ドミナリア次元のダークウッド(Durkwood)とそこに生息する猪、ベイロス、巨人の足後追いについて紹介する。
ダークウッドはカードセット「レジェンド」収録のダークウッドの猪(Durkwood Boars)が初出で歴史はあるものの、あまり情報がない地域である。それでも拾い上げてみると思ったよりは情報が集められた。
2021年2月23日追記:コミックWafarer vol.2にダークウッドの猪が登場したことに気付いたので加筆した。
ダークウッドの解説
ダークウッド(Durkwood)はドミナリア次元南エローナ大陸に位置する、通り抜け不能なほどもつれ合った森林地帯である。
ダークウッドのすぐ東にはラノワール(Llonowar)の大森林が広がっている。ダークウッドの北から流れ込むのが赤鉄山脈(Red Iron Mountains)から繋がるスダー川(Suder River)である。スダー川を越えた北にはクブブライアン高地(Kb’Briann Highlands)がある。
ダークウッドには巨大な猪やベイロス、狩りをする巨人が生息している。
ダークウッドの猪の解説
“And the unclean spirits went out, and entered the swine; and the herd ran violently…”
–Mark 5:131……汚れた霊どもは出て、豚の中に入った。すると豚の群れは猛り狂って走り出した。
–マルコ伝第5章13節2引用:ダークウッドの猪(Durkwood Boars)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
ダークウッドの猪(Durkwood Boars)はエローナ大陸ダークウッドに生息する猪である。
小説Final Sacrificeの描写からすると、この猪は巨大で毛むくじゃらの動物で、毛の色は先端が銀色で灰色がかった黒みがあり、鼻面からは長く湾曲した牙が突き出ている。戦場の混乱の中に召喚された群れは、地面を蹴ると、大きな動きを見える物体へと突進する。というまさに猪突猛進を絵に描いたような獣であった。
コミックWafarer vol.2でもダークウッドの猪は顔を見せている。舞台はエローナ大陸でなくコロンドール大陸の白き森である。クウィリーオン・エルフ(Quirion Elf)のキエリン氏族(Kieryn)とカルシン氏族(Calthyn)の2派閥間抗争で使役されていた。カルシン族はウォー・マンモス(War Mammoth)の背に乗り、ダークウッドの猪を随伴して戦っていた。これらの猪はクウィリーオン・エルフがエローナ大陸からコロンドールに持ち込んで飼育しているものと考えられる。
ちなみに、フレイバー・テキストは新約聖書からの引用なので、雰囲気は出ているものの、MTG世界とは全く関係はない。
裂け目時代のダークウッド
裂け目時代(AR4306-4500年)のドミナリアにおいて、ダークウッドが再登場を果たした。カードセット「時のらせん」にダークウッド関連のカードが2種類収録されたのだ。ここではそれらについて解説をする。
ダークウッドの足跡追い
These days, trackers must follow their quarry over years as well as miles.
今日では、足跡追いは獲物を距離だけでなく時間でも追わなければいけない。
引用:ダークウッドの足跡追い(Durkwood Tracker)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
ダークウッドの足跡追い(Durkwood Tracker)はダークウッドに居住する巨人で、獲物を狩る追跡者である。このカードが作られたことで、ダークウッドに巨人が住んでいる事実が判明した。
カードセット「時のらせん」収録のこのカードには、裂け目時代のダークウッドと巨人が描出されている。この時代のドミナリアは次元全体が荒廃しており、塩の嵐が吹き荒れ、生存者はみすぼらしく痩せ細り、生物の命がどんどん失われていた。ダークウッドも例外ではなく、イラストを見ると、枯れた巨木の切り株や折り重なる倒木と、背景には緑の葉が一切ない林立する木々が確認できる。棍棒を持ちぼろを着ている巨人が上から覗き込み、陰に身をひそめる人物を探している。この人物は、巨人が足跡を追っている獲物なのだろう。
ダークウッドの足跡追いのフレイバー・テキスト
These days, trackers must follow their quarry over years as well as miles.
今日では、足跡追いは獲物を距離だけでなく時間でも追わなければいけない。
ダークウッドの足後追いの和訳製品版フレイバー・テキストがよく分からない。
「獲物を距離だけでなく時間でも追わなければいけない」とはどういうことだろう?カードセット「時のらせん」では、次元構造に裂け目ができ、過去の時間が現在と入り混じっているという背景がある。だから、その背景設定を反映した思わせぶりな文章に思えてならなかった。
ところが、原文を確認してみたら、思わせぶりな和訳版と違って、かなりすっきりとした内容であった。該当部運の原文は「must follow their quarry over years as well as miles」、つまり、「獲物を何マイルもかけて追いかけるのと同じように、何年もかけて追いかけなければいけない」という意味だ。
今日では、何マイルもかけて何年もかけて、足跡追いは獲物を追わなければいけない。
こんな感じになるだろうか。
過酷な環境の裂け目時代では、当然のことながら狩りの獲物も激減している。だから、巨人の足跡追いは長い距離を追い、長い時間をかけて狩りをしているのだ。このフレイバー・テキストは困窮した時代を素直に描いているだけ、と私には思える。
ダークウッドのベイロス
ダークウッドのベイロス(Durkwood Baloth)はダークウッドに生息するベイロスである。ベイロスとはMTG世界に独特なクリーチャーで、様々な次元に存在する巨大なビースト(野獣)の総称である。
カードセット「時のらせん」に収録されたこのカードは、時の裂け目を通過して過去の世界から裂け目時代へと出現した様子が描かれている。こちらのイラストでも足後追いと同様に、枯れた木々が描かれており、荒廃したダークウッドの様子が分かる。
ダークウッドにもベイロスがいたことが、このカードによって初めて示された。
ダークウッドのストーリー
ダークウッドが作品の舞台となったことはない。ダークウッドという地名が言及されたことも、少なくとも私には確認できなかった。
小説Final Sacrificeでダークウッドの猪が召喚クリーチャーとして描出されている。
コミックWafarer vol.2ではクウィリーオン・エルフ(Quirion Elf)が操っていた。
その他には、ドメインズ地図付属カレンダーに記されて位置が確定したことと、The Art of Magic: The Gathering – Dominariaで通行不能なもつれた場所と一言だけ言及されていること、調査してもそれ以外に公式ソースの情報が見つからなかった。
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