カードセット「基本セット2020」収録の緑カード一覧。
基本セット2020自体にはストーリー的な柱がないので、個別記事を作るまでもないカードはここにまとめている。
公式カードギャラリーに全カード登録された。こちらにも緑カード全登録済み。
基本セット2020 ブースターパック 英語版 36パック入りBOX(AMAZON)
基本セット2020 ブースターパック 日本語版 36パック入りBOX(AMAZON)
- 基本セット2020の緑の傾向
- 緑コモン
- 輝き森の追跡者(Brightwood Tracker)
- ケンタウルスの狩猟者(Centaur Courser)
- 残忍な発動(Feral Invocation)
- 獰猛な仔狼(Ferocious Pup)
- 楽園の贈り物(Gift of Paradise)
- 緑林の歩哨(Greenwood Sentinel)
- 成長周期(Growth Cycle)
- 林間の癒し手(Healer of the Glade)
- 枝葉族のドルイド(Leafkin Druid)
- マンモスグモ(Mammoth Spider)
- 自然な最期(Natural End)
- 網投げ蜘蛛(Netcaster Spider)
- 垂直落下(Plummet)
- 狂気の一咬み(Rabid Bite)
- 菅草の蠍(Sedge Scorpion)
- シルバーバックの巫師(Silverback Shaman)
- 茂み壊し(Thicket Crasher)
- 貪爪(Vorstclaw)
- 狼族の絆(Wolfkin Bond)
- 緑アンコモン
- 緑レア
- 緑神話レア
- 緑の番外カード
- 基本セット2020緑カードの関連記事
基本セット2020の緑の傾向
カードセット「基本セット2020」収録の緑カードは全41種類(コモン19種類、アンコモン12種類、レア8種類、神話レア2種類)。アンコモンのうち1種類は有色アーティファクト(狼乗りの鞍(Wolfrider’s Saddle))。
再録カードを見ると、コモンは6割程度に当たる13種類が再録で、アンコモンは4割に当たる5種類が再録である。レアと神話レアは新規のみ。
収録されたプレインズウォーカーはビビアン・リード(Vivien Reid)である。他のカードのフレイバー・テキストでの言及もある→茂み壊し(Thicket Crasher)と呼応した呼集(Shared Summons)。
伝説のクリーチャーは凶暴な見張り、ガーゴス(Gargos, Vicious Watcher)が登場しているが、フレイバー・テキストやイラストへの登場は見当たらない。
他の色のカードのキャラクターに言及するものもある。
フレイバー・テキストには以下のようなキャラクターがおそらく初登場している。
- カルニのドルイド、ホレント(Horent, Khalni druid)→覚醒根の精霊(Wakeroot Elemental)
- 墓の哲人、ジェデグ(Jeddeg, philosopher of graves)→緑:土覆いのシャーマン(Loaming Shaman)、多色:腐れ蔦の再生(Moldervine Reclamation)
- 獣相のシャーマン、ティリス(Tyris, fauna shaman)→成長周期(Growth Cycle)
- トレイリアの昆虫学者、デリン・バーティング(Dellin Berting, Tolarian entomologist)→マンモスグモ(Mammoth Spider)
過去カードからの完全な引用として登場した既存キャラクターもいる。
- 西門の賢者、ラマール(Ramal, sage of Westgate)→ケンタウルスの狩猟者(Centaur Courser)
- ナイレア(Nylea)→残忍な発動(Feral Invocation)
- 戦車乗り、ケムセス(Khemses, charioteer)→超克(Overcome)
- 太陽帝国の射手、マーフウィズ(Mahuiz, Sun Empire archer)→垂直落下(Plummet)1
- ラムホルトの宿主、モーカンプ(Morkamp, Lambholt innkeeper)→狂気の一咬み(Rabid Bite)
再録カードの中には以前と同じフレイバー・テキストを持つものがあるが、和訳製品版で文章が修正されているものがある。翻訳を日本語的により自然な表現に整えたものだろう。→大群の力(Might of the Masses)
緑コモン
輝き森の追跡者(Brightwood Tracker)
「ここを通った者は多いけれど、私が求める足跡は一つだけだわ。」
引用:輝き森の追跡者(Brightwood Tracker)のフレイバー・テキスト
輝き森の追跡者(Brightwood Tracker)
ケンタウルスの狩猟者(Centaur Courser)
「ケンタウルスは真に自由だ。 誘惑に負けることもなければ、恐怖に操られることもない。 彼らの生き様は、我らの類がまだ達していない完全な調和を成している。」
–西門の賢者、ラマール
引用:ケンタウルスの狩猟者(Centaur Courser)のフレイバー・テキスト
