ロバラン傭兵団(Robaran Mercenaries)はドミナリア次元の半傭兵、半海賊の組織である。数々の英雄が所属していた。
カードセット「レジェンド」のジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)のフレイバー・テキストが初出で、後にジェディットが主役のコミックや小説三部作で登場した。
初出から28年後のカードセット「団結のドミナリア」でカード化された。
追記(2023年7月16日):ビジュアルガイドでレジェンドサイクル1はAR3334年に確定したため記事内の年代を修正した。
追記(2023年9月2日):ロバラン傭兵団の七人衆の解説と、作中に登場した七人衆のメンバーを紹介を記事に追加した。
ロバラン傭兵団の解説
ロバラン傭兵団(Robaran Mercenaries)は、AR34世紀初頭(かそれ以前)の西ジャムーラ亜大陸南部で結成された半傭兵、半海賊の組織である。構成員は「ロバー(Robar)/複数形:ロバーズ(Robars)」1と呼ばれる。本拠地は、西ジャムーラ亜大陸スクールヴィア砂漠の西を流れるトロロン川、その中流域沿いの都市パルミラ(Palmyra)である。
最も有名なロバラン傭兵団は、3代目頭目2ジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)であろう。先代頭目アディラ・ストロングハートの名の下に、ジェディットはロバーズを率いてジャムーラ大陸を越えて冒険をした。悪意ある諸都市3や谷を征し、不毛の荒野や豊かな密林、危険な山脈を探検した。武力と共に、知識と法を携えて、入植そして開拓し、発展させた。ロバラン傭兵団たちは入植地や前哨地の統治者や領主、裁判官、造船業者、ギルド商人、その他の役人となった。
ジェディット頭目時代の栄華から1200年以上経ったAR46世紀現在でも、ロバラン傭兵団はドミナリアで活動し続けている。
七人衆
七人衆(The Circle of the Seven)は、頭目が手ずから選んだ個人的護衛団であり、ロバラン傭兵団の精鋭である。
名前は「七人衆」だからといって総勢「七人」とは限らない。ハゼゾン・タマルは敢えて「七」と名乗ることで、相手に誤った印象を抱かせ判断を誤らせる戦略だと看破していた。作中で初登場した時点で七人衆は「8人」いた。
正式名称が「The Circle of the Seven」で、略式に「The Seven」や「Adira’s Seven」、「The Circle」などとも表記されている。構成メンバーは「Sevener」と呼ばれることも多い。本サイトでは、以上をうまく訳し分ける言葉を思いつかないので、全部まとめて「七人衆」と記すことにしている。
七人衆は海賊ではない
ロバラン傭兵団は「半海賊・半傭兵」と評される組織だが、七人衆はその後者の性質を代表する者たちだ。
つまり、七人衆には海賊のメンバーも含まれるているものの、ほとんどは船乗りではない。射手、斥候、何らかの武器の使い手、軍人、ドルイドといった感じだ。その上、泳げない、海への船出を渋る、そもそも海を見たことがない、といった者すら何人もいるのである。最終的に初期に居た船乗り系の人員が死亡退場し、戦闘要員メンバーばかりが加わったことで、七人衆の海賊要素はごく薄くなってしまう。
アディラ・ストロングハートが2代目頭目となってから、ロバーズは盗賊の集まりから傭兵に変化していったと語られている。そして、元ロバーズであったハゼゾン・タマルが当初は「七人衆」をよく知らなかったことから、初代頭目ハンディング・ギョルナーセン時代に「七人衆」は存在していなかったに違いない。
七人衆すぐ死ぬ
七人衆はよく死ぬ。名前付きキャラクターが登場しては死亡退場し、新たにメンバーを補充して、そしてまた死ぬ。
ロバラン傭兵団は「赤シャツ」同然だ、と読者に強く印象を抱かせるのは七人衆がそうだからである。
レジェンドサイクル1小説三部作には「約20人」もの七人衆が登場しており、入れ替わり立ち代わりで結局、三部作の最後まで存命なのがたった「8人」なのであった。
七人衆の人数の変遷
七人衆の人数に決まりはないとはいえ、レジェンドサイクル1小説三部作(小説Johan、小説Jedit、小説Hazezon)では、概ね7人強になるようにストーリー進行中に人数が調整される。4
