団結のドミナリア:アルガイヴの騎兵

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アルガイヴの騎兵(Argivian Cavalier)カードセット「団結のドミナリア」収録のクリーチャー・カードである。

今回は、このオーク騎士を描いたカードを取り上げ、新アルガイヴの民となったオークとはどのような人々なのかを探る。

アルガイヴの騎兵の解説

アルガイヴの騎兵(Argivian Cavalier)

データベースGathererより引用

アルガイヴの騎兵(Argivian Cavalier)AR4562年の新アルガイヴのオークの騎士と、その従士を表したカードである。このカード自体がオークの騎兵であり、戦場に出た時に生成する兵士トークンが従士となる。

カードのイラストでは、オークの女性騎士が従士の差し出した剣を引き抜く瞬間が描かれている。2人とも毛皮のケープをまとい、騎士と騎馬の防具には三角文様の意匠がある。これらには新アルガイヴでもバルデュヴィア的な特徴が現れている。

騎士たちの背後に立ち並ぶ建物(兵舎?)には連合の紋章が描かれていることから、この場面が新ファイレクシアによる侵略が明らかになった後のAR4562年の情景だと特定される。



新アルガイヴのオーク

Orc General

暗黒時代テリシアのオークの将軍はゴブリンを率いて人を襲った。現代でも当時と変わらぬオークも存在している。
Orc General
データベースGathererより引用

よくあるオークという種族のイメージというと、人間に敵対した野蛮で侵略的な集団であろう。MTGでも基本的にそれは変わらない。ならば、アルガイヴの騎兵に描かれたオーク騎士は例外的なオークなのだろうか?

イーサン・フライシャー(Ethan Fleischer)は現在の新アルガイヴのオークについてこう解説している(出典リンク1リンク2)。オークの中には山奥で暮らし、定期的にゴブリンの軍勢を率いて山を下りて都市や街を襲撃する、という先祖と変わらない者もいる。その一方で、氷河期という最悪の状況下でバルデュヴィアやキイェルドーに加わった者もいた。その子孫は力強くカリスマに満ちた民であり、軍に従事する傾向があり、時には士官として優秀な成績を収めることもある。(以上引用)

アルガイヴの騎兵(Argivian Cavalier)

データベースGathererより引用

つまり、氷河期のバルデュヴィアやキイェルドーの時点で人間主体の国に加わったオークが居た。バルデュヴィアとキイェルドーは氷河期後のAR2954年に合併して新アルガイヴに生まれ変わり、オークはその民として子孫を残してきた。強くカリスマ的で、軍事に向いた民、それがオークの騎兵に代表される新アルガイヴのオークなのである。

実は、この手のオークはカードセット「団結のドミナリア」で後付けされた突飛な新設定、とは言えないものだ。短編The Crucible of the Orcs短編集The Colors of Magic収録)によれば、氷河期後の洪水時代を舞台にしたこの作品では、バルデュヴィアを構成する種族の中にオークが含まれているとしっかり書かれているのだ。

現代ドミナリアの世界構築において、この短編の記述を拾って発展的に膨らませた設定が、今回のオークの騎兵として結実したと考えられる。まさに「歴史の世界」と定義されたドミナリア次元らしい話である。

アルガイヴの騎兵のトリビア

アルガイヴの騎兵は「白単色のオーク・クリーチャー・カード」である。

D&Dとのコラボ企画カードセットを除けば、白単オークはこのカードがMTG史上初となる。

白を含む多色カードを含めると、赤白黒のオーク・クリーチャー・カードならば、タルキール次元に2種類カードが存在している(白単色では無し)。

白単色のオークとは、MTG独自の世界観ではそれほど珍しい存在なのだ。

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