ケンタウルスの狩猟者(Centaur Courser)はカードセット「基本セット2010」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
フレイバー・テキストの発言者「西門の賢者、ラマール(Ramal, sage of Westgate)」はこのカードが再録されるたび同じフレイバー・テキストが引用されて再登場しているが、基本セット2020現在で他には出たことがないキャラクターである。
残忍な発動(Feral Invocation)
ナイレアの神聖なオオヤマネコは、ネシアンの森を尊重する者を守護し、しない者を狩る。
引用:残忍な発動(Feral Invocation)のフレイバー・テキスト
残忍な発動(Feral Invocation)はカードセット「テーロス」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
ナイレア(Nylea)はテーロスの狩猟の神、ネシアンの森(Nessian Wood)はテーロスの地名である。このカードは狩猟の神ナイレアへの祈願により神聖なオオヤマネコの力をその身に降ろす魔法のようだ。
カード名の「Invocation」は、神などの大いなる力に祈願すること、または、そうした祈願で起こす魔法や奇跡のこと、といった意味である。法的権限に関する時には「(法の)発動」と訳されることがある。MTG和訳では、「invocation」の関連語「invoke」や「invoker」で「発動(する)」「発動者」と訳された先例に倣ってか、法的権限の発動でない場合でも一緒くたに「発動」と長い間、訳されてきた。現在では「祈り」「祈祷」などと翻訳するカードも出てきている。
獰猛な仔狼(Ferocious Pup)
The strongest pack has the fiercest pups.
最強の群れには最強の仔がいる。
引用:獰猛な仔狼(Ferocious Pup)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
獰猛な仔狼(Ferocious Pup)
フレイバー・テキスト原文は「the fiercest」つまり「最も獰猛な、最も凶暴な」である。和訳製品版は最初の「最強」に対応した語感の良さを意味よりも優先して「最強」と訳を当てたのだろうか。そうなら、「最も凶暴な仔」という意味なのだから「最凶の仔」くらいにすれば、と思わないでもない。
楽園の贈り物(Gift of Paradise)
楽園の贈り物(Gift of Paradise)はカードセット「アモンケット」からの再録カード。イラストは据え置き。
したがって、このカードはアモンケット次元に属している。
緑林の歩哨(Greenwood Sentinel)
森林の周囲1マイルまで近づけば、彼女の視線を感じる。森林の境界の内側に入れば、彼女の刃を感じることになる。
引用:緑林の歩哨(Greenwood Sentinel)のフレイバー・テキスト
緑林の歩哨(Greenwood Sentinel)はカードセット「基本セット2019」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
成長周期(Growth Cycle)
「汝の古き殻を脱ぎ捨てよ!強く滑らかに生まれ出でよ!」
–獣相のシャーマン、ティリス
引用:成長周期(Growth Cycle)のフレイバー・テキスト
成長周期(Growth Cycle)
フレイバー・テキストの発言者「獣相のシャーマン、ティリス(Tyris, fauna shaman)」は今回が初登場か。
獣相のシャーマン(fauna shaman)はカードセット「基本セット2011」でカードになっている。林間の癒し手(Healer of the Glade)
「苦悩と怒りと 悪夢が消えて
希望と安寧 巻き起こる。」
–バーラ・ゲドの哀歌、第4節
引用:林間の癒し手(Healer of the Glade)のフレイバー・テキスト
林間の癒し手(Healer of the Glade)
冒涜されたもの、ヤロク(Yarok, the Desecrated)のフレイバー・テキストから始まった「バーラ・ゲドの哀歌」シリーズその4。
バーラ・ゲド大陸とヤロクに関係するこのカードはゼンディカー次元に属している。
枝葉族のドルイド(Leafkin Druid)
「私は周囲に育つすべての命に根差している。私を退かすことはできない」
引用:枝葉族のドルイド(Leafkin Druid)のフレイバー・テキスト
枝葉族のドルイド(Leafkin Druid)は人型エレメンタル族(エレメンタルキン)の1種。
マンモスグモ(Mammoth Spider)
“If a careless elf ends up caught in a spider’s web, we must expect nature to take its course. Do not blame the spider for being a spider.”