こうして三部作の最後時点で、新頭目ジェディット・オジャネンの七人衆はマードック、ヴェッチ、チャル、キイェノウの4名からスタートとなった。ロバラン傭兵団は規模が一気に拡大したので次の候補者には困らなかったはずだ。
ロバラン傭兵団の主要メンバー
ロバラン傭兵団の中でも、頭目たちや伝説のクリーチャー・カードとして存在しているメンバーを取り上げる。
ほとんどのキャラクターは、レジェンドサイクル1小説三部作(小説Johan、小説Jedit、小説Hazezon)が情報源である。
初代頭目ハンディング・ギョルナーセン
ハンディング・ギョルナーセン(Hunding Gjornersen)はロバラン傭兵団の初代頭目である。ロバーズはハンディングが団結した当初は盗賊の集まりだった。ハンディングは荒くれ者たちをまとめ、腕っぷしの強さで君臨していたが、物語の10年前(AR3324年)に副官アディラに頭目の座を譲って引退した。
コミック版ジェディット・オジャネンでは、頭目ではなくロバラン傭兵団の現役メンバーとして登場していた。
ハゼゾン・タマル
ハゼゾン・タマル(Hazezon Tamar)はジャムーラ南部の都市ブライスの統治者であり、ロバラン傭兵団の元メンバーであった。人間男性。
ハゼゾンはレジェンド・サイクル1小説三部作の物語の30年以上前(AR3304年以前)から海洋生活をしていた旨が語られているため、ロバラン傭兵団は既にその時点には存在していたと考えられる。
メンバーかもしれない?スタング
スタング(Stangg)はロバラン傭兵団のメンバーであったかもしれない人物だ。
レジェンド・サイクル1小説三部作の物語の10年以上前(AR3324年以前)、ハゼゾン・タマルとアディラ・ストロングハートが夫婦だった頃の海賊船の名称が「スタングの牙号(Stangg’s Talon)」であった。そのことから、スタングはその当時のメンバーで、船長であったかもしれないという説がファンから一定の支持を受けているのだ。
作中にはスタング本人は登場しておらず、言及も少ないため、カードセット「団結のドミナリア」現時点では真偽は不明のままだ。
2代目頭目アディラ・ストロングハート
アディラ・ストロングハート(Adira Strongheart)はロバラン傭兵団の2代目頭目である。
AR3324年にハンディング・ギョルナーセンからアディラに代替わりした後、ロバーズは傭兵団へと組織改革された。アディラの個人護衛団「七人衆(The Circle of Seven)」もこの時に作られたものと考えられる。
AR3336年、アディラは暴君ヨハン(Johan)による侵略戦争において命を落とした。その後を継ぎ、三代目頭目となったのが虎人ジェディット・オジャネンである。
3代目頭目ジェディット・オジャネン
ジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)は3代目頭目にして、最も有名なロバーズの英雄である。
AR3334年、ジェディットは初めはアディラ時代のロバラン傭兵団の同行者となり、間もなく七人衆同然5に扱われ、アディラの副官シモーヌが亡くなった後に次の副官に任命された。
本記事で先述したように、ジェディット頭目時代(AR3336年以降)にロバラン傭兵団はジャムーラを越えて探検と開拓を行って、各地の入植地を統治した。
七人衆のジャスミン・ボリアル
ジャスミン・ボリアル(Jasmine Boreal)は、AR3334年にアディラの七人衆としてロバラン傭兵団に参加していた。ただし、活動時期は長く見積もって一月半程度の短期間に過ぎない。
ちなみに、ジャスミン・ボリアルは森の魔法を振るうドルイドであるため、船で海上に出ようとなると力が思うように出せなくなると難色を示すのだった。
七人衆のメンバー
この節ではロバラン傭兵団の七人衆のメンバーを紹介する。
ただし、個別に伝説のクリーチャー・カードを有している七人衆は、前節内で既に解説済みなので除外した。ジェディット・オジャネン(Jedit Ojanen)とジャスミン・ボリアル(Jasmine Boreal)の2名が該当する。
コール
コール(Cole)は老海賊で、アディラの頼りになる副官である。人間男性。おそらく最古参メンバーの1人。
パルミラに妻と子供たちがいる。ヨハンの侵略が本格化する前、ロバラン傭兵団は戦費を稼ぐために南洋冒険に赴くが、コールはウナワンナの島で死亡する。作中2人目となる七人衆の死亡退場者。
