「炎のスプライト」を意味する「Fire Sprites」はカードセット「レジェンド」に収録されたクリーチャー・カードである。
今回はドミナリアに生息する炎のスプライトを取り上げる。
※ 「Fire Sprites」には公式な和訳が存在しないため、本記事では便宜的に「炎のスプライト」と呼称する。
追記（2022年7月29日）：小説Jeditの内容を誤認して解説文を書いていたと判明。炎のスプライトと、その親戚種族に当たる森のピクシーを混同してしまっていた。該当部を正しい内容へと書き換えた。
追記（2023年7月19日）：レジェンドサイクル1の年代が明確化されたため本記事を修正した。
炎のスプライトの解説
データベースGathererより引用
炎のスプライト（Fire Sprites）はドミナリア次元で存在が確認されるフェアリーの1種である。名前とイラストの通りに身体が炎に包まれた小型の妖精である。
炎のスプライトの生息地
北が白き森（White Woods）。南の山岳地帯のどこかに青色山脈（Blue Mountains）がある炎のスプライト生息地図現代ドミナリア地図より抜粋引用
炎のスプライトの存在確認ができている場所は、ドミナリア次元のコロンドール大陸と西ジャムーラ亜大陸の2か所である。
コロンドール大陸は南部、クウィリーオン・エルフ（Quirion Elf）の諸氏族が住む白き森（White Woods）において、炎のスプライトはキエリン氏族（Kieryn Clan）に協力していた。
一方、西ジャムーラ亜大陸では炎のスプライトは青色山脈（Blue Mountains）でありふれた種族とされる。青色山脈に関しては、他の住人としてコボルド（Kobold）や狂戦士のアイラーシ（Aerathi）1の部族がいると知られているが、それ以外の詳細は不明瞭である。その正確な位置や範囲も不明であり、西ジャムーラ亜大陸に広がる世界最大規模の大山脈地帯の中でも、北の地方のどこかであることくらいしか分からない。
ドミナリア次元のコボルドを描いたコボルド・トークン公式記事The Tokens of Time Spiral Remasteredより引用
AR3334年までに炎のスプライトとコボルドの一部は、共に青色山脈から西方の針葉樹林帯アルボリア（Arboria）に移住していた。
炎のスプライトのストーリー
炎のスプライトは、アルマダ・コミックのWayfarer vol.2 Forces of Natureと小説Jeditに登場している。
両作品における炎のスプライトとその周辺事情を含めて簡単に紹介していこう。
Wayfarer vol.2 Forces of Nature
炎のスプライトコミックWayfarer vol.2 Forces of Natureより引用
コミックWayfarer vol.2 Forces of Natureはコロンドール大陸が舞台の物語だ。時代設定はAR4194年頃と推定できるが不明確だ（ここでは時代検証の過程は冗長なので省略する）。
クウィリーオン・エルフ（Quirion Elves）データベースGathererより引用
コロンドール大陸の白き森（White Woods）ではクウィリーオン・エルフ（Quirion Elf）のキエリン氏族（Kieryn Clan）とカルシン氏族（Calthyn Clan）が武力衝突の事態に陥っていた。
大喰らいのワーム（Craw Wurm）データベースGathererより引用
キリエン氏族は大喰らいのワーム（Craw Wurm）と炎のスプライトの部隊による攻撃を加えると、カルシンはホーネット・コブラ（Hornet Cobra）の部隊で迎え撃っていた。
真の後継者、ジャレッド・カルサリオン（Jared Carthalion, True Heir）データベースGathererより引用
戦いの中でスプライトたちは身体の炎を相手へと投射しての攻撃を行っていた。戦闘の様子を傍観していたプレインズウォーカーのクリスティナ（Kristina）は弟子のジャレッド・カルサリオン（Jared Carthalion）に対して、スプライトの身体から燃え移った炎は木々や戦死者、そして恐らくは倒れた瀕死の者までも焼いた、と語った。
小説Jedit
アルボリアの基になったカードアルボリア（Arboria）データベースGathererより引用
小説Jeditの中盤以降、アルボリア（Arboria）が物語の中心舞台になっていく。時代設定はAR3334年である。
ジェディット・オジャネン（Jadit Ojanen）データベースGathererより引用
この作品では炎のスプライトが5名登場している。体の大きさは人間の手くらいで、コボルドと友好関係にあった。
また、炎のスプライトの近縁種として、森のピクシーが2名登場している。こちらは名前が判明しており、体の小さい方がセイクリッド・ツリー（Sacred Tree）で、大きい方がピースフラワー（Peaceflower）という名であった。体の大きさは人の前腕程度でウサギやモグラの毛皮の服を着ており、アルボリアの住人である松の民（Pinefolks）と友好関係を結んでいた。
炎のスプライト5人とピクシー2人（そしてコボルドと松の民）は小説主人公ジェディット・オジャネン（Jadit Ojanen）らの協力者となり、アルボリアを支配する邪悪に対抗したのだ。
では、ザックリとであるがアルボリアにまつわる物語を解説すると以下の通りである。
アルボリアを徘徊する危険の1つ怪物スパズム（Spuzzem）Floral SpuzzemデータベースGathererより引用
物語現在の数十年前からアルボリアの森は怪物が徘徊する危険地帯となり、住人たちはめっきり姿を見なくなってしまっていた。
終末を招く者ショークー（Shauku, Endbringer）データベースGathererより引用
異変の真相はこうだ。吸血鬼ショークー（Shauku）がアルボリアの奥地に眠る地下遺跡を探究するためにこの地にやって来たのだ。ショークーはコロンドールで徴募したアクロン軍団兵（Akron Legionnaire）や遺跡で生み出される怪物スパズム（Spuzzem）を放ってアルボリアの森を支配下に置いたのである。
ヨハン（Johan）データベースGathererより引用
さらにショークーはティラスの皇帝ヨハン（Johan）を利用するため、虚言を弄してヨハンを居城にまで誘き寄せて拘束してしまった。
仇敵ヨハンの足跡を追っていたジェディット・オジャネンとロバラン傭兵団も、遂にはアルボリアのショークーの城にまで辿り着いた。ロバラン傭兵団には、アルボリアの住人である松の民、ピクシー、コボルド、炎のスプライトらが力を貸している。一丸になってショークーの脅威に立ち向かうのだ！
……しかし人々は知ることになる。
ショークーが探求していた場所がただの地下遺跡などではなく、遥かな昔に星の世界から飛来した宇宙船だということを。遺跡の真の主、星界からの恐怖（Cosmic Horror）が目覚めたその時は大いなる破壊がもたらされるのだ。
さいごに
七のジャスミン・ボリアル（Jasmine Boreal of the Seven）データベースGathererより引用
ということで、炎のスプライトにまつわるストーリー作品の紹介はおしまいである。
本記事は元々はジャスミン・ボリアル（Jasmine Moreal）を記事化していた際に零れ落ちた内容だ。ジャスミンの文章量が多くなったので、炎のスプライトの内容を分割してさらに内容を加筆したらこうなってしまった。次は本命のジャスミン・ボリアルの記事になる予定だ。
では今回はここまで。
炎のスプライトの関連カード
アルボリア
カードセット「レジェンド」関連のリスト