–Dellin Berting, Tolarian entomologist
「愚かなエルフが蜘蛛の巣網にかかったなら、自然の成り行きを想定しなければならない。蜘蛛が蜘蛛であることを責めてはならない。」
–トレイリアの昆虫学者、デリン・バーティング
引用:マンモスグモ(Mammoth Spider)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
マンモスグモ(Mammoth Spider)はカードセット「ドミナリア」からの再録カード。イラストは据え置き。フレイバー・テキストだけが差し変わっている。
フレイバー・テキストの発言者「トレイリアの昆虫学者、デリン・バーティング(Dellin Berting, Tolarian entomologist)」は今回が初登場か。
トレイリアはドミナリア次元の地名または学院名。したがって、このカードは初出時と同じくドミナリアに属している。
自然な最期(Natural End)
取り憑かれた刃が砕け散ると、霊が感謝に満ちた様子で漂い出でて、祝福された眠りへと向かっていった。
引用:自然な最期(Natural End)のフレイバー・テキスト
自然な最期(Natural End)はカードセット「アヴァシンの帰還」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
したがって、このカードはイニストラード次元に属している。
網投げ蜘蛛(Netcaster Spider)
それは群れからはぐれた個体を間引くことに長けている。
引用:網投げ蜘蛛(Netcaster Spider)のフレイバー・テキスト
網投げ蜘蛛(Netcaster Spider)はカードセット「基本セット2015」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
垂直落下(Plummet)
“Even the pterodon, who chases the clouds from its skies, must bow to the great forest below.”
–Mahuiz, Sun Empire archer
「自分の縄張りから雲を追い出すプテロドンでさえ、眼下の大森林には逆らえない。」
–太陽帝国の射手、マーフウィズ
引用:垂直落下(Plummet)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
垂直落下(Plummet)はカードセット「基本セット2011」からの再録カード。イラストはカードセット「イクサランの相克」再録時のバージョン。
フレイバー・テキスト原文はイクサランの相克のバージョンを手直しした物に変わっている(和訳製品版は変更していない)。語っている内容自体は同じである。
“Still, the pterodon chasing the clouds from its skies must bow to the great forest below.”
–Mahuiz, Sun Empire archer
引用:イクサランの相克のバージョンのフレイバー・テキスト
フレイバー・テキスト和訳製品版はイクサランの相克の時点から原文より言葉を補って作文している。「自分の縄張りから」という部分は、イクサランの相克にも基本セット2020にも原文では「from its skies」つまり「その(プテロドンの)空から」となっている。さらに「chasing the clouds」を雲をただ追い駆けるのではなく「雲を追い出す」としている。これらの工夫は、イクサランの相克に収録された太陽冠のプテロドン(Sun-Crested Pterodon)のフレイバー・テキストの情報から補完した翻訳だろう。
「プテロドンは自分たちの縄張りに侵入するものを許さない。雲でさえ、ご機嫌をうかがう必要があるんだ。」
–太陽帝国の射手、マーフウィズ
引用:太陽冠のプテロドン(Sun-Crested Pterodon)のフレイバー・テキスト
さて、基本セット2020のこのカードがどこの次元のものか一応確認すると、プテロドンはイクサランに生息する空を飛ぶ恐竜。太陽帝国はイクサランの国。太陽帝国の射手、マーフウィズ(Mahuiz, Sun Empire archer)はイクサランの相克のキャラクター。したがって、このカードはイクサラン次元に属している。
狂気の一咬み(Rabid Bite)
「両方の顔を見比べるべきだったな。」
–ラムホルトの宿主、モーカンプ
引用:狂気の一咬み(Rabid Bite)のフレイバー・テキスト
狂気の一咬み(Rabid Bite)はカードセット「イニストラードを覆う影」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