コールが南洋冒険に行っている間に、コールの妻はパルミラの街の保安官8に選ばれていた。複数の補完間補を部下としている。
バジャー
バジャー(Badger)は海賊の人間男性。おそらく最古参メンバーの1人。
白髪交じりの黒髪であることから、「アナグマ」を指す「バジャー」と名乗っている。
コールの死亡後は、アディラの副官的な役割を果たしていた(ゆえに小説Johanでは何かと顔見せする機会が多かった)。
2作目小説Jeditの序盤、治療休息のために一時離脱するも、最終作の小説Hazezonでは既に復帰していた。とはいえ、ヨハンの飛翔艦を奪取して逃亡する際、飛翔艦の墜落事故で首の骨を折って死亡した。
ヒース
ヒース(Heath)はラジャンの精(Radjan Spirit)とエルフのハーフの男性で射手だ。アディラの七人衆でも最古参であり、彼女の最高の斥候でもあった。
レジェンド・サイクル1小説三部作を通して出番があり最後まで生き残った。ヨハン戦争終結後、ロバラン傭兵団を引退した。
ヒースの詳細はこちらの記事を参照のこと。
サイレンのシモーヌ
サイレンのシモーヌ(Simone the Siren)は陽気な笑顔のムードメーカーで、カトラスの使い手の海賊である。豊満な肉体美を誇る黒い肌の人間女性で、見事な歌い手でもあることから「サイレン」の異名を持つ。
最初の小説Johanではパッとした活躍も無く出番も多くないメンバーであったが、2作目の小説Jeditでバジャーが一時離脱をしてからはアディラの副官として出番が優遇されるようなった。ところが、急にスポットライトが当たった脇役の定番パターンであろうか、シモーヌはショークー城地下の決戦で戦死するのだった。
頭目アディラの副官の1人であるとともに、親友でもあり、愛称の「ディラ(Dira)」と呼ぶことを許されている数少ない1人である。シモーヌは最期に「Oh, kiss me, Adira….It’s dark.」とアディラに口づけを乞いながら亡くなっており、それまでの描写を考慮するに、明示的ではないが親友以上の関係であった可能性も示唆されている。
パルミラの街にはシモーヌの夫がいる。
亡くなった後も続編の小説Hazezonでアディラの親友として皆が思い起こしたり、こんな時にシモーヌがいてくれたらと当てにされたりなどと、「死亡退場したらその瞬間だけ持ち上げられてそれっきりな」七人衆の中でも破格の扱いを受けているキャラクターであった。
ウィレミナ
シスター・ウィレミナ(Sister Wilemina)は、レディ・カレリア(Lady Caleria)を弓術の女神として信奉する射手侍祭の人間女性である。「シスター」の呼称はカレリア教の射手侍祭であるためだ。
レジェンド・サイクル1小説三部作を通して出番があり最後まで生き残った。ヨハン戦争終結後、ロバラン傭兵団を引退した。
ちなみに、私は「ウィレミナ」という名前が「ウィルヘルミナ」と間違えられているのをヴォーソス界隈で何度か目にしたことがある。レジェンドサイクル1小説三部作は人気が高いとは言えないから知名度の点で仕方ないかと納得したいものの、小説三部作の既読者ですら同様に取り違えていたりしているの知って寂しい気持ちになってしまう。
マリーゴールド
マリーゴールド(Marigold)はカレリア教の射手侍祭。人間女性。シスター・マリーゴールドとも。
初登場時は、ウィレミナと2人1組でどちらも名前も言及されずに「カレリア教の射手侍祭たち」と書かれていた。その後、ロバラン傭兵団が南洋冒険に向かってから、ようやく名前が判明したもののマリーゴールドはすぐにウナワンナの島で死亡した。
作中初となる七人衆の死亡退場者。個性はウィレミナと丸被りで、死ぬためだけに出てきた名前付きモブのような、まさに赤シャツたる配役のキャラクター。
ツリートップ
ツリートップ(Treetop)はドワーフ男性。身長が人間の太腿程度までで、武器としてレイピアを扱う。
ヨハンの侵略軍との本格的な戦争が始まる直前、パルミラの街では地底海のマーフォークとの諍いが起こっていた。アディラとハゼゾン、七人衆らはその調査・交渉に地下に潜った際、ツリートップはマーフォークに襲われて溺死した。作中3人目となる七人衆の死亡退場者。
ヴァージル
ヴァージル(Virgil)は長い突起を持つ斧9の使い手である人間男性。
小説Johanでは、七人衆に加入したばかりの新メンバーであった。小説Jeditに続けて登場できたものの、最後まで生き残れず、船の難破時に死亡した。
