クアンドリクスの栽培者(Quandrix Cultivator)はカードセット「ストリクスヘイヴン:魔法学院」収録のクリーチャー・カードである。また、MTG史上2番目の亀系人型種族のカード化でもある。
今回はアルケヴィオス次元の「亀人」であるクアンドリクスの栽培者について取り上げる。
クアンドリクスの栽培者の解説
In the gardens spread across the Quandrix campus, fern turns to forest before class is even over.
クアンドリクスの構内に広がる庭園では、授業が終わらないうちにシダが森になる。
引用:クアンドリクスの栽培者(Quandrix Cultivator)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
クアンドリクスの栽培者(Quandrix Cultivator)はアルケヴィオス次元の亀系人型種族の魔導士である。ストリクスヘイヴンのクアンドリクス大学に属している。植物を繁茂させる魔法を行使して、授業中に庭園のシダを森へと変えるほどだという。
アルケヴィオス次元の亀人
クアンドリクスの栽培者(Quandrix Cultivator)には気付きにくい特徴が隠されている。
実はこのカードは、亀系の人型種族を表したクリーチャー・カードとしては、MTG史上2番目に当たり、実は極めて貴重な存在なのである。
クリーチャー・タイプが「海亀1」のカードはそもそもあまり種類が多くはないが、その中でも人型の知的種族なのはこれ以前にはラグーンの神秘家、アーチェロス(Archelos, Lagoon Mystic)しか存在していなかったのだ。
カード以外の各種ストーリー作品や各次元設定をざっと眺めてみても、亀人はアルケヴィオス次元の他にドミナリア次元でしか確認ができていない(アーチェロスの出身次元は不明)。
亀人は設定上でも希少種族なのだ。(カードセット「ストリクスヘイヴン:魔法学院」現在)
私はこの事実を発見して、ストリクスヘイヴンではマイナー種族「亀人」の種類と生息次元が増えた、と内心小躍りして喜んだ。アルケヴィオスの亀人はどういった種族なのか?ドミナリアの亀人ケロニアン(Chelonian)との違いや共通点はどうなのか?
調査すると、亀人が登場する掌編ストーリー作品が引っ掛かった。掌編「青緑のリボン(原題:Blue-Green Ribbons)」(公式和訳)である。
遅配のワラダー
掌編「青緑のリボン」(公式和訳)には遅配のワラダー(Wallader the Eventual)というちっぽけな2亀人男性が出てくる。ストーリー上の脇役で、ストリクスヘイヴン内の配達業務に従事しており、掌編の主人公であるジモーン(Zimone)のもとに届け物を配達した。
ワラダーの短い描写から察するに、アルケヴィオスの亀人はのたくるような声3で喋り、いかにも亀らしく移動速度は遅いようだ。
ワラダーは床の方に視線を落として初めて気付かれるほどちっぽけであるが、それが亀人の種族的特徴とまで普遍化できるかは疑問だ。ワラダーとは違ってクアンドリクスの栽培者のカードの方はパワー/タフネスは3/4もあるので、ちっぽけな雰囲気は感じないし、むしろある程度大柄に思えるからだ。
結局のところ、亀人についてはクアンドリクスの栽培者とワラダーの2つの例しか見つからなかった。アルケヴィオス次元を解説する公式記事Planeswalker’s Guide to Strixhaven(公式和訳版)を読んでも、亀人については一言も言及されていなかった。現時点ではこれ以上は確かなことは何も分からない。
次にアルケヴィオス次元に再訪する際には、亀人をキッチリ取り上げてほしいものだ。

クアンドリクスの栽培者のフレイバー・テキスト
In the gardens spread across the Quandrix campus, fern turns to forest before class is even over.
クアンドリクスの構内に広がる庭園では、授業が終わらないうちにシダが森になる。
本記事の最後では、クアンドリクスの栽培者のフレイバー・テキストで気になる2つのポイントをチェックする。
クアンドリクスの構内
1つ目、「クアンドリクスの構内」と訳された原文は「Quandrix campus」であり、すなわちカードの「クアンドリクスの学舎(Quandrix Campus)」を指し示している。
つまり、カード名とフレイバー・テキストで訳の不一致が起きていることになる。「構内」と「学舎」のどちらがより正しいのだろうか?
英単語の「campus」は「キャンパス」「(大学の)構内」と訳されるもので敷地全体を含む意味合いがある。一方「学舎」は建物に意識が向いている言葉なので、カード名としてはやや意味が狭い語句に置き換えられてしまっている。
イラストを見ても、校舎を中心とした敷地の一望となっているので、「構内」や「キャンパス」の方が「学舎」よりもふさわしいと思われる。
ちなみに、ストーリー作品や背景世界記事では「学舎」とは訳されずにおおむね「キャンパス」となっている。
クアンドリクスの庭園
2つ目、「クアンドリクスの構内に広がる庭園」とはキャンパス内のどのような場所なのだろうか?
公式記事Planeswalker’s Guide to Strixhaven(公式和訳版)によると、クアンドリクスのキャンパスには「発達の庭園(The Cultivarium)」がある。発達の庭園では、教授たちが成長魔法を繰り返し教えてきた歴史があり、そうして何世紀も経たことで、この一帯では成長魔法の効果はより強力に発揮される。
フレイバー・テキストでは、「授業が終わらないうちにシダが森になる」と書かれており、発達の庭園での授業と強化された成長魔法という設定にぴたりと符合している。
したがって、「クアンドリクスの構内に広がる庭園」は「発達の庭園」とみなして間違いなさそうだ。
以上でフレイバー・テキストの気になる2つのポイントの解説は終わりだ。本記事もここまでとしたい。ではまた。
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