したがって、このカードはイニストラード次元に属している。
ラムホルトの宿主、モーカンプ(Morkamp, Lambholt innkeeper)は、基本セット2020時点で、このカードにのみ登場しているキャラクターである(再録も含む)。
菅草の蠍(Sedge Scorpion)
豪力なるサコリディーズ
数多のミノタウルスを屠りし者
幾多の巨人を破りし者
一匹の蠍により倒る
–アクロスの墓銘
引用:菅草の蠍(Sedge Scorpion)のフレイバー・テキスト
菅草の蠍(Sedge Scorpion)はカードセット「テーロス」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
したがって、このカードはテーロス次元に属している。
シルバーバックの巫師(Silverback Shaman)
ヤヴィマヤに住むゴリラたちは祖先の霊から強さを引き出す。
引用:シルバーバックの巫師(Silverback Shaman)のフレイバー・テキスト
シルバーバックの巫師(Silverback Shaman)
ヤヴィマヤ(Yavimaya)はドミナリア次元の地名で、文明を持つゴリラが居住している。したがって、このカードはドミナリア次元に属している。
このカードはカード名の和訳が異例かつ異質である。
カード名の「Shaman」は「巫師」と訳されているが、MTGでの定訳は「シャーマン」である。これまでは、タルキール次元のカードにおいてのみ「巫師」と訳されており、タルキール覇王譚ブロックの後のカードでは再び「シャーマン」と訳されてきた。つまり、タルキール固有の用語的な扱いであった。
上述の通り、このカードはドミナリアのシャーマンであり、タルキールとは全く関連がない。また、ヤヴィマヤの「Gorilla Shaman」はカードセット「コールドスナップ」時点で「ゴリラのシャーマン」とすでに訳されている。ヤヴィマヤでの既存訳は「シャーマン」であって「巫師」ではないのだ。
基本セット2020収録のカード群を見ても(再録であるが)「土覆いのシャーマン(Loaming Shaman)」があるし、プレインズウォーカーデッキの方にも「水族のシャーマン(Waterkin Shaman)」がある。
以上のように、このカードだけが異質であって、なぜ「巫師」と訳し分けたのか意図がまったく見えてこない。
茂み壊し(Thicket Crasher)
「森を踏みつけ過ぎると、お返しにあなたを踏みつけに来るわよ。」
–ビビアン・リード
引用:茂み壊し(Thicket Crasher)のフレイバー・テキスト
茂み壊し(Thicket Crasher)
フレイバー・テキストの発言者はビビアン・リード(Vivien Reid)である。
貪爪(Vorstclaw)
その根は深く張り、時にはそっとしておくべきものにも入り込む。
引用:貪爪(Vorstclaw)のフレイバー・テキスト
貪爪(Vorstclaw)はカードセット「アヴァシンの帰還」からの再録カード。イラストは据え置き。フレイバー・テキストだけが差し変わっている。
したがって、このカードはイニストラード次元に属している。
狼族の絆(Wolfkin Bond)
狼族の絆(Wolfkin Bond)はカードセット「異界月」からの再録カード。イラストは据え置き。
したがって、このカードはイニストラード次元に属している。
緑アンコモン
樹皮革のトロール(Barkhide Troll)
樹皮革のトロール(Barkhide Troll)
吠える巨人(Howling Giant)
巨人と群れは同じ悲しげな歌を月に向かって歌う。
引用:吠える巨人(Howling Giant)のフレイバー・テキスト
吠える巨人(Howling Giant)
土覆いのシャーマン(Loaming Shaman)
「生者はずっと生きたままではない。死者は必ずしも死んだままではない。」
–墓の哲人、ジェデグ
引用:土覆いのシャーマン(Loaming Shaman)のフレイバー・テキスト
土覆いのシャーマン(Loaming Shaman)はカードセット「ディセンション」からの再録カード。イラストは据え置き。フレイバー・テキストだけが差し変わっている。
墓の哲人、ジェデグ(Jeddeg, philosopher of graves)は今回が初登場か。多色カードの腐れ蔦の再生(Moldervine Reclamation)でも登場している。
大群の力(Might of the Masses)
The Joraga elves never need ask a troll to leave their territory. They merely grant it their combined strength, and it can’t resist embarking on a merry rampage.