イェーガー・オジャネン
イェーガー・オジャネン(Jaeger Ojanen)はジェディット・オジャネンの父である。虎人男性。
第1作目はジェディットではなく、父イェーガーが主に戦いの場で獅子奮迅の活躍を見せつけた。とはいうものの、戦闘での無双っぷりの他ではそれほど主役らしくはなかった、むしろ第1作目はアディラ・ストロングハートが主役じゃなかったか、というのが私の正直な印象だ。
イェーガー・オジャネンは、AR3334年の冬にロバラン傭兵団に参加し、それから4か月(長くても5か月)程度で戦死するので、七人衆としての活動期間はそんなに長くはない。
エコー
エコー(Echo)は元書記の若い人間女性。砂漠育ちの黒い肌で、泳げない。
当初はハゼゾン・タマルの部下である書記の1人であったが、ツリートップが死んだ際にハゼゾンに同行して地下に潜っており、そのまま七人衆メンバーとして居残った。
2作目小説Jeditの序盤で一時離脱するも、最終作の小説Hazezonでは既に復帰していた。
ロバラン傭兵団がヨハンの飛翔艦を奪取して逃亡する場面から、エコーはそれまでとは打って変わって描写が多くなった。だが目立ったのも束の間で、飛翔艦の墜落事故直後に山イエティ(Mountain Yeti)に襲われて死亡した。脇役が目立つと死ぬパターンを露骨に踏襲している。
マードック
マードック(Murdoch)はパルミラと共に南部同盟に加入しているヤーコイ(Yerkoy)の軍の元兵長(sergeant)である。人間男性。
愛国心に溢れ、ロバラン傭兵団の一員となった後も「ヤーコイのために!」と鬨の声を上げて戦っている。
実際の登場は小説Jeditからだが、1作目の小説Johanの時点でウィレミナが七人衆候補としてヤーコイ軍に有望な兵長がいる、とアディラに告げていた。
マードックとウィレミナは親しい友人関係である。特にマードック側は恋愛感情を抱いていたようだが、ウィレミナがロバラン傭兵団を引退するとなって、2人の関係はそこまでで進展せずに終わってしまった。
かつてヤーコイは東ジャムーラ大陸の密林探検隊として軍を派遣したことがあり、軍人時代のマードックはその一員であった。東ジャムーラの南岸沿いの密林には、蜂系人型種族ユーミディアンや猫系ドラゴンのネコルーが生息している設定が判明している。レジェンドサイクル2の方で描写されたそれらの種族に、マードックは遭遇した経験があったのかもしれない。
三部作の最後まで生き残り、3代目頭目ジェディット・オジャネンの副官かつ七人衆となった。
ウィスルダヴ・キスキン
ウィスルダヴ・キスキン(Whistledove Kithkin)はその名の通り種族はキスキン10で、小柄な体躯ですばしっこく軽業的な動きをする活発な女性だ。
ショークーの城での決戦まで生き残ったものの、ショークーその人の手で命を奪われた。
ペレグリン
ペレグリン(Peregrine)は人間女性で、ブライスの元軍人である。祖父はノスリ湾出身。
小説Johanでは、ハゼゾン・タマルが治める都市ブライスの副長(lieutenant)として初登場した。
小説Jeditにおいて、ロバラン傭兵団はヨハンの足跡を追っていた。長城を越えてノスリ湾方面に向かう段になって、ペレグリンはハゼゾンに願い出て、アディラらに同行することになった。祖父の故郷ノスリ湾を訪れたかったのである。
ペレグリンは作中で明言されていないが、七人衆のメンバーと見做していいだろう。同行してるうちに、そういう扱いになっているのがこのレジェンドサイクル1小説三部作なのだ。
ロバラン傭兵団は陸路でノスリ湾に到着した後、船を調達して南のアルボリア(Arboria)に向かって出港した。その途中、ヨハンの手配した海賊との戦闘を経て、船が難破してペレグリンは死亡した。
ちなみにペレグリンは泳げない。
トーリオン
トーリオン(Taurion)はアルボリア(Arboria)に住む松の民の男性。女性族長マグファイア(Magfire)の兄弟(弟か?)。
ショークーの城の戦いの後、七人衆となった。ヨハン戦争の最終決戦、エフラヴァの戦いで重傷を負い、戦争終結した翌日中に死亡した。
作中で描写された七人衆の死亡退場者の最後の1人である。
キイェノウ
キイェノウ(Kyenou)はアルボリアに住む松の民の男性戦士である。
トーリオンと同様に七人衆となった。三部作の最後まで生き残り、3代目頭目ジェディット・オジャネンの七人衆となった。
ヴェッチ
