星界からの恐怖の宇宙船と吸血鬼ショークーは、レジェンドサイクル1三部作完結の「小説Hazezon」では影も形も出てこないことを注記しておく。1



星界からの恐怖のトリビア

ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの創作神話クトゥルフ神話「Cosmic Horror(宇宙的恐怖)」と呼ばれる。このカードは名前やイラストからクトゥルフ的な不定形の神話生物らしさを感じ取れる。

レジェンドの開発者スティーヴ・コナード(Steve Conard)がこのカードの発想元に言及した記事は見当たらない(少なくとも私個人は読んだことはない)。けれど、言わずもがなでMTGユーザーはクトゥルフ神話を連想していたような感触がある。

星界からの恐怖の関連カード

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  1. ショークーの名前が3回くらい出てくるだけ