ジョラーガのエルフは、トロールに領地から出て行けと言う必要がまったくない。 彼らの力を渡しさえすれば、トロールは楽しい襲撃に出かけることを我慢できなくなるからだ。
引用:大群の力(Might of the Masses)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
大群の力(Might of the Masses)はカードセット「エルドラージ覚醒」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
したがって、このカードはゼンディカー次元に属している。
フレイバー・テキストの英語原文は同じなのだが、和訳版は翻訳が差し変わっている。
ジョラーガのエルフは、トロールに対して領地から出て行けとは言わない。単に彼らの力を渡すだけで、嬉々として襲撃に出かけることを我慢できなくなるからだ。
引用:エルドラージ覚醒バージョンのフレイバー・テキスト
以前の翻訳の問題点は不明瞭さである。不明瞭さの原因1つめが「単数と複数」、2つめが「主語の省略」。2
まず「単数と複数」の問題。旧フレイバー・テキストでは「彼らの力」の彼らが「ジョラーガのエルフ」か「トロール」か分からない。原文ではエルフは複数形で、トロールは単数なので、取り違えることはない。
次は「主語の省略」。「嬉々として襲撃に出かけることを我慢できなくなる」の主語は誰なのか?「ジョラーガのエルフ」でも「トロール」でもそれなりに意味が通ってしまう日本語文であるし、最初の文の主語は「ジョラーガのエルフ」なのでこちらの文も主語がエルフで継続と受け取られて当然な文章である。原文の主語は「it」と単数なので「トロール」の方だ。
どういう誤解を生んでいたかというと…。
「ジョラーガのエルフは、トロールに対して領地から出て行けとは言わない。単にトロールの力を渡すだけで、エルフは嬉々として襲撃に出かけることを我慢できなくなるからだ。」
トロールがエルフの領地にとどまれる理由は、エルフに力を渡して戦意を高揚させるという利得があるから…、旧フレイバー・テキスト和訳はこう間違って読まれる恐れをはらんでいる。
今回の変更はより自然で明瞭な日本語表現への調整と思われる。その点で、基本セット2020スタッフの翻訳修正は成功を収めている。
超克(Overcome)
「進め!地平の果てまでも我らのものとするのだ。」
–戦車乗り、ケムセス
引用:超克(Overcome)のフレイバー・テキスト
超克(Overcome)はカードセット「破滅の刻」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
戦車乗り、ケムセス(Khemses, charioteer)はアモンケット・ブロックのキャラクター。したがって、このカードはアモンケット次元に属している。
はびこる精霊(Overgrowth Elemental)
はびこる精霊(Overgrowth Elemental)
ムラーサの胎動(Pulse of Murasa)
「可憐な花の千々に咲き、なれの墓より茂るごと、試練の兵よ戻り来て、共に再び戦わん。」
引用:ムラーサの胎動(Pulse of Murasa)のフレイバー・テキスト
ムラーサの胎動(Pulse of Murasa)はカードセット「ゲートウォッチの誓い」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
ムラーサはゼンディガーの大陸の1つ。したがって、このカードはゼンディカー次元に属している。
成長の季節(Season of Growth)
「目覚めよ。顔を上げ太陽に向けよ。」
引用:成長の季節(Season of Growth)のフレイバー・テキスト
成長の季節(Season of Growth)
打ち壊すブロントドン(Thrashing Brontodon)
群れの縄張りを守ることの方が、自分の身を守ることよりも重要なのだ。
引用:打ち壊すブロントドン(Thrashing Brontodon)のフレイバー・テキスト
打ち壊すブロントドン(Thrashing Brontodon)はカードセット「イクサランの相克」からの再録カード。イラストもフレイバー・テキストも据え置き。
したがって、このカードはイクサラン次元に属している。
夏の帳(Veil of Summer)
夏の帳(Veil of Summer)
狼乗りの鞍(Wolfrider’s Saddle)
狼乗りの鞍(Wolfrider’s Saddle)