ヴェッチ(Vetch)は青色山脈のアイラーシ(Aerathi)の女性戦士である。
元ティラス軍所属。飛翔艦の墜落事故後にアディラが七人衆として受け入れた1人。ロバラン傭兵団に同行した理由は「海が見たかった」から。
最後まで生き残り、3代目頭目ジェディット・オジャネンの七人衆となった。
ヴェッチの詳細はこちらの個別記事を参照のこと。
雷鳴諸島のローレンス
雷鳴諸島のローレンス(Lorens of the Thunder Islands)は、2つ名の通りに雷鳴諸島出身の人間男性。
元ティラス軍所属。飛翔艦の墜落事故後にアディラが七人衆として受け入れた4人の1人。
ヨハン戦争の最終決戦、エフラヴァの戦いで死亡した。
余談だが、ローレンスは登場場面の大部分で、名前だけでなく「雷鳴諸島のローレンス」と長々と書かれており、あたかも文字数稼ぎのように感じさせられる埋め草のようなキャラクターであった。
チャル
チャル(Chal)は青色山脈のドワーフ男性。ハダグの兄弟。寡黙。
元ティラス軍所属。飛翔艦の墜落事故後にアディラが七人衆として受け入れた4人の1人。
最後まで生き残り、3代目頭目ジェディット・オジャネンの七人衆となった。
ハダグ
ハダグ(Hadag)は青色山脈のドワーフ男性。チャルの兄弟。寡黙。
元ティラス軍所属。飛翔艦の墜落事故後にアディラが七人衆として受け入れた4人の1人。
ハダグの作中での扱いは、チャルと2人1組の兄弟であることがほぼ全てだ。とにかく出番がなく、個人としての特筆する描写も(死亡シーンを除いて)なく影が薄いキャラクターであった。
ヨハン戦争の最終決戦、エフラヴァの戦いで死亡した。
ロバラン傭兵団のカード
“We learned from the best. And the worst. Pretty much whoever was available.”
「我々は最善から学ぶ。最悪からもだ。あらゆるものから学ぶのだ。」
引用:ロバラン傭兵団(Robaran Mercenaries)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
ロバラン傭兵団(Robaran Mercenaries)はカードセット「団結のドミナリア」でカード化されたAR4562年現在の組織の姿である。
カードセット「レジェンド」のリデザインされたキャラクターを除いて、カードセット「団結のドミナリア」は全て現在時間軸(AR4562年)のカードだと公式に明言されている。したがって、ロバラン傭兵団は1200年以上の長い歴史を受け継ぐ組織として存続していることになったのだ。
ロバラン傭兵団のフレイバー・テキスト
“We learned from the best. And the worst. Pretty much whoever was available.”
「我々は最善から学ぶ。最悪からもだ。あらゆるものから学ぶのだ。」
ロバラン傭兵団のフレイバー・テキストの和訳版には引っ掛かるところがある。
和訳製品版は「我々は最善から」「最悪からも」「あらゆるものから学ぶ」と書かれているので、人や物や出来事や一切合切のものから何か学びを得るという意味合いになっている。
ところが「あらゆるもの」の原文該当部は「Pretty much whoever」つまり「ほぼ誰でも・ほとんどどんな人でも」という意味だ。いわば「あらゆるもの」ではなく「あらゆる者」なのだ。
「我々は最善から学ぶ。最悪からもだ。あらゆる人物から学ぶのだ。」
フレイバー・テキストを訳し直してみた。
その上でカードの機能を見ると合点がいく。このカードは「あなたがコントロールしている『すべての伝説のクリーチャー』の起動型能力を持つ」とある。ロバラン傭兵団は、最善でも最悪でも「どんな人物(伝説のクリーチャー)」からでも学びを得る、とそういうことだ。
さいごに
ロバラン傭兵団がまさかのカード化を果たした。そこで、このような組織概要と主要メンバーを取り上げた記事にまとめてみた。
将来的には本記事を大幅に再編集したい。マイナーだが名前付きのメンバー、アディラの七人衆、そしてコミック版ジェディット・オジャネンに出てきた無名メンバーたちを総ざらえした記事にしようと考えている。
※ 2023年9月2日付で、七人衆に関する大幅な追記を行った。
では今回はここまで。
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