第三の道の創設(Founding the Third Path)はカードセット「団結のドミナリア」収録の英雄譚エンチャント・カードである。
今回は兄弟戦争に創設された「第三の道(The Third Path)」とはどんな組織で、どのようになメンバーが居たのかを紹介すると共に、第三の道の創設のイラストに描かれた5人の正体を考察する。
追記(2022年8月26日):大きなサイズのカード・イラストを確認できたので、新情報に基づき5人の人物の考察を書き換えた。
第三の道の創設の解説
第三の道の創設(Founding the Third Path)は英雄譚カードであるため、ドミナリア次元の過去の出来事を物語として描き出したものとなっている。
アンティキティー戦争期、工匠兄弟のウルザ(Urza)とミシュラ(Mishra)の両陣営による戦争は、テリシア大陸全土を脅かしていた。
象牙の塔で知られるテリシア市には、ウルザにもミシュラにも与しない三番目の選択肢を選んだ組織が誕生した。これが「第三の道(The Third Path)」である。小説The Brothers’ Warの記述によれば、第三の道の創設はAR33年夏のことであった。
第三の道には、兄弟陣営に属さないテリシア大陸中の学者や魔術師が集まった。そうして、国や部族や派閥を越えた情報交換が行われたことで、ドミナリア次元の魔法分野が飛躍的に発達することになった。
第三の道の創設のイラスト
カードのイラストには5人の人物が描かれている。これらは第三の道の主要メンバーだと考えられる。
第三の道の主要メンバー
小説The Brothers’ Warによれば、第三の道の主要メンバーとして5人が登場している。
大修道院長(The Archimandrite):テリシア市(Terisia City)1に建てられた象牙の塔(Ivory Towers)に属する学者たちの第一人者である人間女性だ。テリシア大陸中の学者や魔術師に声を掛け、テリシア市に第三の道を発足した。テリシア市陥落後に行方不明となる。
フェルドン(Feldon):ロノム氷河から発見された遺物を研究する考古学者。人間男性。
ロラン(Loran):アルガイヴの工匠。人間女性。少女時代はトカシアの発掘キャンプで、ウルザとミシュラの兄弟と共に学んでいた。
ハーキル(Hurkyl):ラト=ナム大学の共同創設者である人間女性の魔術師。夫のドラフナとは違って、第三の道の創設後はラト=ナムに戻らず、テリシア市に滞留して瞑想法などを通じた魔術研究に没頭していた。テリシア市陥落時に戦死。
ドラフナ(Drafna):ラト=ナム大学の共同創設者である人間男性の魔術師。妻ハーキルの死後、敵討ちのためにウルザとミシュラの兄弟を精神隷属させるアーティファクト石脳(Stone Brain)の開発などを行った。
余談だが、ラト=ナム大学は人間を改良した人工のマーフォークや天使を創造した。
また、テリシア西部地下には溶岩に生息するニソロ(Nisoro)という種がいる。兄弟戦争時に魔法で生み出されたと見られている。
私の個人的な推測なのだが。あるいは、これらは妻の復讐に囚われたドラフナが、兄弟に対抗するために形振り構わずに生み出した兵器だったのかもしれない。
イラストの5人は誰か?
2022年8月24日現時点で、私はまだ、細部までハッキリ分かるだけのサイズで、全体隅々まで描かれたイラストを確認できていない。とはいえ、このイラストの5人のうち2人の正体が、フェルドン(Feldon)とハーキル(Hurkyl)であると自信を持って断言できる。
2022年8月26日現時点、十分大きなサイズで全体が分かるカード・イラストを確認できた。この新情報を踏まえて考察を書き換えた。サナスティアン・ファルコナー(Sunastian Falconer)と、名前が不明なカルサリオン(Carthalion)の2人はまず間違いないだろう。
最上段:フェルドン
第三の道の創設のイラスト最上段に居る人物は明らかにフェルドン(Feldon)である。
このイラストの人物は顎ひげを蓄えた男性だ。身体の中心で縦に真っ二つに分断された構図であるが、向かって左側を見ると手には女性の顔(仮面?)を掲げ持ち、向かって右側の手には杖を携えていると確認できる。
以上のような特徴はフェルドンと合致するものだ。小説The Brothers’ Warと短編Loran’s Smile、カード化されたフェルドンのイラストのそれぞれと比べれば明白だ。
女性の顔はフェルドン最愛の女性ロラン(Loran)を模した作り物で、杖はロノム氷河からの発掘品で、彼が愛用する歩行杖である。
中段左:ハーキル
次に第三の道の創設のイラスト、中段の左の人物に移ろう。この女性はハーキル(Hurkyl)で間違いない。
まずイラストの人物は前髪を切りそろえた、髪の長い女性である。そして、決め手となるのが右手に持っている逆C字型の物品だ。
ハーキルの召還術(Hurkyl’s Recall)のイラストを確認してみると、描かれた女性と手に持つ物品の特徴が完全に一致するのだ。
ハーキルの召還術のイラストの女性がハーキル自身であると考える根拠は、小説The Brothers’ Warにおける彼女の容姿に関する描写である。明らかに作中のハーキルは、ハーキルの召還術のイラストに基づいて描かれているのだ。
したがって、中段左の人物はハーキルである。
中段右:ドラフナ?
イラスト中段右は、口髭の男性で左手にハンマーを持っている。
ドラフナ(Drafna)に言及したカードDrafna’s Restorationのフレイバー・テキストや小説The Brothers’ Warの記述から、ドラフナは発掘したアーティファクトの断片から復元をするのが優秀な魔術師だ。ハンマーが修復のイメージならばあるいはこの人物がドラフナか?
下段左:カルサリオン?
イラスト下段左の人物は、右手の人差し指を立てその先に炎が灯り、左手には天秤を握る男性だ。
この人物の最大の特徴は右頬にある「三日月形の痣」である。これはドミナリアの上座ドルイドの血統である「カルサリオン(Carthalion)」の証である。
ビデオゲーム「Battlemage」内の歴史文書によれば、アンティキティー戦争期のテリシアには名前が不明のカルサリオンがミシュラ陣営に居たことが記録されている。
第三の道のメンバーのカルサリオンは、ミシュラ陣営のカルサリオンとは別人であったのだろう。でなければ、ミシュラ陣営から第三の道へ、もしくはその逆に、所属を鞍替えしたのかもしれない。
下段右:サナスティアン・ファルコナー
イラスト下段右の人物は、首からかけた円盤に右手を添え、左手には鳥をとまらせている男性だ。これにピッタリ合致するのはサナスティアン・ファルコナー(Sunastian Falconer)である。
サナスティアンにはこれまで特別な背景は持たされていなかったのだが、次に控えるカードセット「兄弟戦争」に向けて、第三の道のメンバーであったという新規設定が設けられたに違いあるまい。
さいごに
以上で第三の道の創設に関する四方山話はおしまいだ。
第三の道は兄弟戦争の範囲なので、次回のカードセット「兄弟戦争」で扱われると予想していたものだ。
まあ、これは英雄譚なので後世に伝わる伝聞にすぎない。ならば「兄弟戦争」の方では、第三の道のメンバーがそれぞれ伝説のクリーチャー・カードになってくれるのだろう。大いに期待している。
では今回はここまで。
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