このカードの属する次元を調べるのに、狼に乗るための装具だけでは判断する材料としては心もとない。ここでは1つの参考として、ラヴニカ次元のレーデヴの例を挙げておく→レーデヴ守護団(Ledev Guardians)。
森林の勇者(Woodland Champion)
「森の大地を進むすべての足取りが鼓動となり、私の血管に強さを注ぎ込むのです。」
引用:森林の勇者(Woodland Champion)のフレイバー・テキスト
森林の勇者(Woodland Champion)
緑レア
エルフの開墾者(Elvish Reclaimer)
エルフの開墾者(Elvish Reclaimer)
凶暴な見張り、ガーゴス(Gargos, Vicious Watcher)
凶暴な見張り、ガーゴス(Gargos, Vicious Watcher)は伝説のハイドラ。
豊穣の力線(Leyline of Abundance)
豊穣の力線(Leyline of Abundance)
夜群れの伏兵(Nightpack Ambusher)
強いリーダーがいると群れは大きくなる。
引用:夜群れの伏兵(Nightpack Ambusher)のフレイバー・テキスト
夜群れの伏兵(Nightpack Ambusher)
呼応した呼集(Shared Summons)
「困難な時には、森は身を守る庇護者を生み出すわ。」
–ビビアン・リード
引用:呼応した呼集(Shared Summons)のフレイバー・テキスト
呼応した呼集(Shared Summons)
フレイバー・テキストの発言者はビビアン・リード(Vivien Reid)である。
カード名和訳製品版の「呼集(こしゅう)」とは「分散している者を呼び集めること」。「summons」の訳としては辞書的には間違っていないが異例の翻訳である。MTGでは「summons」は通例「召喚」と翻訳されてきた言葉で、魔法による召喚を指して用いられる。このカードも召喚魔法だ。
また「Shared」は「共有の、共用の」といった意味。このカードは1つの召喚魔法を共有してクリーチャー2体を呼び出すことができる、という含みの命名だろう。
マーク・ローズウォーターの記事Core Than Meets the Eyeによると、カード名は頭韻を踏む2語で命名したとのこと。和訳もその方針を活かして「呼応した呼集」とつけたようだ。苦労が窺える。
変容するケラトプス(Shifting Ceratops)
変容するケラトプス(Shifting Ceratops)
大食のハイドラ(Voracious Hydra)
大食のハイドラ(Voracious Hydra)
覚醒根の精霊(Wakeroot Elemental)
「森が歩き出したら、走って逃げても遅い。」
–カルニのドルイド、ホレント
引用:覚醒根の精霊(Wakeroot Elemental)のフレイバー・テキスト
覚醒根の精霊(Wakeroot Elemental)
カルニのドルイド、ホレント(Horent, Khalni druid)は今回が初登場か。
このカードはゼンディカー次元に属している。
緑神話レア
茨の騎兵(Cavalier of Thorns)
茨の騎兵(Cavalier of Thorns)は人型エレメンタル族(エレメンタルキン)の1種。
アーク弓のレインジャー、ビビアン(Vivien, Arkbow Ranger)
アーク弓のレインジャー、ビビアン(Vivien, Arkbow Ranger)はスカラ次元出身のエルフ女性のプレインズウォーカーである。
ビビアン・リード(Vivien Reid)は、ニコル・ボーラスへの復讐という強い動機付けを打ち出して登場したキャラクターであったが、灯争大戦のストーリーでボーラスが倒された今、ビビアンはどう生きていくのだろうか?
カードセット「基本セット2020」では茂み壊し(Thicket Crasher)と呼応した呼集(Shared Summons)のフレイバー・テキストでも登場している。
緑の番外カード
※ 「番外カード」は基本セット2020本体には収録されていないカード。
コモン
- ビビアンのクロコダイル(Vivien’s Crocodile)番外カード
- 逆毛の猪(Bristling Boar)番外カード
- 梢の蜘蛛(Canopy Spider)番外カード
- エリマキサンドワラ(Frilled Sandwalla)番外カード
- 樫変化(Oakenform)番外カード
- 尊き一角獣(Prized Unicorn)番外カード
- 剛力化(Titanic Growth)番外カード
- 森林の神秘家(Woodland Mystic)番外カード
アンコモン
レア
神話レア